おいしいさくらんぼの選び方

さくらんぼには国内産のものと輸入物がありますが、どちらも基本的な選び方は変わりません。見るべきポイントを押さえておきましょう。

果皮に張りとツヤがあり粒が大きい

さくらんぼを選ぶときは、果皮がつやつやとしていて張りがあるものを選びます。できれば実が大きめで、ほどよく締まっているものがよいでしょう。

南陽

果皮がピーンと張っていて光沢のあるさくらんぼ。これは新鮮な状態の「南陽」という品種です。糖度は19度と高くとても美味でした

表面に傷や変色がない

果皮がしなびていたり、実がやわらかくなったものは避けてください。そのようなさくらんぼは鮮度が低下して食味が落ちています。また傷や斑点、茶色く変色した箇所がないかも確認します。

なるべく全体が赤く着色している

果皮の色は、なるべく全体が鮮やかな赤色に着色しているものがおすすめ。しっかりと太陽の光を浴びることで鮮やかな色になり甘味も増します。

なお、表面に黄色みが残っているものもよく売られていますが、これらもある程度熟していればおいしく食べられます。ただ、いくつか並んだパックから選べるなら、赤く染まった粒が多く入ったものがよいでしょう。

紅秀峰

濃い赤色に染まった完熟の「紅秀峰」。糖度は20度前後と甘味が強く、ジューシーでまろやかな甘酸っぱさが堪能できました

紅きらり

これは「紅きらり」という品種です。少し黄色みが残っていますが、果肉がプリッとしていて糖度は16度前後で上品な甘さが味わえました

完熟すると黒っぽくなる品種も

果皮の色が濃すぎると過熟の可能性がありますが、「紅さやか」や「紅てまり」など一部の品種は、完熟すると黒っぽい赤色になることがあります。これらは色が濃すぎても問題ありません。

また果皮が黄色い「月山錦(がっさんにしき)」は色で判断するのはやや困難ですが、薄い黄色よりも濃いめのものがよいでしょう。皮の一部がシミのようにうっすらと茶褐色になっているものは完熟で甘いといわれます。

紅さやか

「紅さやか」という品種は、熟すと果皮の色が濃くなります。この紅さやかは糖度が20度前後と甘くて濃厚な味わいでした。ちなみに少し色の薄いものも混じっていましたが、色の濃いほうが甘かったです

月山錦

果皮が黄色い「月山錦」。この月山錦は果汁が豊富で糖度は15~19度と甘く、酸味はおだやかでした

アメリカンチェリーは色の濃いもの

アメリカンチェリーの「ビング」は果皮が黒っぽい紅色をしているのが特徴。明るい赤色のものよりも濃い黒赤色のものを選びます。

一方「レーニア」は「佐藤錦」のように黄色地に赤く染まります。店頭では果皮に黄色が残ったものも多く見られますが、なるべく全体が赤く着色したものがよいでしょう。

ビング

アメリカンチェリーの「ビング」は果皮が黒赤色をしています。この濃い色のビングは糖度が20度前後あり、甘味が強くて肉厚でした

レーニア

しっかりと赤く着色した「レーニア」。糖度が25度前後ととても甘くておいしかったです

軸が太くてきれいな緑色

パックに入っているさくらんぼの鮮度は、軸の色や太さでも判断できます。鮮度のよいさくらんぼは軸が青々としています。逆に収穫してから時間が経過しているものは、所々軸が黒っぽく枯れていたり、軸がしおれて細くなっていたりします。

佐藤錦(選抜佐藤錦)

新鮮で軸が青々とした「佐藤錦」。この佐藤錦は色づきがよく、糖度が約20度と文句なしの甘さで、ほどよい酸味もあり大満足の味わいでした

さくらんぼの一番甘い部分はどこ?

当サイトがこれまでに計測したさくらんぼの糖度データをもとに、果実のどの部分が甘味が強いのかをイラストで紹介しています。また平均糖度も計算しました。

軸側を「上」、お尻側を「下」として2か所を計測しています。上の平均糖度は約17.7度で、下の平均糖度は約18.5度となりました。

さくらんぼの一番甘い場所はお尻の部分ということになります。とはいえ、ひと口で食べるので部位による糖度の違いは気にしなくてもよいでしょう。

さくらんぼの糖度分布

平均糖度 約18.1度

上の平均糖度 約17.7度

下の平均糖度 約18.5度

●このページでは実際に食べた経験も踏まえて、一般的な選び方をまとめています。しかし糖度やおいしさを保証するものではありません。記事を参考にしたのにおいしくなかった場合はどうぞご容赦ください。
●糖度の数値は当サイトが独自に計測したものです。「Brix値(ブリックス値)」は「%」で表されますが、ここではわかりやすく「度」で表示しています。また、使用している簡易糖度計では、糖分だけでなくクエン酸などの「酸」も計測されてしまうため、必ずしも糖分だけの結果とはなりません。それを踏まえたうえでご覧ください。
●糖度が高い=おいしい、ということではありません。しかし、平均値よりも糖度が高いものは実際においしく感じるものが多いです。
●糖度を測定した個数は約10~200個と果物によって異なります。品種の重複はありますが、例えばあんずは10品種(12個体)で、いちごは91品種(118個体)を計測しています。
●糖度分布があるイラストは、わかりやすくするため大げさな色分けにしています。