おいしい中国梨の選び方
中国梨はあまり流通していませんが「千両梨(身不知)」は北海道で、「鴨梨(ヤーリー)」は岡山県などを中心に栽培が行われています。どちらも芳香があり、シャリシャリとした食感が特徴です。
丸々とした形で果皮に傷がない
中国梨は外観が少し西洋梨に似ています。千両梨(身不知)はラフランスのようなお尻がどっしりとした形。また、鴨梨は丸みのある楕円形です。
どちらも果実が下ぶくれ形で、果皮に傷がないものが選びましょう。傷があるとそこから傷んでくるので避けたほうが無難です。
ふっくらとして果皮がきれいな「千両梨(身不知)」。この千両梨はほどよい甘さがあり、さわやかな酸味と香りが楽しめました
千両梨は緑色の状態で食べ頃
千両梨(身不知)は、果皮が黄緑色の状態で売られています。一見、未熟に思えますが、千両梨はこれが食べ頃の状態。西洋梨のように追熟はしないので、シャリッとしたかための食感を楽しみましょう。
なお、果皮が少し黄色みがかったものは、果肉がややソフトになっています。やわらかい口当たりが好みだったり、ジャムやコンポートにするなら、黄色っぽいものを選んでもよいかもしれません。ただし早めに食べないと、ぼやけたような食味に感じることがあります。
また軸の周辺の果皮が茶色くなっていることがありますが、これは気にしなくても大丈夫です。
千両梨は追熟しないので、果皮が緑色の状態で食べましょう。この千両梨は和梨を少しかたくした感じの歯ごたえで、糖度は11度以上とやさしい甘さがありました
鴨梨(ヤーリー)は淡い黄色が完熟
鴨梨は未熟なうちは緑色で、完熟すると果皮が淡い黄色になります。基本的にある程度熟した果実が売られているようなので、きれいな黄色のものを選びましょう。
なお、軸の周りが少し茶色っぽくなることがありますが、これは気にしなくてかまいません。ただし果実がやわらかくなっていると、過熟で食味が落ちていることがあるので要注意。
この「鴨梨(ヤーリー)」は果皮が黄色くて完熟状態。心地よい芳香があり、シャリッとした食感で果汁が豊富でした
完熟前の鴨梨は追熟させてから食べよう
鴨梨は追熟するので、もしも完熟前の黄緑色の鴨梨を入手したら、常温で追熟させましょう。熟すと徐々に香りが強くなってくるので、その間、果実から漂う芳香も楽しめます。
果皮がまだ緑色のものは追熟させましょう
中国梨の一番甘い部分はどこ?
当サイトがこれまでに計測した中国梨の糖度データです。
中国梨は測定した個数が少ないので平均値は計算していません。これは鴨梨2個体を計測したデータです。
糖度(参考値) 11.6~12.9度
●このページでは実際に食べた経験も踏まえて、一般的な選び方をまとめています。しかし糖度やおいしさを保証するものではありません。記事を参考にしたのにおいしくなかった場合はどうぞご容赦ください。
●糖度の数値は当サイトが独自に計測したものです。「Brix値(ブリックス値)」は「%」で表されますが、ここではわかりやすく「度」で表示しています。また、使用している簡易糖度計では、糖分だけでなくクエン酸などの「酸」も計測されてしまうため、必ずしも糖分だけの結果とはなりません。それを踏まえたうえでご覧ください。
●糖度が高い=おいしい、ということではありません。しかし、平均値よりも糖度が高いものは実際においしく感じるものが多いです。
●糖度を測定した個数は約10~200個と果物によって異なります。品種の重複はありますが、例えばあんずは10品種(12個体)で、いちごは91品種(118個体)を計測しています。
●糖度分布があるイラストは、わかりやすくするため大げさな色分けにしています。