くり 栗 Chestnut

  • 銀寄

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  • 石鎚

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  • ぽろたん

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  • 筑波

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  • 丹沢

    丹沢

  • 利平

    利平

  • 岸根

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  • 大峰

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  • 栗(フランス産)

    栗(フランス産)

  • 天津甘栗(調理済み)

    天津甘栗(調理済み)

  • 栗

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  • ぽろたん

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  • 筑波(未熟)

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  • 栗

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  • 栗(雌花)

    栗(雌花)

  • 栗(雄花)

    栗(雄花)

  • 栗(花)

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  • 栗(幼果)

    栗(幼果)

  • 銀寄(未熟)

    銀寄(未熟)

  • 栗

  • 栗(木)

    栗(木)

  • 栗(未熟)

    栗(未熟)

基礎データ DATA

栗の旬(出回り時期)

※これは栗の出回り量の割合をグラフ化したものです。農林水産省統計 青果物卸売市場調査 品目別:主要卸売市場計(2022年)を参考にしています

栗の概要

栗の幼果 栗の果実(未熟) 栗の雌花 天津甘栗(調理済み) 栗(フランス産)

秋の味覚を代表する「栗」は、大きく分けて4つの種類があります。国内で一般的に売られている「ニホングリ」、天津甘栗でおなじみの「チュウゴクグリ」、マロングラッセなどに使われる「ヨーロッパグリ」、そして日本ではあまり見かけない「アメリカグリ」です。見かけはあまり変わりませんが、それぞれ地域に合った特徴があります。

ニホングリは野性のシバグリ(芝栗)を品種改良したもので、果実が大きく風味がよいのが特徴。しかし、甘味がやや少なく渋皮がはがれにくいのが難点です。

一方、チュウゴクグリは甘くて渋皮もむきやすいのですが、果実が小さくて栗の害虫である「クリタマバチ」の被害を受けやすく、日本では栽培されていません。「天津甘栗」の原料としてよく使われているのは「板栗(バンリー)」という品種です。

ヨーロッパグリは小ぶりながら渋皮がむきやすいのが特徴です。しかし、こちらも病気や害虫による被害を受けやすいため日本では栽培されていません。

アメリカグリは果実の品質がよく、また大きくて強い樹が木材として使われるほど利用価値の高いものでしたが、1900年頃に発生した菌類「栗胴枯れ病」の被害によりほぼ壊滅したといわれています。現在でも一部の地域で栽培されていますが、病気に弱いので日本で栽培することはできません。

栗の歴史

栗の果実(収穫前) 栗の花

栗の歴史はとても古く、縄文時代の遺跡である「三内丸山遺跡(青森県:約5000年前)」からも数多くの栗が出土しています。

平安時代の初期には京都の丹波地域で栽培され始め、徐々に地域が拡大していきました。書物では古事記(712年)や日本書紀(720年)にも登場し、平安時代の法典「延喜式(えんぎしき:927年)」には、乾燥させて皮をむいた「搗栗子(かちぐり)」や、蒸して粉にした「平栗子(ひらぐり)」なども記されています。丹波では現在でも栗の栽培が行われていて「丹波栗」はブランド品として有名です。

日本各地で栽培されていた栗ですが、昭和16年頃に発見された害虫「クリタマバチ」による被害で日本中の栗園は大打撃を受けました。それ以降はクリタマバチに抵抗性を持つ品種が育成されて現在に至っています。

栗の栄養と効能

おもな栄養成分(可食部100g中)

カリウム(420mg)、葉酸(74mcg)、食物繊維総量(4.2g)、ビタミンC(33mg)、ビタミンB1(0.21mg)、ビタミンB2(0.07mg)、ビタミンB6(0.27mg)

期待される効能

高血圧予防貧血予防便秘改善風邪予防、美容効果、疲労回復、老化抑制p>

栗にはカリウムが豊富に含まれているので高血圧や動脈硬化などの予防に効果が期待できます。また造血作用のある葉酸も含まれていて、貧血予防や葉酸を多く必要とする妊婦の方にも最適です。

食物繊維は便秘改善に役立ち、ビタミンCは風邪予防や美容効果に効果があります。栗のビタミンCは、でんぷん質に包まれているので熱による損失はそれほどありません。

疲労回復に役立つビタミンB1、細胞の成長を促進し老化抑制によいとされるビタミンB2、アミノ酸の合成や代謝に必要なビタミンB6なども豊富に含まれています。

栗は栄養価の高い食べ物ですが、その一方でカロリーも高いので食べすぎには要注意です。

より詳細な栄養成分については、「栄養成分(グラフ)」もしくは「栄養成分(一覧表)」に掲載しています。

栗の種類

筑波(つくば)

筑波(つくば)

日本で最も広く栽培されている品種がこの「筑波」です。「岸根(がんね)」と「芳養玉(はやだま)」の交配種で1959年(昭和34年)に命名されました。甘味のある果実は粉質で香りが良く品質が高いのが特徴。果皮は赤褐色で光沢があり、果重は20~25gと大きめ。貯蔵性が良く加工用原料としても使われています。収穫は9月中旬頃から10月頃まで。

丹沢(たんざわ)

丹沢(たんざわ)

8月下旬頃から店頭に並ぶ早生種の代表がこの「丹沢」です。「乙宗(おとむね)」と「大正早生」の交配種で1959(昭和34年)に命名登録。北海道と沖縄を除く全国各地で栽培されています。サイズは20~25gと大きめで果皮は淡褐色。果実は粉質で、甘味と香りは控えめですが、早生種の中では品質に優れています。

