栗の保存方法

秋になるとツヤツヤとしたおいしそうな栗がたくさん出回ります。また冬には貯蔵栗が売られていることがあります。新鮮な栗と貯蔵栗とでは扱い方が少し変わるので、保存方法を見ていきましょう。

長時間の常温保存はNG

収穫したての栗は鮮度が大切。お店では網の袋に入った状態で売られていることが多いですが、そのまま長い時間置いておくと、水分が蒸発して乾燥し、果肉がかたくなったり、食味が悪くなったりします。購入後はポリ袋に入れて冷蔵庫で保存し、2~3日で使い切るようにしましょう。

なお、皮が濡れた状態のまま常温保存すると、カビが発生する恐れがあります。濡れている場合は表面の水気をふきとってから、新聞紙などで包み、さらにポリ袋に入れておくのがおすすめです。

ポリ袋に入れるか、新聞紙で包んでからポリ袋に入れて冷蔵保存。常温保存のままだと鮮度がどんどん低下します

チルド室に入れて糖度を高める

生栗を低温で貯蔵すると糖度が高くなることが知られています。そのため、すぐに食べずに、低温で熟成させるというのも1つの方法です。低温で2週間から1か月ほど寝かせる(熟成させる)と、でん粉が糖に変わり、さらに甘味の増した栗を味わえます。

保存期間の目安は、5度なら15~30日、2度なら15~50日、マイナス1度なら15~50日くらいがよいといわれます。とはいえ、家庭の冷蔵庫では細かく温度設定をするのは難しいので、チルド室(0~2度くらい)の中に2~3週間ほど入れておくとよいでしょう。

チルド室がなければ冷蔵室(2~6度くらい)へ。いずれにしても保存用袋やポリ袋に入れておくのがポイントです。また、ときどき様子を見てカビが発生していないかどうかをチェックします。

糖度を効果的に高めるには冷蔵室よりも温度の低いチルド室がおすすめです。期間は2~3週間が目安

これは約1か月チルド室で冷蔵保存していたものです。購入後すぐに食べたものに比べると明らかに甘味が強くなっていました

皮の厚い柑橘類の保存方法

より長持ちさせたいなら、生のまま冷凍する保存方法もあります。きれいに水洗いしてしっかりと水気をふき取り、皮ごと保存用袋に入れて冷凍庫へ。2か月くらいを目安に食べ切りましょう。調理する際は、凍ったままゆでて大丈夫です。

また、ゆでたものを皮ごと冷凍しておくことも可能。食べるときは熱湯に浸すなどして解凍すれば、そのままゆで栗のように味わえます。半分にカットしてスプーンなどですくって食べるとよいでしょう。

すぐに食べられない場合は冷凍保存も可能です

これは生のまま1か月半冷凍した栗です。凍った状態のままゆでてカットしてみたら、大きな変色は見られず、味も甘味があってホクホクとした食感でおいしく食べられました

むき栗は水に浸すか冷凍で保存

皮をむいた生の「むき栗」は、水に浸して冷蔵するか、冷凍しておくことで保存できます。ただ、冷蔵だとあまり日持ちしません。毎日水を替えて遅くとも3~4日以内に使用してください。

冷凍する場合は、むいた生栗をラップで包んでから保存用袋に入れて冷凍室へ。2か月くらいを目安に食べ切るようにします。

皮をむいてから冷凍してもOK

栗拾いをした栗を保存する

栗拾いで新鮮な栗をたくさん入手したら、まずは少しだけ味わって、残りをチルド室で2~3週間ほど保存するのがおすすめ。先にも述べていますが、栗は低温で貯蔵すると甘味がアップするので、より甘い栗が味わえます。

栗

栗拾いで入手したものは新鮮ですが、すぐに食べないで少し低温で寝かせると甘みがアップします

低温貯蔵の栗を購入した場合

栗の収穫シーズンは秋ですが、冬になっても栗が売られていることがあります。これらは低温貯蔵で熟成された栗で、収穫時よりも糖度が高くなっている可能性が大です。購入後は乾燥しないよう注意し、早めに調理して食べましょう。

冬に売られている貯蔵栗は甘味が増しています

●このページでは実際に試した経験も踏まえて、一般的な果物の保存方法をまとめています。しかし鮮度保持やおいしさを保証するものではありません。記事を参考にしたのに日持ちしなかった場合はどうぞご容赦ください。また矛盾はしますが、果物は新鮮なうちになるべく早く食べ切ることをおすすめします。