パッションフルーツ Passionfruit
基礎データ DATA
パッションフルーツの概要
さわやかで濃厚な香りが特徴のパッションフルーツ。名前を聞くと「パッション=情熱」フルーツと思う人も多いのではないでしょうか。しかし、パッションフルーツのパッションは「情熱」という意味ではありません。この場合のパッションとは「キリストの受難」のことで、花の形がイエスキリストが十字架にかけられた姿に似ていることからその名が付けられました。
なお、日本では花が十字架ではなく「時計」に見えたので、「トケイソウ(クダモノトケイソウ)」と呼ばれています。こちらの名前のほうが可愛らしいですね。
果実は丸い球形をしています。半分に切ると、種を包んだゼリー状の果肉と果汁が入っているので、それをスプーンですくって食べましょう。パッションフルーツの甘酸っぱい香りが広がります。なお種はそのまま飲み込んでもいいですし、パリパリと噛んでもOKです。
パッションフルーツの歴史
パッションフルーツは、原産地である南米では古くから自生していましたが、世界に広まったのは17世紀以降です。「パッション」の名が付いたのもこの頃で、1610年頃にスペイン人の宣教師が南米を旅行中にこの花を見て「パッションフラワー」と名付けたそうです。
日本では明治時代から導入され、おもな産地は沖縄県や鹿児島県の奄美諸島といった亜熱帯地方です。
パッションフルーツの栄養と効能
おもな栄養成分(可食部100g中)
βカロテン当量(1100mcg)、カリウム(280mg)、ナイアシン(1.9mg)、葉酸(86mcg)、ビタミンB6(0.18mg)
期待される効能
パッションフルーツにはβカロテンが豊富に含まれています。βカロテンは体内でビタミンAに変わり皮膚や粘膜の健康を保つほか、抗酸化作用によりアンチエイジングに役立つといわれています。また、カリウムも多く含まれているので、高血圧予防や心筋梗塞予防にも期待できそうです。
血管を広げて血液の流れをよくするナイアシンや、妊娠中の女性に欠かせない葉酸、アミノ酸の合成と代謝に必要なビタミンB6も含まれているので、健康維持に役立つ果物といえるでしょう。
ただし、パッションフルーツは果重が軽いので、多く摂取するのは意外に大変です。
より詳細な栄養成分については、「栄養成分(グラフ)」もしくは「栄養成分(一覧表)」に掲載しています。
栄養成分表を見る
パッションフルーツの種類
各地の年間収穫量 パッションフルーツ
円グラフと下表の割合(%)が違うときは?
上の円グラフの割合(%)と下の表の割合(%)の数値が違うことがありますが、その場合は下表のほうが正しい数値です。
下の表は出典である農林水産省のデータに記されている「全国の合計値」から割合を計算したものです。
上の円グラフも農林水産省のデータですが、こちらは全国ではなく主要生産地のみのデータなので、値が公表されていない都道府県は含まれていません。
また、ページ上部の「基礎データ」にある「おもな産地」の数値は、下表の割合(シェア)を四捨五入したものです。
出典:農林水産省統計
2021年のパッションフルーツの収穫量のうち最も多いのは鹿児島県で、約307トンの収穫量があります。2位は約91トンの収穫量がある沖縄県、3位は約66トンの収穫量がある東京都です。
栽培面積・収穫高の推移
出典:農林水産省統計
2021年のパッションフルーツの栽培面積は約53ヘクタール。収穫量は約479トンで、出荷量は約444トンです。