おいしいグレープフルーツの選び方

ここではグレープフルーツのほかに、スウィーティー(オロブランコ)とメロゴールドも紹介します。流通しているものはほとんどが外国産ですが、グレープフルーツはわずかながら国内産も出回っています。国内産は価格が高いですが、防カビ剤が使われていないのがメリットです。

ずっしりと重量感があるもの

グレープフルーツを選ぶときはまず、ずっしりと重みを感じるかどうかを確認します。重いものは水分が多く、果汁が豊富に含まれています。サイズが大きいわりに軽いものは避けたほうがよいでしょう。

マーシュ

この白肉のグレープフルーツは重量感があり果肉がぎっしりと詰まっていました。糖度は10.2度と中程度ですが、ジューシーでさわやかな甘酸っぱさでした

同じ品種ならより色鮮やかなものを

果皮の色は産地や品種によって微妙に異なりますが、基本的に一般的な白肉の「マーシュ」は黄色で、果肉がピンク色の「ルビー」は黄色~赤みが差した濃黄色です。

果肉が赤い「スタールビー」や「リオレッド」「フレーム」などは皮がオレンジ色ものや、黄色とオレンジのまだらのものがあります。

いずれも色が薄いものよりは鮮やかな濃い色のものがおすすめ。果皮にシミが付いたものも売られていますが、少しくらいならあまり気にしなくてもよいでしょう。

ルビー(スウィーティオ)

果肉が淡いピンク色のルビーは、白肉のマーシュよりも果皮の黄色が濃いめです。このルビーの糖度は高い部分で13.2度ありました

スタールビー

これは「スタールビー」という品種です。赤肉種のグレープフルーツは、このようなムラのあるオレンジ色になっていることもあります。糖度は一番高くて13.6度ありました

縦長のものよりも球形のもの

形は西洋梨のような縦長のものよりも、球形~扁平形のほうが糖度が高めといわれます。なるべくきれいな丸みがあって、ふくよかなものを選びます。

グレープフルーツは樹上でかたまって実をつけるので、頭の部分がとがりがちですが、あまり細長くないものがよいでしょう。

球形(左)のものと縦長(右)のもの。重さは球形が469g、縦長が439gです

果肉部分の重さは球形が367gで、縦長が303g。縦長のものは思ったよりも果肉部分が小さかったです。また糖度は球形が11度前後で、縦長が10度前後と1度の差でしたが、球形のほうが甘味を感じました

グレープフルーツ

グレープフルーツはこのように、頭の部分をくっつけるようにしてたくさんの実がなります

皮が薄めで張りとツヤがある

また、皮がかたくて厚いものよりも、薄いもののほうが食味がよいとされます。そのため皮にやわらかさや薄さを感じるかもチェックしましょう。わかりにくいかもしれませんが、ごわごわとしたものよりも、なめらかなものがおすすめ。果皮に張りとツヤがあるかどうかもポイントです。

リオレッド

「リオレッド」という赤肉種。やや小玉でしたが、皮が薄めで食べる部分が多かったです

リオレッド

これも同じ「リオレッド」。上のものよりも大玉で、果皮に厚みがありました。実際に2つを食べ比べてみたところ、さほど差はなかったものの、こちらのほうが苦味と酸味が若干強く感じられました

より高い安心を求めるなら国内産

国内でもグレープフルーツは作られています。輸入品には防かび剤が使用されているので、それが気になるなら、国産のグレープフルーツを選ぶと安心です。ただ、流通量は少ないので、手に入れたい場合は高級果物店や産地近くの直売所、ネット販売などで探すとよいでしょう。

グレープフルーツ(静岡県産)

これは静岡県産のグレープフルーツです。糖度は10.4度とそれほど高くはないものの果肉がやわらかく多汁で、心地よい甘酸っぱさを味わうことができました

緑色品種は黄色っぽいとより甘い

果皮が緑色の「オロブランコ」や「スウィーティー」は、緑の状態でも酸味がおだやかで甘味があります。そして果皮が黄色っぽくなったものは、より酸味が少ない傾向にあります。

また1月から2月頃には樹上完熟の黄色いオロブランコも流通します。こちらは糖度がより高めといわれるので、甘味重視ならこの時期のものを選ぶとよいでしょう。

「メロゴールド」は果皮が黄色いものを選びます。

オロブランコ

果皮が黄緑色の「オロブランコ」。未熟に思えますが、この状態で熟しています。このオロブランコは苦味と酸味が少なくてほどよい甘さ。ちなみに糖度は11度前後でした

オロブランコ

これは2月に購入した樹上完熟の黄色い「オロブランコ」。糖度が15以上あり、酸味がおだやかでしっかりと甘味を感じられました

グレープフルーツの一番甘い部分はどこ?

当サイトがこれまでに計測したグレープフルーツの糖度データをもとに、果実のどの部分が甘味が強いのかをイラストで紹介しています。また平均糖度も計算しました。

枝側の部分を「上」として、お尻側の部分を「下」とすると、上の平均糖度は約10.6度、中が約10.9度、下が約11.1度でした。なお、この平均値はホワイト種とルビー種が混ざっています。

グレープフルーツの一番甘い場所はお尻の部分。へた側よりもお尻側のほうが甘味が強いということになります。

グレープフルーツの糖度分布

平均糖度 約10.9度

上の平均糖度 約10.6度

中の平均糖度 約10.9度

下の平均糖度 約11.1度

●このページでは実際に食べた経験も踏まえて、一般的な選び方をまとめています。しかし糖度やおいしさを保証するものではありません。記事を参考にしたのにおいしくなかった場合はどうぞご容赦ください。
●糖度の数値は当サイトが独自に計測したものです。「Brix値(ブリックス値)」は「%」で表されますが、ここではわかりやすく「度」で表示しています。また、使用している簡易糖度計では、糖分だけでなくクエン酸などの「酸」も計測されてしまうため、必ずしも糖分だけの結果とはなりません。それを踏まえたうえでご覧ください。
●糖度が高い=おいしい、ということではありません。しかし、平均値よりも糖度が高いものは実際においしく感じるものが多いです。
●糖度を測定した個数は約10~200個と果物によって異なります。品種の重複はありますが、例えばあんずは10品種(12個体)で、いちごは91品種(118個体)を計測しています。
●糖度分布があるイラストは、わかりやすくするため大げさな色分けにしています。