おいしいパイナップルの選び方

パイナップルはフィリピンからの輸入ものが多いですが、6月から8月頃には国内産のものも多く出回ります。どちらも見分け方は変わりませんので、しっかり完熟したパイナップルを選びましょう。

ふくよかな下ぶくれ形をしている

パイナップルは、お尻の部分がふっくらとした下ぶくれ形がよいとされます。全体に丸みがあって、葉の色が濃いものを選ぶとよいでしょう。また、同じサイズならより重量感のあるほうが果汁が豊富で食味がよいとされます。

ボゴール

この「スナックパイン(ボゴール)」はだいぶ下ぶくれでどっしりとした形。葉の部分がとても小さいですが、糖度は高いところで19.3度と甘く、酸味とのバランスもよくて果汁が豊富でした

甘い香りがしてお尻に少し弾力を感じる

完熟した果実は甘い香りが漂っていたり、お尻の部分に少し弾力を感じたりします。果皮が乾燥しているものや、葉が枯れているもの、やわらか過ぎるものは鮮度が低下しているので避けましょう。

ゴールドバレル

この「ゴールドバレル(タダオゴールド)」は、お尻にほどよい弾力があり、香りが良好。果肉は適度なやわらかさで果汁が多く、甘味も強かったです。糖度は高い部分で20度以上ありました

追熟しないが酸味が減少することも

なお、パイナップルは追熟しませんが、2~3日すると果肉がやわらかくなったり、酸味が若干減少したり、緑色っぽかった果皮が黄色みがかったりすることがあります。

しかし収穫後に置いておいても、糖度が上がるということはなく、あまり日持ちもしません。基本的に熟したものが収穫されていますが、たまに早採りしたような酸味が強いものもあるので、購入時に完熟したものを選ぶことが大切です。

スウィーティオ

この「スウィーティオパイン」は甘い香りがしていてこの状態で食べ頃でした。濃厚な甘酸っぱさで、果肉もソフト。糖度は高いところで16度ありました

果皮が緑色でも完熟していれば甘い

パイナップルは果皮の色では少し判断しづらいことがあります。緑色のものは未熟だと思われがちですが、緑色でも甘くて完熟しているものもあり、逆に果皮が黄色くても酸味が強いこともあります。上でも述べていますが、早採りしたものでなければ甘くなっています。

ただ、酸っぱいパイナップルを見分けるのはなかなか難しいので、香りと弾力をチェックしてみてください。また香りや弾力が同じくらいであれば、黄色いほうが酸味が少ない可能性があるので、色以外の条件が同じであれば、黄色いほうを選ぶと無難かもしれません。

パイナップルの食べ方はこちらで紹介しています。 「パイナップルの食べ方」のページ

ゴールドバレル

この「ゴールドバレル」は果皮が緑色ですが、糖度が20度以上あり文句なしの甘さ。香りがよくて酸味は少~中程度とほどよく、特に果実の下半分はとても美味でした

パイナップル

これは果皮がオレンジ色に染まっていますが、酸味がとても強くてびっくりしたパイナップルです。ちなみに糖度は一番高い部位でも12度くらいしかありませんでした。これを見抜くのは難しいです……

パイナップルの一番甘い部分はどこ?

当サイトがこれまでに計測したパイナップルの糖度データをもとに、果実のどの部分が甘味が強いのかをイラストで紹介しています。また平均糖度も計算しました。

パイナップルは6か所で糖度を測っています。皮に近いほうを「外側」として、中心部を「内側」とし、さらに葉側を「上」、お尻部分を「下」として測定。

パイナップルの一番甘い場所は、お尻部分の内側という結果になりました。葉側とお尻側では糖度に3度ほど差があります。パイナップルはカットフルーツに使うことが多いですが、この場合どの部位かはわかりません。でも甘味が強ければお尻部分の可能性があります。

パイナップルの糖度分布

平均糖度 約16.6度

外側上の平均糖度 約14.7度

外側中の平均糖度 約17.3度

外側下の平均糖度 約17.3度

内側上の平均糖度 約15度

内側中の平均糖度 約18度

内側下の平均糖度 約18.6度

●このページでは実際に食べた経験も踏まえて、一般的な選び方をまとめています。しかし糖度やおいしさを保証するものではありません。記事を参考にしたのにおいしくなかった場合はどうぞご容赦ください。
●糖度の数値は当サイトが独自に計測したものです。「Brix値(ブリックス値)」は「%」で表されますが、ここではわかりやすく「度」で表示しています。また、使用している簡易糖度計では、糖分だけでなくクエン酸などの「酸」も計測されてしまうため、必ずしも糖分だけの結果とはなりません。それを踏まえたうえでご覧ください。
●糖度が高い=おいしい、ということではありません。しかし、平均値よりも糖度が高いものは実際においしく感じるものが多いです。
●糖度を測定した個数は約10~200個と果物によって異なります。品種の重複はありますが、例えばあんずは10品種(12個体)で、いちごは91品種(118個体)を計測しています。
●糖度分布があるイラストは、わかりやすくするため大げさな色分けにしています。