おいしい栗の選び方

栗は収穫したばかりのものと、低温貯蔵されたものがあります。収穫したての栗は時間が経つにつれ食味が落ちていくため、新鮮なものを選ぶことが大切です。

果皮がつやつやとしていて光沢がある

新鮮な栗は、果皮に張りと光沢があり、みずみずしさを感じます。そのため全体がつやつやとしているものを選びましょう。

栗は皮がかたいので水分が蒸発しにくいように見えますが、2~3日で鮮度が低下します。張りがないものは、果皮がくたびれていて押しても弾力がありません。

石鎚

果皮にツヤがあり新鮮さを感じられるかをチェック。これは「石鎚(いしづち)」という品種で、甘露煮と栗きんとんにしておいしく食べました

ずっしりと重さを感じる

持ったときに重量感を感じるかどうかもポイントです。ツヤのない古い栗は、水分が減っているので重みがなく、甘味も風味も減少しています。しっかりと実が詰まった重たいものを選びましょう。

栗

これは少しひからびた感じの外観をしていています。1粒1粒に重みが感じられないものは鮮度が低下していているので要注意。これは少し虫食いがありました……

ふっくらと丸みがあり1粒が大きい

栗の形をよく見ると、丸みのあるものと、平たいものがあります。平べったいものはイガの中でほかの実に挟まれていたもの。平たいものは果肉が少ないので、なるべくふっくらとした大きな栗がたくさん入っているものがおすすめです。

ちなみに栗の実はイガで覆われていて、食べられる果肉部分は「鬼皮」というかたい果皮に包まれています。鬼皮をむくと「渋皮」という種皮に覆われた果肉が出てきますが、これは種子が発達したもので、栗は「ナッツ」の一種となります。

栗

このようにイガの真ん中にある栗は平たい形をしていて果肉が少なめです。なお、イガは必ずしも3個入りではなく、2つ入りだったり、1つしか入っていないこともあります

大峰

これは「大峰」という品種。この大峰はふっくらとしていて、甘露煮や栗ご飯などにしてホクホクとした甘味を堪能しました

虫食い穴に要注意

当然ですが、皮に傷が付いていたり黒っぽく変色していているもの、小さな穴が空いているものは避けましょう。穴が空いているものは、だいたい虫に食べられています。

虫食い判定は1つずつ目視して穴を探すか、たっぷりの水に浸すと浮いてきます。穴がなくても虫に入り込まれていることもありますが、ある程度はこれで排除できるはずです。

このような小さい穴が空いている栗は虫食いの可能性が高いので、購入時や調理する前にしっかり確認しましょう

低温貯蔵で熟成された栗は甘味が強い

栗の収穫シーズンは9月から10月頃ですが、11月以降も栗が売られていることがあります。それらは低温で貯蔵されたもので、「熟成栗」ともいわれます。しっかり管理された環境で熟成した栗は、収穫時よりも糖度がより高くなっていて甘味が強いのが特徴です。

岸根

これは12月末に購入した「岸根(がんね)」という栗。低温貯蔵されていたもので甘味が強く、ホクホクとした食感でとてもおいしかったです

●このページでは実際に食べた経験も踏まえて、一般的な選び方をまとめています。しかし糖度やおいしさを保証するものではありません。記事を参考にしたのにおいしくなかった場合はどうぞご容赦ください。
●糖度の数値は当サイトが独自に計測したものです。「Brix値(ブリックス値)」は「%」で表されますが、ここではわかりやすく「度」で表示しています。また、使用している簡易糖度計では、糖分だけでなくクエン酸などの「酸」も計測されてしまうため、必ずしも糖分だけの結果とはなりません。それを踏まえたうえでご覧ください。
●糖度が高い=おいしい、ということではありません。しかし、平均値よりも糖度が高いものは実際においしく感じるものが多いです。
●糖度を測定した個数は約10~200個と果物によって異なります。品種の重複はありますが、例えばあんずは10品種(12個体)で、いちごは91品種(118個体)を計測しています。
●糖度分布があるイラストは、わかりやすくするため大げさな色分けにしています。