おいしいりんごの選び方

りんごは果皮が赤いりんごと、黄緑~黄色の2タイプがあります。どちらも基本的なポイントは同じですが、甘味を重視するのか、酸味も楽しみたいかで選び方が少し変わります。

果皮に張りがあってずっしりと重い

りんごは果実がふっくらとしていて、果皮に張りがあるものを選びます。また持ったときに重みを感じるかどうかも要チェック。大きさのわりに重量感のあるものは、果汁を豊富に含んでいます。なお、サイズは大きすぎるものよりも、中玉くらいのほうが食味がよいといわれます。

ふじ

ふくよかな形で重みのある「ふじ」。シャキッとした食感で、糖度は15~16度くらいと甘味が強く、適度な酸味もあって濃厚な味わいでした

シナノゴールド

この「シナノゴールド」も果皮に張りがあって新鮮です。歯ごたえがよく香りも豊かで、糖度は高い部分が約18度と高めでした

赤く染まっていて軸が太め

全体が赤く染まっていて、軸が太いものを選びましょう。りんごは日に当たることで赤く着色し、たっぷり太陽光を浴びることで糖度が高くなります。また、軸がしっかりしていると、栄養の吸収がよいといわれます。

ただ、シーズン初めの8月から9月頃は、色づきがあまりよくない品種も出回ります。秋に出回る「ふじ」などの品種に比べると甘酸っぱいものが多いですが、これらはみずみずしくてフレッシュな味わいです。

つがる姫

8月上旬に購入した早生種の「つがる姫」。黄緑色が目立ちますが、糖度が15度前後と高く、十分な甘さがありました

夏乙女

9月中旬に出回る「夏乙女」。シーズン初めの早生りんごは、色づきがよくないものも見られます。この夏乙女は糖度が13度弱でしたが、さわやかな甘酸っぱさでおいしかったです

かんき

全面が着色した「かんき」という品種。糖度が15度以上あり甘酸のバランスがよく、パリッとした食感で美味でした。10月下旬に購入

かんき

これも10月下旬に購入した「かんき」ですが、こちらは着色が薄めです。糖度は13度弱で甘味はあるけれど酸味が強め。ジューシーさもこちらのほうが少なかったです

北紅

11月下旬に購入した「北紅(きたくれない)」という品種。果皮が真っ赤に染まっています。甘酸が調和していて風味のよいりんごでした

葉とらずりんごは色づきが悪くても甘い

一般的なりんご栽培では、日光を遮る葉を摘み取り、果実の向きを変えて果皮にまんべんなく日光をあてる「玉まわし」という作業を行います。こうすることで果実がたくさん太陽を浴び、果皮の色づきと味がよくなります。

一方、葉の摘み取りをあえてせずに栽培したのが「葉とらずりんご」です。葉で果実が隠れて着色は悪くなりますが、葉からたくさんの養分が果実に送られて、その結果甘くなるといわれています。

なお葉とらずりんごの栽培においても、着色を少しでもよくするため、玉まわしを行うことは多いようです。

ふじ

「葉とらずふじ」は着色がまばらなものが多いですが、このふじは甘味が強くて酸味も適度。糖度の高い部分は17度近くあり、食感も良好でした

サンふじ(葉とらず)

こちらも「葉とらずふじ」。これは着果場所や管理がよかったのか、きれいに着色しています。これも甘味と酸味が調和していてジューシーでした

お尻が緑色のものは酸味が強め

りんごは基本的にお尻が緑色のものはまだ完熟手前で酸味が強め。熟すと黄色や赤色になるので、この点も確認しましょう。

ただし、8月から9月頃の早生種のりんごはあまり日持ちせず、お尻まで真っ赤な完熟状態のものは、果肉がやわらかくなっていることもあります。この時期は少し黄緑色が残っていても大丈夫です。

シナノスイート

これは12月上旬に購入した「シナノスイート」です。お尻が黄色~赤色になっています。糖度は18度以上と甘味が強く、酸味は少なめ。果汁が豊富で歯切れもよくとても美味でした

千秋

こちらも色づきがよい「千秋」。糖度は高いところで16.9度と甘みがたっぷりで酸味とのバランスもよく、多汁でフルーティーなおいしさでした。10月中旬に購入

さんたろう

これは10月上旬に食べた「さんたろう」という品種。お尻に黄緑色が少し残っています。酸味が強めでしたが甘味もあり、濃厚な甘酸っぱさでした。ちなみに糖度は高い部分が15.1度

