おいしいパッションフルーツの選び方

パッションフルーツは品種によって濃い赤紫色のものや、明るい赤色、薄いピンク色、黄色などがあり、形状もまん丸や楕円形などさまざまです。赤紫色のものが主流ですが、ほかのタイプのものでも基本的な見分け方は変わりません。

果皮の色が濃いめ

商業用に作られている国内産のパッションフルーツは、ネットに自然落下した完熟果を収穫することが多く、このような果実はこの時点でも食べることが可能です。

しかし収穫直後は酸味が強いので、ある程度酸味を抜いてから出荷するのが一般的。酸味がやわらいだ果実はジューシーで甘酸っぱく、香りも豊かです。

また収穫時には色が薄いことがありますが、追熟させると色づきがよくなっていきます。そのため、なるべく濃い色のものを選ぶようにしましょう。ただ、色が薄くても甘みが強くておいしいものもあります。

パッションフルーツ

一般的に出回っているパッションフルーツは、紅色~濃紅紫をしています。これは全面が濃い赤紫色できれいな外観です

パッションフルーツ

カットすると果肉がプルプルとしていてジューシーな食感。糖度は16.7度と甘味が強く、酸味もほどよく含まれていて濃厚な甘酸っぱさでした。なお、種もパリパリと食べられます

パッションフルーツ

これは明るい赤色のパッションフルーツです。香りがとてもよく、甘みと酸味が調和して美味でした

熟すとフルーティーな香りが漂う

パッションフルーツは熟すにつれて香りが強くなるので、特有のフルーティーな香りが漂っているかもチェックします。甘い香りがしているものは食べ頃です。

長く持たせたい場合は、香りの少ないものでもOK。常温の涼しい場所に置いて追熟させて、好みのタイミングで食べましょう。

パッションフルーツ

このパッションフルーツは、置いておくだけでフルーティーな甘い香りが漂っていました。糖度は17度以上で甘味が強く、果汁が柑橘のような心地よい甘酸っぱさでおいしかったです

シワのあるものは酸味が低め

追熟がさらに進んで果皮にシワが出ているものは、酸味がより減少して食べやすくなっています。パッションフルーツを酸っぱく感じる場合は、少しシワがあるものを選ぶとよいでしょう。

なお、シワありのパッションフルーツが売られていない場合は、表面がツルツルのパッションフルーツを涼しい常温で保存しておくと、そのうちシワが出てきます。

ただしシワが出ると食べ頃の最終期に入っているので、日持ちしません。そのため果皮があまりにシワシワ過ぎるものや、傷が目立つものは避けたほうが無難です。また、パッションフルーツは持ってみると意外と軽いですが、極端に軽すぎるものは、果汁が少ない可能性があります。

パッションフルーツ

表面にシワが出ているパッションフルーツ。これは酸味がほどよく抜けていて、風味豊かな味わいでした

黄色い品種や濃黄色のミズレモンもある

果皮が黄色パッションフルーツのほか、オレンジ色の「ミズレモン(水レモン)」とよばれているパッションフルーツもあります。

黄色いパッションフルーツも酸味がありますが、完熟するとジューシーで甘酸っぱい味わい。ミズレモンは酸味が少なく、独特の香りが特徴です。どちらも果皮の色づきがよく、よい芳香が漂っているものを選びましょう。

パッションフルーツの食べ方はこちらで紹介しています。「パッションフルーツの食べ方」のページ

パッションフルーツ(黄色種)

この黄色いパッションフルーツは酸味がやや強めでしたが、チュルっとした果肉は芳香があり、さわやかな甘酸っぱさが楽しめました。糖度は14.7度です

ミズレモン

これは果皮が濃黄色~オレンジ色の「ミズレモン」です。特有の華やいだ芳香があり、糖度は19.3度と高くて酸味はおだやか。種がやわらかく食べやすかったです

パッションフルーツの一番甘い部分はどこ?

当サイトがこれまでに計測したパッションフルーツの糖度データをもとに、平均糖度を計算しました。

パッションフルーツは中央部の果肉の糖度を計測しています。なお、ほかの果物と比べると糖度が高めですが、酸味も強いので数値の高さほど甘味は感じにくいかもしれません。

パッションフルーツの糖度分布

平均糖度 約16.8度

●このページでは実際に食べた経験も踏まえて、一般的な選び方をまとめています。しかし糖度やおいしさを保証するものではありません。記事を参考にしたのにおいしくなかった場合はどうぞご容赦ください。
●糖度の数値は当サイトが独自に計測したものです。「Brix値(ブリックス値)」は「%」で表されますが、ここではわかりやすく「度」で表示しています。また、使用している簡易糖度計では、糖分だけでなくクエン酸などの「酸」も計測されてしまうため、必ずしも糖分だけの結果とはなりません。それを踏まえたうえでご覧ください。
●糖度が高い=おいしい、ということではありません。しかし、平均値よりも糖度が高いものは実際においしく感じるものが多いです。
●糖度を測定した個数は約10~200個と果物によって異なります。品種の重複はありますが、例えばあんずは10品種(12個体)で、いちごは91品種(118個体)を計測しています。
●糖度分布があるイラストは、わかりやすくするため大げさな色分けにしています。