おいしいマンゴーの選び方

マンゴーは大きく分けて、果皮が赤い「アップルマンゴー」、緑色の「グリーンマンゴー」、タイやフィリピンから輸入される黄色い「イエローマンゴー」の3タイプがあります。果皮の色が違っても、選ぶときの基本的なポイントは同じです。

熟すと少し弾力が出て香りが漂う

マンゴーは収穫後に追熟する果物です。店頭では完熟手前のものから、ほどよく熟したものまで売られていますが、すぐに食べるならほぼ完熟状態のものを選びましょう。

完熟したマンゴーは、果皮をそっとさわると少し弾力を感じます。さらに甘い香りが漂ってくるので、この点もチェックしましょう。品種にもよりますが、熟したマンゴーはとろけるような舌触りで果汁も豊富です。

数日後に食べるなら完熟前のかたい果実を購入して追熟させてください。常温の涼しい場所に置いておくと徐々に追熟が進み、自分のタイミングで食べることができます。

夏小紅

これは購入3日後の「夏小紅」という沖縄県産のマンゴーです。少し弾力があって完熟している様子

夏小紅

食べてみると、糖度が20度以上と甘味が強く、少し酸味もあり香りも良好。果肉はなめらかでとても美味でした

白い粉が落ちてツヤがでたら食べ頃

収穫直後の新鮮な果実には、果皮に白い粉(ブルーム)が付いています。全体がブルームで覆われている状態だと果肉はまだかため。ブルームが少し落ちてツヤが出てくると食べ頃です。

トミーアトキンス(沖縄県産)

これは沖縄県産の「トミーアトキンス」という品種。全体にブルームが付着しています。この6日後に食べるとちょうど食べ頃で、果汁が豊富でとろりとした口当たり。糖度は高い部分で16度以上ありました

アーウィン

こちらはブルームが落ちてツヤが出ている宮崎県産の「アーウィン」。完熟状態で果肉がやわらかく、甘味も強くてジューシーでした

果皮が赤く着色していて張りがある

国内産のマンゴーは、果皮の赤い「アーウィン」がほとんど。アーウィン種は、なるべく全体が赤く着色していて、ふっくらとした形で果皮に張りがあり、重量感のあるものがおすすめです。サイズの小さい「ミニマンゴー」や、台湾産のアーウィン種も同様です。

また、輸入マンゴーはかたい状態で日本に運ばれて、店頭で徐々に追熟が進んでいきます。メキシコ産やブラジル産の「ヘイデン」「ケント」「トミーアトキンス」などのアップルマンゴーも、なるべく果皮が赤く染まっているものを選びましょう。

ちなみに、果皮に黄色い部分が多少残っていても、熟していれば甘味はあります。

アーウィン

この沖縄県産の「アーウィン」はほんの少しだけ黄色い部分が残っていますがほぼ赤色。糖度は高い部分が18度としっかりと甘味があり香りもよかったです

ケント(メキシコ産)

メキシコ産の「ケント」とい品種のアップルマンゴー。黄色~黄緑色が残っていますが熟していて多汁。少しマンゴー独特のクセがありましたが、糖度は20度前後で甘酸が調和して濃厚な味わいでした

ヘイデン(メキシコ産)

こちらはメキシコ産の「ヘイデン」です。果皮に黄色が残っているものの、まずまずの色づき。しかし糖度は13~14度くらいでそれほど高くはなく、味はあっさりしていました。果皮が赤くても必ず甘いというわけではないようです

黄色マンゴーやグリーンマンゴーは色と弾力を確認

タイマンゴーやフィリピン産のペリカンマンゴーなどの黄色いマンゴーは、黄緑色だと完熟前で果肉がかため。果皮が黄色になっていれば食べ頃です。

なお、タイマンゴーにはかたい果肉をポリポリ食べるタイプのものもあります。完熟すると黄色くなってなめらかな食感になりますが、果皮が緑色のかたい状態でも食べることが可能です。このタイプのマンゴーには説明書きのシールが貼付されていることがあります。

またグリーンマンゴーの「キーツ」は、熟しても果皮が緑色のままなので、見た目での判断は難しいかもしれません。少し黄色みがかっていたり、ブルームが落ちてツヤが出ていれば熟しています。また芳香が漂っているか、果実をやさしくさわって少し弾力があるかも確認しましょう。

ナンドクマイ(タイ産)

タイマンゴーの「ナンドクマイ」。果皮全体が黄色く、ほどよい弾力があってちょうどよい熟度。なめらかな口当たりで糖度は17度前後と甘味もあります。またほのかに酸味もあっておいしかったです

キーツ

これは沖縄県産のグリーンマンゴー「キーツ」です。果皮にブルームが少し残っていますが、緑色が薄かったので即日カットしてみることに

キーツ

食べてみるとなめらかな舌触りで果汁たっぷり。糖度は16度前後で、甘みと酸味が調和して濃厚な味が堪能できました

黒い斑点が目立つものは避ける

マンゴーは熟し過ぎると、果皮に黒い斑点が出てきますが、うっすらと出ているくらいならおいしく食べられます。ただしこの状態のものは日持ちしないので、冷蔵保存してすぐに食べ切りましょう。傷んだ部分があれば取り除いてください。

表面がシワシワのものや、黒い斑点が大きくて目立つもの、さわってぶよぶよとしたものは避けましょう。

マンゴーの食べ方はこちらで紹介しています。「マンゴーの食べ方」のページ

ミニマンゴー

果皮に黒い点が出ていても、少しくらいなら食べられます。このミニマンゴーはとろけるような食感でとても甘かったです

マンゴーの一番甘い部分はどこ?

当サイトがこれまでに計測したマンゴーの糖度データをもとに、果実のどの部分が甘味が強いのかをイラストで紹介しています。また平均糖度も計算しました。

マンゴーは6か所で糖度を測定しています。皮に近いほうを「外側」、タネに近い部分を「内側」、さらに枝についている軸側を「上」、お尻のほうを「下」と区別しています。

結果を見ると外側上部の甘味が一番強いですが、そのほかの部分はあまり差がないようです。

マンゴーの糖度分布

平均糖度 約16.6度

外側上の平均糖度 約17.4度

外側中の平均糖度 約16.4度

外側下の平均糖度 約16.6度

内側上の平均糖度 約16.9度

内側中の平均糖度 約15.5度

内側下の平均糖度 約16.2度

●このページでは実際に食べた経験も踏まえて、一般的な選び方をまとめています。しかし糖度やおいしさを保証するものではありません。記事を参考にしたのにおいしくなかった場合はどうぞご容赦ください。
●糖度の数値は当サイトが独自に計測したものです。「Brix値(ブリックス値)」は「%」で表されますが、ここではわかりやすく「度」で表示しています。また、使用している簡易糖度計では、糖分だけでなくクエン酸などの「酸」も計測されてしまうため、必ずしも糖分だけの結果とはなりません。それを踏まえたうえでご覧ください。
●糖度が高い=おいしい、ということではありません。しかし、平均値よりも糖度が高いものは実際においしく感じるものが多いです。
●糖度を測定した個数は約10~200個と果物によって異なります。品種の重複はありますが、例えばあんずは10品種(12個体)で、いちごは91品種(118個体)を計測しています。
●糖度分布があるイラストは、わかりやすくするため大げさな色分けにしています。