昴林

これは9月中旬に購入した「昂林」です。お尻の部分が黄緑色ですが、甘酸のバランスがとれていて食味良好。糖度は15度前後と意外に高めでした

黄色系りんごはサビが出ることも

「きおう」や「シナノゴールド」「トキ」などの黄色系りんごは、なるべく全体が濃い黄色のものがよいでしょう。シーズン序盤は黄緑色のものも見られますが、濃黄色のほうが甘味がのっています。ただ、かための食感や酸味も楽しみたいなら黄緑色のものもおすすめです。

また黄色い品種は、表面に茶色いサビといわれる点々が見られることがありますが、とくに気にしなくてもよいでしょう。

なお「王林」は果皮が黄緑色~黄色ですが、黄色みがかっているほうが酸味が弱い傾向にあります。

王林

どちらも「王林」で、左は黄色(見た目が悪いですが)、右は黄緑色です。糖度は黄色が18~19度、緑色が16前後と黄色のほうが甘かったです。ただ、緑色のほうが果汁が多くて食感も良好でした

果皮のテカテカは熟した証し

「つがる」や「ジョナゴールド」などは、表面がテカテカとしていることがありますが、これは成熟している証拠です。ワックスと勘違いする人もいますが、これは果実から分泌された「ろう物質」で、食べても問題ありません。

こちらのコラムでもう少し詳しく解説しています。りんごの皮のピカピカの正体は何?

ジョナゴールド

この「ジョナゴールド」は果皮にツヤがあって手触りは少しべたっとしていましたが、これが自然な状態です

シナノスイートの外観と糖度の比較検証

同じ品種でも色づきが違えば、糖度や味に大きな差がでるのでしょうか。ここでは個人的な過去のデータをもとに「シナノスイート」で比較してみました。

ピックアップしたのは7個体。食べた時期の古い順に味わいを再確認したところ、糖度や酸味に多少の差はあるもののどれもおいしく味わっていたようです。果皮の色だけでおいしさを判断するのは難しいですね。

シナノスイート

赤くて色づきがよいシナノスイート。糖度は15前後で甘味が強くてほどよい酸味もありシャキッとした歯ごたえでした(2008年10月)

シナノスイート

やや着色が悪いですが、糖度は高い部分が15.7度と甘味十分。酸味は少~中程度でした(2009年10月)

シナノスイート

全面が赤く染まってきれいな外観。酸味はやや弱めで糖度は14.2~15.5度と甘く、まろやか風味でシャキシャキした食感でした。(2010年10月)

シナノスイート

かなり色むらがありますが、酸味はおだやかで14.6~15.9と高糖度。ジューシーで風味豊かでした(2010年11月)

シナノスイート

このシナノスイートはやや暗めの赤色に着色。果肉はややソフトで、糖度は高い部分が15.9度で果汁も多く、やさしい酸味があり満足のいく味わいでした(2015年11月)

シナノスイート

濃赤色のシナノスイート。糖度は18度以上と高くて酸味が弱めだったので、かなり甘く感じました。歯ごたえも良好です(2016年10月)

シナノスイート

軸が細いですが着色がよいシナノスイート。糖度は高い部分が19度以上とかなり高く、酸味と調和していて歯切れもよく、文句なしのおいしさでした(2016年12月)

りんごの一番甘い部分はどこ?

当サイトがこれまでに計測したりんごの糖度データをもとに、果実のどの部分が甘味が強いのかをイラストで紹介しています。また平均糖度も計算しました。

りんごは軸側を「上」として、お尻側を「下」とすると、上の平均糖度は約14.6度、中は約14.9度、下は約15.2度になりました。なお、皮に近い部分の果肉で計測しています。

大きな差はありませんが、りんごの一番甘い場所はお尻の部分ということがわかります。

りんごの糖度分布

平均糖度 約14.8度

上の平均糖度 約14.6度

中の平均糖度 約14.9度

下の平均糖度 約15.2度

●このページでは実際に食べた経験も踏まえて、一般的な選び方をまとめています。しかしながら糖度やおいしさを保証するものではありません。記事を参考にしたのにおいしくなかった場合はどうぞご容赦ください。
●糖度の数値は当サイトが独自に計測したものです。「Brix値(ブリックス値)」は「%」で表されますが、ここではわかりやすく「度」で表示しています。また、使用している簡易糖度計では、糖分だけでなくクエン酸などの「酸」も計測されてしまうため、必ずしも糖分だけの結果とはなりません。それを踏まえたうえでご覧ください。
●糖度が高い=おいしい、ということではありません。しかし、平均値よりも糖度が高いものは実際においしく感じるものが多いです。
●糖度を測定した個数は約10~200個と果物によって異なります。品種の重複はありますが、例えばあんずは10品種(12個体)で、いちごは91品種(118個体)を計測しています。
●糖度分布があるイラストは、わかりやすくするため大げさな色分けにしています。