柿の保存方法

柿は果実の熟し具合によって日持ちが違ってきます。また、食感はかたいほうがよいのか、少しやわらかくして味わいたいかによっても保存方法が異なります。好みの状態を少しでも維持できる保存方法を見ていきましょう。

かたい食感をキープするなら冷蔵保存

柿は常温の場所に置いておくと、徐々にやわらかくなっていきます。かたい柿を最後の1個までカリッとした食感で味わいたいなら、冷蔵庫の野菜室で保存するようにしましょう。数日間はかたい食感を維持することができます。また、すでにやわらかさが出ているものも、冷蔵することでトロトロになるまでのスピードを抑えられます。

保存する際には、乾燥を防ぐためにポリ袋に入れるか1個ずつラップなどで包んでおくことが大切。新聞紙で包んでポリ袋に入れるとより乾燥防止になります。

ポリ袋に入れるか、ラップで個別に包んで冷蔵庫の野菜室で保存。柿は低温で保存することで果肉の軟化を遅らせることができます

やわらかくするなら常温で(色の変化実験)

ソフトな口当たりがよければ、常温でしばらく置いておきましょう。ポリ袋や新聞紙などで包んで冷暗所で保存すれば徐々に軟化していくので、好みの状態までやわらかくして食べます。

品種にもよりますが、果皮が黄色みがかっている柿は、少しオレンジ色に変化してきたら食べ頃。もっとやわらかくしたいなら、さらに数日間置いておくとよいでしょう。

なお、どれくらい日持ちするかは、柿の状態や保存場所の温度によって異なります。かたい柿だと1週間以上持つこともありますが、すでにやわらかさが出ているものや、暖かい場所に置いたものは2~3日でとろっとしてしまうこともあります。軟化しはじめると早いので、少しやわらかくなった時点で冷蔵庫の野菜室に移動させましょう。

下の画像は緑色が残った柿を常温保存して色と味の変化を検証してみた結果です。

やわらかくしてから食べたい場合は、新聞紙やポリ袋などで包んで常温保存します。時々チェックして、ちょうどよいかたさになったら味わいましょう

刀根早生(保存1日目)

1日目。10月中旬に購入したこの「刀根早生」は緑色が残っている状態でした。この色の状態で食べるとカリッとした歯ごたえで甘味はあるものの、ジューシー感は少なめです

刀根早生(保存7日目)

常温で7日置いておくとオレンジ色が出てきました。この状態のものを食べると果汁が増えていて、歯ごたえも感じられて食味良好です。かたい食感が好みならこのくらいで食べてもよいでしょう

刀根早生(保存13日目)

購入13日後の状態です。さらにオレンジ色が濃くなりました。やわらかさの中にわずかにカリッとした食感も残っていて、みずみずしさもアップしています

置くときはへたを下向きに

柿を保存するときは、へたを下にして置くようにします。果肉がやわらかくなってくると果実の重みで傷みやすくなりますが、へたを下向きにすることでその圧力をへたが受け止めてくれます。

また箱買いなどで数が多い場合、上にどんどん載せると下の果実がダメージを受けるので、2段重ねくらいにしておきましょう。できれば1個ずつ新聞紙などで包むのがおすすめですが、無理であれば1段目と2段目の間に緩衝材として新聞紙を2~3枚挟んでおくようにします。

段ボール箱で保存する場合は新聞紙で1段ずつ仕切るか、1個ずつ新聞紙で包むなどしておくとよいでしょう

柿はヘタを下に向けて保存するようにしましょう

へたに濡れティッシュで長持ち!?(実験)

柿の日持ちをよくする技として、柿のへたの部分に湿らせたティッシュを当てるという方法があります。やり方は、軽く湿らせたティッシュをへたに当てて、1個ずつぴったりとラップまたはポリ袋に入れ、冷蔵庫の野菜室へ入れるだけ。かたい柿なら、うまくいけば2~3週間ほど持つこともあり、すでに完熟したものでもそのまま保存するよりも多少は長持ちするといわれます。

その理由は、柿は乾燥するとへたの部分でエチレンが生成され、そのエチレンによって果肉が軟化することがあるからです。そのため、へた部分に濡れティッシュを当てておくことで、水分の消失を抑えられるというわけです。

濡れティッシュ保存の効果を検証

実際に濡れティッシュを使うと日持ちに差がでるのか実験をしてみました。11月上旬に購入した「おけさ柿」を使用し、左から「ポリ袋に入れただけの常温」、「ポリ袋に入れただけの冷蔵」、「新聞紙で包んでポリ袋に入れて冷蔵」、「ヘタに濡れティッシュをしてポリ袋に入れ冷蔵」の4パターンで変化を検証。

使用するのはいずれもかたさのある新鮮な「おけさ柿」です。「D」だけ濡れティッシュをへたにあてています

「D」はこのように濡れティッシュをヘタに当てて保存しています

保存10日目で外観を比較

購入時のものと10日後の状態を比較したものが下の画像です。

1日目。購入時のものはどれもきれいなオレンジ色です

10日後の様子がこちらです。保存方法に関わらず、いずれも果皮の色が少し濃くなっています

保存10日目の柿をカット

それぞれをカットして食べてみました。果肉の断面を見ると「A」の常温保存は色がやや濃くなっていて、ほかの3つは同じくらいの色味。食感はどれもソフトな歯ごたえで、中でも常温が一番やわらかかったです。ただ、冷蔵3つの中では濡れティッシュの「D」が若干かたいような感じがしたので、少しは効果があるかもしれません。

10日後に食べてみると、「D」の濡れティッシュ保存は、ほかのものに比べてややかたさが残っているような気がしました。ちなみに味はすべて甘味が強く多汁でとてもおいしかったです

結論

結論としては、ヘタに濡れティッシュをあてて冷蔵保存すると、少しは日持ちアップに効果があるかもしれないという結果になりました。量が多くて少しでも長持ちさせたい場合は試してみてもいいかもしれません。

やわらかすぎる柿は冷凍してシャーベットに

とろけるほどやわらかくなってしまった柿は、そのままスプーンですくって食べるか、冷凍保存してシャーベット風にして味わいましょう。冷凍するときは、1個ずつラップでピッタリ包んで保存用袋に入れておきます。

冷凍柿は少し解凍し始めたくらいの状態で食べるとよいでしょう。へたの部分をナイフで取れば、そのまま器のようになります。

熟しすぎのやわらかい柿は、冷凍して半解凍で食べてもおいしいですよ

●このページでは実際に試した経験も踏まえて、一般的な果物の保存方法をまとめています。しかし鮮度保持やおいしさを保証するものではありません。記事を参考にしたのに日持ちしなかった場合はどうぞご容赦ください。また矛盾はしますが、果物は新鮮なうちになるべく早く食べ切ることをおすすめします。