アボカドの保存方法
アボカドは熟して黒くなった果実と、完熟前の明るい緑色のものとでは保存方法が異なります。それぞれの適切な保存の仕方や、未熟なアボカドをおいしく追熟させるコツを見ていきましょう。
果皮が黒いものは冷蔵庫の野菜室へ
アボカドは食べ頃になると皮が深緑色から黒っぽい色に変化します。黒く熟した果実はポリ袋に入れて冷蔵庫の野菜室で保存しましょう。熟すとあまり日持ちしないので、2~3日で食べ切るようにしてください。
なお完熟したアボカドを常温で置いておくと、どんどんやわらかくなって傷み始めてしまいます。さわったときに少し弾力を感じる程度なら大丈夫ですが、明らかにやわらかいものは、すでに過熟になっている可能性が高いのですぐに使いましょう。
なお、流通量は少ないですが、国内産アボカドとしても出回る「ベーコン」や「ピンカートン」「フェルテ」といった品種は熟しても果皮が緑色のままです。これらは手でさわってやわらかさを感じたり軸がぐらついていれば熟しています。
アボカドは熟すにつれ果皮の色が変わっていきます
黒くなった完熟アボカドはポリ袋に入れて冷蔵保存しましょう
これは「ピンカートン」という品種のアボカド。この状態で完熟しています
果皮が緑色のものは常温で追熟
果皮が緑色のアボカドは、常温で保存して追熟させ、全体が黒っぽくなるまで待ちます。緑色のものは果肉がかたくておいしくありません。とくに明るい緑色のものは果肉がカチカチで、アボカド特有のなめらかな食感や甘味をまったく感じられないので、少し長めの追熟が必要です。ポリ袋に入れたり新聞紙で包むなどして涼しい場所に置いておきましょう。
下の画像は緑色のアボカドを常温保存して色の変化を検証してみた結果です。
明るい緑色のものはかたいので。新聞紙で包むなどして常温で追熟させてください
全体が緑色のアボカドは3~5日ほど追熟させれば食べ頃になります
1日目。これは10月中旬に購入したアボカドです。まだ全体が緑色をしています
3日後の状態です。少し黒っぽくなってきました
5日後。全体が黒くなって食べ頃になりました。果肉がほどよくやわらかくておいしかったです
アボカドの追熟には何度が適温?
アボカドの追熟が進むのは13~24度くらいで、保存環境としては20度前後が理想です。果実の状態や環境にもよりますが、一般的に2~5日ほどで果皮が黒みがかってきます。
気温の高い夏場は冷房の効いた部屋に置いておくと安心です。冷房を使わない場合は温度が高くなりすぎないように十分注意してください。いずれにしても保存する際には直射日光が当たらないように気をつけます。また、過熟状態にならないよう果皮の色をこまめにチェックするのも忘れずに。
暑い室内で長時間置いておくと傷んでしまうことがあるので要注意です
未熟なアボカドを早く追熟させるには?
早く追熟させたい場合は、やや高めの23~25度くらいの場所で保存するとよいでしょう。ただし30度近い場所に長時間置いておくと果肉が傷んだり、追熟障害が起こることがあります。また、表面が濡れているとカビが発生する恐れがあるので、湿度が高い時期は果皮が濡れていないかチェックして、新聞紙などに包んで置いておきます。
ゆっくり追熟させるには?
ゆっくりと熟させたい場合は、少し温度が低めの場所で保存するとよいでしょう。13~15度程度の環境に置いておくと、時間をかけて追熟していきます。
夏場は少し黒みがかった段階で、新聞紙に包んでポリ袋に入れて冷蔵庫の野菜室に入れておくのも1つの方法です。ただし明るい緑色の未熟果を低温で保存すると変化が起きません。常温で少し追熟させてから冷蔵庫に移すようにしてください。
少し熟したくらいの段階で冷蔵すると長めに保存できます
かたいまま冷蔵するとどうなる?
未熟なアボカドを冷蔵すると、追熟が進まずいつまで経ってもやわらかくなりません。また、アボカドは5度以下になると低温障害を起こすことがあり、そのまま長時間置いておくとで果肉が傷んでしまうこともあります。
冷蔵庫に入れるなら少し色が濃くなったものを選び、冷蔵室よりも温度が高めの野菜室へ。また、ときどき追熟が進んでいるかどうかを確認しましょう。
ちなみに冷蔵庫の温度の目安は、メーカーや機種にもよりますが、冷蔵室が2度から6度くらいで、野菜室はそれよりも少し高い3度から8度くらいに設定されています。
明るい緑色の未熟なアボカドを冷蔵庫に入れっぱなしにすると、ずっとかたい状態のままです
半分に切ったものは種付きのままラップ
半分にカットしたものを残す場合は、種付きのほうをラップで包んで冷蔵保存しておきます。アボカドをカットすると断面が酸化して変色してきますが、種が付いたままだとその部分は変色しにくいからです。また断面にレモン汁を少しかけておくと、多少の変色は抑えられます。
カットしたアボカドは種を取らず、そのままラップをして冷蔵し、1~2日で消費します
ペースト状にして冷凍保存
熟したアボカドがたくさんある場合は、ペースト状にして冷凍するという方法もあります。変色防止のために果肉をつぶしながらレモン汁をかけ、ラップで小分けして冷凍庫へ。塩こしょうやマヨネーズなどで味付けしてディップにしたものを冷凍してもOKです。
食べ切れない場合はペーストにして冷凍しておけば、サラダやサンドイッチのときに便利です
●このページでは実際に試した経験も踏まえて、一般的な果物の保存方法をまとめています。しかし鮮度保持やおいしさを保証するものではありません。記事を参考にしたのに日持ちしなかった場合はどうぞご容赦ください。また矛盾はしますが、果物は新鮮なうちになるべく早く食べ切ることをおすすめします。