いちごの保存方法

いちごは鮮度の低下とともに食味が落ちていくので、おいしく味わうには早く食べ切るのが一番です。でもすぐに消費できないという場合もあるでしょう。鮮度を保ちつつ日持ちさせるにはどのように保存すればよいのかを見ていきます。

ポリ袋に入れて冷蔵庫の野菜室へ

いちごにとって乾燥と高温は大敵です。保存する際には果実が乾燥しないようパックのままポリ袋に入れ、冷蔵庫の野菜室に入れます。

最近のいちごは果皮や果肉がかための品種が増えていて、昔に比べると保存性はよくなっています。とはいえ、いちごは鮮度が大切なので2~3日以内に食べきるようにしましょう。とくにやわらかくなったものや、香りが強くなったものは早めの消費を心がけてください。

いちごはパックごとポリ袋にいれて冷蔵庫の野菜室で保存します

ヘタを下に並べ替えて1段で保存

数日保存する場合は、少し面倒ですがパックの中のいちごを一度チェックしておくとよいでしょう。2段重ねで詰められている場合、たまに下段のいちごが押されて潰れていることがあります。そのまま放置するとそこから傷み始めてしまうので、持ち帰ってきたら1段に並べ替えておいたほうが安心です。

並べ替えるときはヘタを下向きにしておくのがポイント。個々の間隔を少しあけておくと、果実同士がぶつかって押されたり傷がつくのを防ぐことができます。

果実が重なっている場合は、葉を下にして1段に並べ替えるとよいでしょう

水洗いすると日持ちが悪くなる?

いちごの果皮はとても薄く、水に濡らすと果皮が傷みやすくなるといわれます。とくに完熟果は皮がやわらかくなっているので、水洗いをするのは食べる直前にしましょう。

いちごを洗うときは、へた付きのまま洗います。へたを取ってから水洗いすると、果汁が流れ出てしまうことがあるからです。

ちなみに、いちごを食べるときに水洗いをするか、しないかという議論がありますが、基本的には洗ったほうがよいでしょう。そのまま食べても大丈夫ですが、流通の過程で人の手に触れられていることなどを考えると、水で洗ったほうが安心です。流水またはボウルに張った水で、果実とへたの部分まで水が行き渡るようにして軽く洗います。

水洗いして保存するとどうなるか検証

実際に水洗いしたものと、水洗いしていないものを保存して、日持ちのよさを比較してみました。その結果がこちらです。なお、本来なら本格的に傷むまでやったほうがよかったのかもしれませんが、傷んで廃棄するのはもったいないので実験は1週間で終了しています。

水洗い保存の検証スタート

同じパックに入った「あまおう」を使い、3粒ずつ小皿に入れてラップをかけ、冷蔵庫の野菜室へ入れます。

1日目。左側が水洗いしたもので、右側がそのまま保存したものです。どちらもよく熟していて果実が真っ赤でです

水洗い保存4日目

4日後の状態を見てみると、どちらも初日と比べて若干フレッシュさが減ったような気がしますが、果皮の色や香りなどに目立った変化はありません。

4日目。両者の差はほとんどなく、変色や傷みは見られません。このままラップをして、もう一度冷蔵庫の野菜室に戻します

水洗い保存7日目(食べてみる)

1週間後の状態。どちらも果皮の色が濃くなっていてやや鮮度の低下を感じますが、見た目の差はわかりにくいです。食べてみると、味はどちらも甘酸っぱさをキープできていて、なんとかおいしく食べられました。予想では水洗いのほうが傷みが早いかと思っていたのですが、特に大きなダメージはなし。あえていうならそのまま保存したほうが、わずかにかたさが残っていたような気がするといった感じです。

7日目。果実の外見にはあまり差はありません。食べてみると、洗わずにそのまま保存したほうがわずかにかたさが残っているようなしないような……

結論

結果としては、1週間保存した場合、洗わないほうが果実がしっかりしている気がする、というなんともあいまいな結果になりました。ともあれ、やはりいちごは早く食べ切るのが一番です。スーパーのおつとめ品のようになるまで保存して、「まだ大丈夫かな?」と心配しながら食べるより、新鮮なうちにおいしくいただきましょう。

アルミホイルで包むと長持ちする?

いちごをアルミホイルで包んで冷蔵保存すると日持ちがよくなるという情報もあります。本当にそうなのか、試しに実験をしてみました。なお、保存前に水洗いはしていません。また、こちらも本格的に果実が傷むと切ないので期間は7日としています。

アルミホイル保存の検証スタート

同じパックに入った「あまおう」を使って、「アルミホイル保存」と「ラップ+ポリ袋」で比較してみました。それぞれ5個ずつピックアップし、冷蔵庫の野菜室に入れます。いちごは完熟状態なので全体が赤く、果実はほどよいかたさです。

1日目。購入時のパックにラップをかけてポリ袋に入れたものと、アルミホイルで包んだものをそれぞれ冷蔵庫の野菜室へ

アルミホイル保存4日目

4日目に確認してみると、どちらもわずかにみずみずしさが減少しているような気がしますが、目立った変色や傷みなどはありません。ちなみに「アルミホイル保存」の右下の1粒は色が少し黒っぽくなっていますが、これは初日から色が濃かったのでその影響だと思います。

4日後の様子です。どちらも大きな変化は感じられませんが、少し果皮に張りがなくなってきた印象です

アルミホイル保存7日目(食べてみる)

1週間経つと、どちらもやや赤みが強くなってきました。店頭ではぎりぎりジュースやジャム用としておつとめ品で売られるレベルでしょうか。またアルミホイル保存の右下の黒っぽい1粒はさらに濃い色になっていて、食べてみると鮮度が落ちた味がしました。ですが、残りは9個はいちごらしい甘味や香りが感じられてなんとか味わえました。

7日目のあまおうです。全体的に赤みが強くなっているものの、両者に大きな差はそれほど見られません。ただ、食べ比べるとアルミホイル保存のほうが少しかたさが残っている気がするようなしないような……

結論

結果としては、1週間だとアルミホイルでもラップでも大差は感じられず、どちらも鮮度は減少しているものの、なんとかいちごらしさを味わうことはできました。もしかすると、完熟直前のいちごだとまた違った結果になったかもしれません。ちなみに、アルミホイルだと中の様子が見えないので、いちいち開けて確認しないといけないのは面倒でした。

長期保存したいなら冷凍

量が多くて食べきれない場合は、冷凍保存がおすすめです。半解凍したものはシャーベット風に味わえるほか、アイスクリームやヨーグルトのトッピングに使ったり、スムージーにも使えます。

冷凍する場合は、水洗いをしてしっかりと水気をふき取り、ヘタを取ってラップでしっかりと包みます。この際、3~4個ずつに小分けしてラップすると、使うときに便利です。さらに保存用袋に入れて冷凍庫へ入れておきましょう。冷凍したものは1か月を目安に使い切ります。

食べる時は常温または冷蔵室に置いておき、好みの状態になったらそのまま食べます。解凍したいちごに砂糖適量とレモン汁少々を入れてレンジで加熱すれば、即席ジャムにもなりますよ。

水洗いをして水分をふき、ヘタを取ってから冷凍しておきます

冷凍いちごは半解凍の状態で食べてもおいしく、スムージーやジャムなどに使ってもOK

●このページでは実際に試した経験も踏まえて、一般的な果物の保存方法をまとめています。しかし鮮度保持やおいしさを保証するものではありません。記事を参考にしたのに日持ちしなかった場合はどうぞご容赦ください。また矛盾はしますが、果物は新鮮なうちになるべく早く食べ切ることをおすすめします。