銀寄(ぎんよせ)

銀寄(ぎんよせ)

大阪府豊能郡歌垣村倉垣(現在の豊能郡能勢町)原産の歴史ある品種。かつては銀由、銀善などともいわれていましたが、現在では「銀寄」で統一されています。果重は20~25gと大きめで、果実は粉質で甘味が多く風味も豊か。ただし、貯蔵性はやや劣るため加工用品種としては不向きです。収穫は9月下旬頃から。「丹波栗(ブランド)」の代表品種でもあります。

石鎚(いしづち)

石鎚(いしづち)

10月上旬から出回る晩生種。「岸根」と「笠原早生」の交配種で1968年(昭和43年)に命名されました。赤褐色で光沢のある美しい果皮が特徴です。果重は25g前後とやや大きく肉質は粉質で甘味も香りもあります。また日持ちが良く、煮くずれも少ないので加工用原料としても適しています。11月上旬頃までがシーズン。

利平(りへい)

利平(りへい)

9月中旬から下旬頃がシーズンの中生種で、ニホングリとチュウゴクグリの一代雑種といわれています。1950年(昭和25年)に登録されました。粉質の果実は甘さがあり、蒸し栗におすすめ。しかし肉質がもろいため、シロップ漬けなどの加工には適しません。果皮は光沢のある暗褐色で果重は20~25g前後となっています。

国見(くにみ)

国見(くにみ)

「丹沢」と「石槌」を交配して育成され1983年(昭和58年)に品種登録されました。お彼岸の頃に最盛期を迎える早生種で、早いものは9月上旬頃から食べることができます。果皮は褐色で光沢があり、果重は約25g前後で肉質はやや粉質。甘味と風味は少ないので甘露煮などの加工用としても使われています。

岸根(がんね)

岸根(がんね)

山口県美和町が原産の「岸根」は、長い歴史を持つ品種です。果実は30g前後と大きく、粉質で品質がよく甘味があります。貯蔵性もよく、加工用としても適しています。10月中旬以降に最盛期を迎える晩生種です。

伊吹(いぶき)

伊吹(いぶき)

果重20g前後の早生種です。「銀寄」×「豊多摩早生」として誕生し1959年(昭和34年)に命名登録されました。果実は粉質で甘味は中程度。また香りはそれほどありませんが、品質は優れています。シーズンは9月上旬~中旬頃です。このほか栗の早生種では「出雲」、「森早生」、「日向(ひむか)」などが有名。

ぽろたん

ぽろたん

渋皮が簡単にむける栗として注目を集めている新品種です。ニホングリは渋皮がむきにくいのが難点ですが、このぽろたんは加熱前に鬼皮(外側のかたい皮)に切り目を付けることで渋皮を容易にむくことができます。加熱方法はお湯でゆでるほか電子レンジでもOK。サイズは約30gとやや大きめで果肉は黄色くホクホクとしていて甘味もあります。親は「550-40」と「丹沢」で2007年(平成19年)に品種登録されました。

各地の年間収穫量 栗

円グラフと下表の割合(%)が違うときは?

上の円グラフの割合(%)と下の表の割合(%)の数値が違うことがありますが、その場合は下表のほうが正しい数値です。

下の表は出典である農林水産省のデータに記されている「全国の合計値」から割合を計算したものです。

上の円グラフも農林水産省のデータですが、こちらは全国ではなく主要生産地のみのデータなので、値が公表されていない都道府県は含まれていません。

また、ページ上部の「基礎データ」にある「おもな産地」の数値は、下表の割合(シェア)を四捨五入したものです。

出典:農林水産省統計

2021年の栗の収穫量のうち最も多いのは茨城県で、約3,800トンの収穫量があります。2位は約2,210トンの収穫量がある熊本県、3位は約1,300トンの収穫量がある愛媛県です。

栽培面積・収穫高の推移

出典:農林水産省統計

2021年の栗の栽培面積は約1万6,800ヘクタール。収穫量は約1万5,700トンで、出荷量は約1万2,800トンです。

品種ごとの作付面積

出典:農林水産省統計

2020年の栗の作付面積は、1位は筑波で約3,184ヘクタール。全体の約30%を占めています。2位は銀寄で約1,560ヘクタール。3位は丹沢、4位は利平くりとなっています。

栗の輸入先と輸入量

出典:財務省統計

栗は4か国から輸入されています。輸入先トップは韓国で輸入量は約2,397トン、全体の50%以上を占めています。2位は中国の約2,258トンで全体の50%近くを占めています。3位はイタリアの約3.3トン。4位は約307キロのフランスと続きます。

栗の輸出先と輸出量

出典:財務省統計

日本産の栗は中国とシンガポールへ輸出されています。中国への輸出量は約657トンで、栗輸出量のほとんどを占めています。シンガポールへの輸出量は約200キロで、割合はそれほど多くありません。

年別輸出入量

出典:財務省統計

栗は輸入と輸出が行われています。2022年の輸入量は約4,658トンで輸入額は約43億6,547万円。輸入量は前年と比べると470トン(約9%)減少しています。また、輸出量は約657トンで輸出額は約4億6,338万円。輸出量は前年と比べると74.5トン(約10%)減少しています。

主要生産国(上位5か国)

出典:FAOSTAT(2021年)

栗生産の上位5か国は、中国、スペイン、ボリビア、トルコ、韓国です。1位の中国の生産量は年間約170万3,653トンで全体の約75%を占めています。2位のスペインは年間約18万7,680トンで全体の約8%、3位のボリビアは年間約8万1,327トンで全体の約4%です。

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