おいしいかりんの選び方

かりんは生食するのではなく、おもにハチミツ漬けや果実酒などに利用される果物です。十分に完熟した果実を使うと、香り豊かな味わいに仕上がります。

全体が黄色く色づいている

かりんは、果皮が黄緑色のものは少し未熟で、全体が鮮やかな黄色に染まったものは完熟しています。お店では緑色がかった果実も売られていますが、なるべく黄色くなったものを選びましょう。

緑色の果実しかない場合は追熟させればOKです。常温の風通しのよいところに置いておけば、徐々に果皮が黄色く変化していきます。ただし緑色の部分が多いと追熟に時間がかかったり、失敗することもあるので、できるだけ熟した果実を入手しましょう。

かりん

これは少し黄緑色が残っていて完熟まであと一歩のところです

熟すとフルーティーな芳香を感じる

果実から香りが漂っているかも要チェック。かりんは完熟するとフルーティーな香りがするので、果皮が黄色くて芳香を感じるものがよいでしょう。なお、すぐに利用しないなら、香りの少ないものを購入してもかまいません。

ただ、店頭ではポリ袋に密封された状態で売られていることがあるので、そういった場合は果皮の色や状態で判断します。

かりん

全体が濃い黄色でよい香りが漂うかりん。ハチミツ漬けやかりん酒に使うと心地よい香りが楽しめます

果皮につやがあり、傷や小さな穴がない

果皮に張りがあり、つやつやとしているかも見ておきましょう。表面に小さな穴が開いていたり、傷が目立つものは避けたほうが無難です。少しの傷なら、包丁で削って使えますが、穴が開いているものは虫食いの可能性があります。

かりん

濃い黄色に染まったかりん。このくらいの傷であれば、削いで使用すれば問題ありません

ふっくらとした形で重量感がある

果実がふくよかで、しっかりと重みがあるかどうかも確かめましょう。小さい果実は果肉部分が少なくなるので、なるべく大きめのものがおすすめです。

かりん

かりんの果肉はクリーム色で水分が少なくかためです。薄めにカットして蜂蜜漬けや砂糖漬けなどに使用します

かりんとマルメロの違いはうぶ毛

カリンに似た果実に「マルメロ」があります。どちらも果実酒やシロップ漬けにするなど用途はほぼ同じですが、カリンは表面がツルツルとしていて、マルメロには果皮にうぶ毛が生えています。

なおマルメロの主要産地の長野県では、マルメロを「かりん」と表記することがあります。現地で確実にかりんを購入したいなら、うぶ毛の有無をチェックするとよいでしょう。

かりんの食べ方はこちらで紹介しています。「かりんの食べ方」のページ

マルメロ(左)とかりん(右)

左側のごつごつとしたほうがマルメロ、右側の丸みのあるほうがかりんです

●このページでは実際に食べた経験も踏まえて、一般的な選び方をまとめています。しかし糖度やおいしさを保証するものではありません。記事を参考にしたのにおいしくなかった場合はどうぞご容赦ください。
●糖度の数値は当サイトが独自に計測したものです。「Brix値(ブリックス値)」は「%」で表されますが、ここではわかりやすく「度」で表示しています。また、使用している簡易糖度計では、糖分だけでなくクエン酸などの「酸」も計測されてしまうため、必ずしも糖分だけの結果とはなりません。それを踏まえたうえでご覧ください。
●糖度が高い=おいしい、ということではありません。しかし、平均値よりも糖度が高いものは実際においしく感じるものが多いです。
●糖度を測定した個数は約10~200個と果物によって異なります。品種の重複はありますが、例えばあんずは10品種(12個体)で、いちごは91品種(118個体)を計測しています。
●糖度分布があるイラストは、わかりやすくするため大げさな色分けにしています。