おいしいバナナの選び方

輸入バナナは緑色の未熟な状態で収穫し、そのまま日本に運ばれてきます。日本に到着したバナナは専用の倉庫で貯蔵・追熟され、果皮が黄色くなるタイミングで出荷。最近は国産バナナも増えていますが、こちらも基本的に緑色の状態で収穫されます。

シュガースポット(黒い斑点)が出ていれば完熟

バナナは熟度によって食味が異なります。熟したものは果肉がやわらかくて甘味があり、完熟前のものは少しかためで酸味が強いことがあります。

その熟度の目安となるのが「シュガースポット」です。これはバナナの表面に現れる茶褐色の斑点のことで、そばかすのような斑点が出ていれば完熟しています。

ただ、シュガースポットが出ていなくても、ある程度熟していれば甘味があります。かための食感がよければ、シュガースポットが出ていなくてもよいでしょう。

なお、シュガースポットが全面に広がって黒ずみが目立つものや、やわらか過ぎるもの、軸周辺が真っ黒になったものは、果肉が傷んでいる可能性があります。

プレシャスバナナ

ほどよくシュガースポットが出ているプレシャスバナナ。これは食べ頃の状態です

北蕉

これは完熟状態の台湾バナナ「北蕉」です。斑点がこのくらいのものは果肉がやわらかくなっているので、早めに食べましょう

島バナナ

シュガースポットは出ていませんが、付け根周辺が真っ黒で、このまま置いておくとポロっと外れそうです。すぐに食べてみたところ、甘くてねっとりとした食感でおいしかったです

数日かけて食べるなら斑点が出る直前

シュガースポットが出ているバナナはあまり日持ちしません。数日かけて食べるなら、シュガースポットが出る前のバナナがおすすめです。軸が薄い緑色~黄色のものは、もうじきシュガースポットが出てきます。

バナナ

これは軸の部分がが薄い緑色~黄色っぽくなっているので、そろそろ斑点が出そうです

付け根と先端が緑色のものは日持ちよし

より長持ちさせたい場合は、斑点がまったく出ていなくて、付け根部分が濃い緑色のかたいバナナを選びます。先端に緑色が残っているものでもOK。気温によって熟す時間は異なりますが、常温で置いておくと少しずつ追熟が進みます。

ちなみに沖縄県の直売所では特産の「島バナナ」が緑色の状態で売っていることもあります。緑色のものはかなり日持ちするので、旅行のおみやげとして持ち帰り、追熟させて少しずつ味わうというのもいいかもしれません。

カリビアンクイーン

これは付け根と果実の先端が緑色のコスタリカ産バナナ。6月下旬に購入したものです

カリビアンクイーン

気温の高い時期だったので、常温で置いておくと翌日には緑色が取れてきて、2日後にはシュガースポットがわずかに見え始めました。寒い時期はもう少し時間がかかるかもしれません

島バナナ

7月上旬に購入した緑色の「島バナナ」

島バナナ

10日前後で全体が黄色くなり食べ頃に。日が経つにつれどんどん甘味が強くなっていきました

シュガースポットが出ない品種も

ちなみに「セニョリータ(モンキーバナナ)」など、完熟してもシュガースポットが出ない品種もあります。その場合は、軸の部分まで黄色くなっていたり、果皮の一部が少し茶色っぽくなっていたり、さわったときに少し弾力を感じれば食べ頃です。

セニョリータ

セニョリータバナナは熟すとシミのような黒ずみが出てきます。よく見ると小さな点の集まりなので、これもシュガースポットといえなくもなさそうなのですが……

バナップル

すでに販売が終了してしまった「バナップル」ですが、これもシュガースポットは出ずに果皮がそのまま茶色っぽくなります

●このページでは実際に食べた経験も踏まえて、一般的な選び方をまとめています。しかし糖度やおいしさを保証するものではありません。記事を参考にしたのにおいしくなかった場合はどうぞご容赦ください。
●糖度の数値は当サイトが独自に計測したものです。「Brix値(ブリックス値)」は「%」で表されますが、ここではわかりやすく「度」で表示しています。また、使用している簡易糖度計では、糖分だけでなくクエン酸などの「酸」も計測されてしまうため、必ずしも糖分だけの結果とはなりません。それを踏まえたうえでご覧ください。
●糖度が高い=おいしい、ということではありません。しかし、平均値よりも糖度が高いものは実際においしく感じるものが多いです。
●糖度を測定した個数は約10~200個と果物によって異なります。品種の重複はありますが、例えばあんずは10品種(12個体)で、いちごは91品種(118個体)を計測しています。
●糖度分布があるイラストは、わかりやすくするため大げさな色分けにしています。