中国梨 Chinese pear
基礎データ DATA
- 分類:バラ科ナシ属
- 原産地:中国(China)地方
- 季節の分類:秋
- 多く出回る時期:10月~12月頃
中国梨の概要
中国梨は一見すると、洋梨のように見えますが、食感は和梨のようにシャリシャリしています。またジューシーで香りがとてもよく、風味豊かなフルーツです。国内ではあまり生産量が多くありませんが、香りと食味の良さから贈答用としても人気です。
中国梨の歴史
紀元前150年くらいには中国で数種類の梨が栽培されていたようです。現在、中国梨として人気の「慈梨(ツーリー)」や「鴨梨(ヤーリー)」は、中国東北地方原産のホクシヤマナシとヤマナシを交雑して改良したものといわれます。日本で本格的に栽培されるようになったのは明治時代からですが、そのずっと前から山口県に中国梨の木があったそうです。
中国梨の栄養と効能
おもな栄養成分(可食部100g中)
食物繊維(1.4g)、カリウム(140mg)
期待される効能
水分と食物繊維が比較的多いため、便秘予防に期待できます。また、カリウムは高血圧予防に効果があるので、高血圧が原因の生活習慣病予防にも役立つでしょう。
より詳細な栄養成分については、「栄養成分(グラフ)」もしくは「栄養成分(一覧表)」に掲載しています。
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中国梨の種類
千両(身不知)
明治時代に北海道余市町で発見された梨で、別名「身不知(みしらず)」ともいわれます。中国から伝わった梨が由来とされていますが、詳しい来歴は明らかになっていません。果皮は黄緑色~黄色でサイズは400~500gほど。追熟の必要はなく、甘味の中にさわやかな酸味があり、和梨のようなシャリシャリとした食感と特有の香りが楽しめます。出荷されるのは10月中旬~下旬頃です。
鴨梨(ヤーリー)
鴨梨は、明治時代の初め頃に日本へ伝わりました。「慈梨」と同じく洋梨のような形をしていて、熟すと果皮の色が黄色くなり特有の甘い香りがします。果肉はやわらかくシャリシャリした食感で、ほどよい甘味とたっぷりの果汁を持ちます。大きさは300~350gくらいで10月上旬頃から出荷されます。
慈梨(ツーリー)
慈梨は、1912年(大正元年)に導入された中国ナシです。果皮の色は黄から黄緑で茶色い果点があり、洋梨のような形をしています。食感は和梨のようにシャリシャリしていて、白い果肉はジューシーで甘味も多く、熟すと特有の芳香がします。重さは400gくらい。収穫時期は9月下旬~10月中旬頃。
主要生産国(上位5か国)
出典:FAOSTAT(2021年)
梨類生産の上位5か国は、中国、アメリカ、アルゼンチン、トルコ、南アフリカです。1位の中国の生産量は年間約1,926万5,300トンで全体の約73%を占めています。2位のアメリカは年間約58万4,230トンで全体の約2%、3位のアルゼンチンは年間約56万6,227トンで全体の約2%です。
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