おいしいびわの選び方
びわは5月から6月中旬頃がシーズン。あまり日持ちしないので、新鮮なものを選んで早めに食べるようにしましょう。完熟したびわは甘味が強くてジューシーな味わいです。
果皮に張りがあってうぶ毛が密生
びわは鮮度が大切です。新鮮なびわは果皮に張りがあり、表面にはうっすらとうぶ毛が生えています。収穫して日が経ったものは、うぶ毛が落ちて表面がつやつやしているので、果皮にうぶ毛が密生しているかを確認しましょう。
なお、うぶ毛が落ちてしまっていても、鮮度の低下が感じられなければ大丈夫です。ただ、そういったものはなるべく早く消費するようにしてください。
うぶ毛が残っていてきれいな果皮の「茂木」。果肉がほどよくソフトで口当たりがよく、果汁をたっぷりと含んでいました。糖度は高いところで12.5度です
これも表面にうぶ毛がついている「なつたより」。糖度は11.7度と甘味があって酸味はおだやかで、口に広がる果汁がとてもおいしかったです
果皮が濃いオレンジ色に染まっている
果皮が鮮やかなオレンジ色をしているかどうかもポイント。うぶ毛で表面が白っぽく見えることがありますが、地色がしっかり色づいているものを選びます。
ただ、まれに色づきがよくても甘味の少ないものもあります。残念ですが、こればかりは見極めが難しいところです。
これは「大房」というびわ。全面がオレンジ色に着色していてとてもきれいです。糖度は13度以上としっかりと甘味があり、果汁も豊富でした
このびわは外観がきれいで色づきもよいのですが、果肉はかたくて、糖度は高いところで9.6度とやや低かったです
白ビワは熟しても色が薄いのが特徴
なお「白茂木」や「土肥(とい)」「麗月」などは果皮が黄白色なのが特徴で、完熟しても色が濃くなりません。パッと見ただけだと未熟に思えますが、色が薄くても大丈夫です。
これらの品種は店頭で名前が表記されていることが多いので、購入時に確認してみてください。
これは「土肥」という品種。色が濃くならず、このくらいの淡い橙色で完熟状態です。食べてみると果汁が多く、ほどよい甘みと酸味があり風味良好でした
左右対称のふっくらとした形
形はふっくらと丸みがあり、なるべく左右対称のものがよいでしょう。そして、へた(軸)がしっかりしているかどうかも重要です。へたが取れそうなものは、その周辺が傷んでいるおそれがあります。また傷や変色がみられるものも避けます。
「田中」という品種のびわです。へたがきれいで丸味もあって鮮度よし。糖度は12.9度と甘く、さわやかな酸味が調和していておいしかったです
直売所だけで味わえるびわ
直売所では、果皮に赤いアザやそばかすがあったり、皮にひび割れのような縦線が入ったものが売られていることもあります。これらは見た目がよくありませんが、アザやそばかすは太陽をたっぷり浴びたもので味がよく、ひび割れはやや過熟で日持ちはしませんが甘味が強いといわれます。
「瑞穂」は果皮に緑色の斑点が出ることがあります。アザやそばかすとは違いますが、この斑点が出ていても問題ありません。この瑞穂は肉厚で糖度が12度以上と甘く、適度に酸味もあって美味でした
びわの一番甘い部分はどこ?
当サイトがこれまでに計測したびわの糖度データをもとに、果実のどの部分が甘味が強いのかをイラストで紹介しています。また平均糖度も計算しました。
枝についている軸側を「上」、お尻のほうを「下」とすると、上の平均糖度は約12.3度、中の平均糖度は約12度、下の平均糖度は約12.6度になりました。
びわは部位による甘さの差はあまりないようです。
平均糖度 約12.3度
上の平均糖度 約12.3度
中の平均糖度 約12度
下の平均糖度 約12.6度
●このページでは実際に食べた経験も踏まえて、一般的な選び方をまとめています。しかし糖度やおいしさを保証するものではありません。記事を参考にしたのにおいしくなかった場合はどうぞご容赦ください。
●糖度の数値は当サイトが独自に計測したものです。「Brix値(ブリックス値)」は「%」で表されますが、ここではわかりやすく「度」で表示しています。また、使用している簡易糖度計では、糖分だけでなくクエン酸などの「酸」も計測されてしまうため、必ずしも糖分だけの結果とはなりません。それを踏まえたうえでご覧ください。
●糖度が高い=おいしい、ということではありません。しかし、平均値よりも糖度が高いものは実際においしく感じるものが多いです。
●糖度を測定した個数は約10~200個と果物によって異なります。品種の重複はありますが、例えばあんずは10品種(12個体)で、いちごは91品種(118個体)を計測しています。
●糖度分布があるイラストは、わかりやすくするため大げさな色分けにしています。