おいしいキウイフルーツの選び方

収穫直後のキウイフルーツはかたくて酸味が強いですが、店頭では追熟させた食べ頃のものが売られています。ただ、お店によってはかたい果実が並んでいることもあるので、すぐに食べたい場合は注意が必要です。なお、基本的に果肉が緑色のものはうぶ毛があり、黄色いものはうぶ毛がありません。

かすかに弾力を感じれば食べ頃

キウイフルーツは追熟するので、ゆっくり消費するなら少しかためのもの、すぐに食べるなら熟した状態のものを選ぶとよいでしょう。果実をそっとさわって、かすかに弾力を感じれば食べ頃です。

はっきりとやわらかさを感じるものは、思った以上に果肉がソフトになっていることがあるので要注意。ほんのり弾力を感じつつも適度にかたさが残っているものは、ジューシーで特有の食感が楽しめます。

ゼスプリ・ゴールド

この「ゼスプリゴールド」はわずかに弾力があり、ほどよいかたさも残っていました。食べるとキウイならではのシャリッとした歯触りで、心地よい甘酸っぱさを味わえました

日持ちさせたいならかたいキウイを追熟

果肉がかたくて未熟な状態だと、酸味が強めで果汁も少なくおいしくありません。このようなキウイフルーツは、しばらく常温で保存して追熟させてください。果実の状態や保存環境にもよりますが、数日で果肉がやわらかくなってきます。

なかなか追熟が進まないときや、早く熟させたい場合は、りんごやバナナなどエチレンを出す果物と一緒に袋に入れておくと追熟が促されます。

追熟についてはこちらのコラムでも紹介しています。「果物の追熟って何?」のページ

これは「アボット」という緑肉の品種。果実にかたさを感じたものの試しにカットしてみると、案の定果肉はかたくてジューシーさがなく、何とか食べられるというレベルでした。まだ早かったです……

傷や変色、やわらか過ぎに注意

明らかにやわらか過ぎるものや、果皮に傷や変色が見られるものは、食味が落ちているので避けます。なお、店頭で果実を押すとそこから傷んでいくので、やさしく触れるようにしてください。

香緑

これは「香緑」という品種です。果実にやわらかさがあり、カットしてみるとやはり少し過熟気味。糖度は16.3度と高くて甘かったのですが、果肉がぐずぐずで食感はよくありませんでした

ふっくらとした楕円形で重量感がある

きれいな楕円形で果実がふっくらとしていて、しっかりと重みを感じるものを選びましょう。重量感のあるものは果汁を多く含んでいます。

ちなみに主流品種の「ヘイワード」や「ゼスプリゴールド」など多くのキウイフルーツは俵型ですが、「香緑(こうりょく)」は少し細長い形をしています。また「アップルキウイ」は丸みがあってコロッとした形なので、それぞれ特徴に沿った外観のものを選びます。

アップルキウイ

「アップルキウイ」はコロッとした丸い形が特徴。このようなふくよかな外観のものがおすすめです。このアップルキウイは糖度の高い部分が16.8度あり、甘酸っぱくて香りも良好でした

東京ゴールド

これは「東京ゴールド」というキウイフルーツです。ふっくらとして重量感もありました。糖度は一番甘い部分が約20度と高くて適度に酸味もあり、ジューシーで濃厚な味わいでした

グリーン種は全体にうぶ毛が密生

果肉が緑色のヘイワードは、全体にしっかりうぶ毛がついているかを確認しましょう。皮の色は、濃すぎるものよりも明るい薄茶色のものがよいとされます。香川県で作られている「香緑」もうぶ毛が多い品種です。

ヘイワード

一般的なキウイフルーツとして流通している「ヘイワード」。果皮全体にうぶ毛が密生しています。これは糖度が15度ほどで酸味が少なく甘味を強く感じました

香緑

これは香川県産の「香緑(こうりょく)」。香緑は長めの俵型で、うぶ毛がしっかり生えているものを選びましょう。この香緑は食感がよく、糖度は18~19度と甘酸適和で美味でした

イエロー種は果皮がなめらか

黄色い果肉のキウイフルーツは、基本的にうぶ毛がありません。ゼスプリゴールドやアップルキウイ、「サンゴールド」などは、果皮に傷がなくなめらかなものを選びます。また、果肉に少し赤みが差す「レインボーレッド」もうぶ毛がなく、こちらはサイズがやや小ぶりです。

サンゴールド

これはゼスプリの「サンゴールド」という黄肉の品種。うぶ毛はなく、つるっとした外観です。このサンゴールドは糖度が約16度と甘く、フルーティーな風味を堪能できました

レインボーレッド

こちらは果肉の中心が赤くなる「レインボーレッド」です。これもうぶ毛のない品種で、サイズは少し小さめ。このレインボーレッドは口当たりがよく、糖度も20度以上と高くてとても甘かったです

キウイフルーツの一番甘い部分はどこ?

当サイトがこれまでに計測したキウイフルーツの糖度データをもとに、果実のどの部分が甘味が強いのかをイラストで紹介しています。また平均糖度も計算しました。

枝についていた軸側の部分を「上」とし、お尻のほう(果頂部)を「下」とした場合、上は約17度、真ん中が約17.1度、下が約17.2度でした。キウイフルーツの場合、場所による糖度の差はあまりないようです。

キウイフルーツの糖度分布

平均糖度 約17度

上の平均糖度 約17度

中の平均糖度 約17.1度

下の平均糖度 約17.2度

●このページでは実際に食べた経験も踏まえて、一般的な選び方をまとめています。しかし糖度やおいしさを保証するものではありません。記事を参考にしたのにおいしくなかった場合はどうぞご容赦ください。
●糖度の数値は当サイトが独自に計測したものです。「Brix値(ブリックス値)」は「%」で表されますが、ここではわかりやすく「度」で表示しています。また、使用している簡易糖度計では、糖分だけでなくクエン酸などの「酸」も計測されてしまうため、必ずしも糖分だけの結果とはなりません。それを踏まえたうえでご覧ください。
●糖度が高い=おいしい、ということではありません。しかし、平均値よりも糖度が高いものは実際においしく感じるものが多いです。
●糖度を測定した個数は約10~200個と果物によって異なります。品種の重複はありますが、例えばあんずは10品種(12個体)で、いちごは91品種(118個体)を計測しています。
●糖度分布があるイラストは、わかりやすくするため大げさな色分けにしています。