おいしいオレンジの選び方

「バレンシアオレンジ」や「ネーブルオレンジ」は、アメリカからの輸入ものが多いですが、近年は国産のオレンジも増えています。色づきや重さ、果皮の状態などをチェックしておいしいオレンジを味わいましょう。ちなみにお尻側に「おへそ」があるのがネーブルです。

濃オレンジ色で張りとツヤがある

全体が鮮やかなオレンジ色で、皮に張りとツヤを感じるものを選びます。太陽をたくさん浴びて成熟すると鮮やかなオレンジ色になるので、色の薄いものよりは濃い色のほうがおすすめ。また、鮮度がよいものは果皮に適度な水分があって張りと弾力が感じられるので、この点もチェックしましょう。

なお、国産のバレンシアオレンジは果皮が黄色~黄緑色になっていることがありますが、これは「回青現象」によるものです。国産バレンシアは収穫期が7月頃。2~4月頃に一度オレンジ色に着色しますが、初夏の暑い日差しによって黄緑色に戻ってしまうのです。でも果皮が黄緑色に戻っても果肉は成熟しているので問題ありません。

ちなみに国産のネーブルオレンジのほうは出荷時期が12~3月頃なので、果皮はオレンジ色のままです。

バレンシアオレンジ

輸入物のバレンシアオレンジは果皮に張りがあり、鮮度のよさを感じられるものを選びましょう

バレンシアオレンジ

これは8月に購入した和歌山県産のバレンシアオレンジ。回青現象によって黄色くなっていますが、ほどよい甘みと酸味があり、じょうのう膜(袋)も薄くておいしかったです

ネーブル

これは2月に購入した福岡県産のネーブルオレンジ。鮮やかなオレンジ色をしていてきれいです。強い甘味とほどよい酸味があって美味でした

果皮がなめらかで薄め

皮は厚いものよりも、薄くてなめらかなものがよいでしょう。オレンジは温州みかんなどに比べると皮が厚くてかためですが、皮が厚すぎるものや、きめが粗いもの、フカフカとしたものは、食味が落ちていることがあるので避けたほうが無難です。

白柳ネーブル

これはシーズン中盤の2月頃に購入した国産の「白柳ネーブル」です

白柳ネーブル

皮はそれほど厚みがなくて、力を入れれば手で皮をむくことができました。果肉はプリプリとしていて糖度は13度以上あり、適度な酸味もあって濃厚な味わいでした

持ったときに重量感がある

手で持ったときにずっしりと重みを感じるかも要チェック。同じ大きさでも軽いものは水分が少なく、果肉がパサパサしていることがあります。

なお、輸入している外国産のオレンジは防かび剤が使用されているので、マーマレードなどで果皮まで使う場合は、国産のオレンジのほうが安心です。

鈴木ネーブル

これは2月に食べた「鈴木ネーブル」です。ほどよく重量感があり果肉がギュッと詰まっていて、果汁が豊富でとてもジューシー。糖度が約15度と甘みが強くて美味でした

ブラッドオレンジは皮の色が濃いもの

ブラッドオレンジは果皮が赤みがかっていたり、オレンジ色と紅色のまだらになっているものも見られます。これはブラッドオレンジの特徴なので気にすることはありません。

日本ではおもに「タロッコ」と「モロ」という品種が出回っていますが、モロのほうが果皮、果肉ともに赤色が濃い傾向にあります。色の濃淡には個体差がありますが、モロの果肉は黒っぽい赤紫色になっていることもあります。

一方、タロッコは普通のオレンジと変わらない外観のものも売られています。

ブラッドオレンジ

「タロッコオレンジ」は果皮が赤くなるものと、あまり赤くならないものがあります。これは少し赤みがあって果肉も濃いめです

ブラッドオレンジ

こちらのタロッコオレンジは見た目が普通のオレンジと変わりません

ブラッドオレンジ

上のタロッコオレンジをカットしてみると果肉も普通。部分的に少し色が濃い感じもしますが、あまりブラッドオレンジらしさがありません。でも風味豊かで味はよかったです

ブラッドオレンジ

「モロ」のほうが果皮も果肉も濃紅色になります。見た目は少し怖い色ですが、食べるとちゃんとオレンジの味わい。このモロは、右側のほうは色のわりに味が薄めで、左側の果実は甘酸適和でおいしかったです

オレンジの一番甘い部分はどこ?

当サイトがこれまでに計測したオレンジの糖度データをもとに、果実のどの部分が甘味が強いのかをイラストで紹介しています。また平均糖度も計算しました。

枝についている軸側を「上」、お尻の部分を「下」とすると、上の平均糖度は約12.4度。真ん中が約13.4度で、下が約13.6度となりました。

つまりオレンジはお尻の部分が一番甘く、上下半分にカットした場合、下半分のほうがおいしく味わえるということになります。

オレンジの糖度分布

平均糖度 約13.1度

上の平均糖度 約12.4度

中の平均糖度 約13.4度

下の平均糖度 約13.6度

●このページでは実際に食べた経験も踏まえて、一般的な選び方をまとめています。しかし糖度やおいしさを保証するものではありません。記事を参考にしたのにおいしくなかった場合はどうぞご容赦ください。
●糖度の数値は当サイトが独自に計測したものです。「Brix値(ブリックス値)」は「%」で表されますが、ここではわかりやすく「度」で表示しています。また、使用している簡易糖度計では、糖分だけでなくクエン酸などの「酸」も計測されてしまうため、必ずしも糖分だけの結果とはなりません。それを踏まえたうえでご覧ください。
●糖度が高い=おいしい、ということではありません。しかし、平均値よりも糖度が高いものは実際においしく感じるものが多いです。
●糖度を測定した個数は約10~200個と果物によって異なります。品種の重複はありますが、例えばあんずは10品種(12個体)で、いちごは91品種(118個体)を計測しています。
●糖度分布があるイラストは、わかりやすくするため大げさな色分けにしています。