果物と健康 糖尿病

糖尿病

糖尿病は、血液中のブドウ糖をエネルギーに変換できなくなり、血糖値が上がってしまう病気です。血糖値とは、血液中にブドウ糖がどのくらいあるかを示す値です。

通常、糖分が体に取り込まれると、すい臓が刺激されて「インスリン」を作り出します。インスリンは、血液中のブドウ糖を細胞に送り込んでエネルギーに変換したり、血糖値を調節する働きをするものです。食事をすると血糖値は高くなりますが、インスリンの作用で2時間後くらいに元に戻ります。

しかし糖尿病の人はインスリンが生産されないため、血液中のブドウ糖が細胞に送られず血糖値がどんどん高くなってしまうのです。血糖値が高くなると、尿の中に糖が出てて、糖の濃度を薄めるためにたくさんの水分が尿となって排出されます。その結果、のどの渇きや体重の減少、吐き気、空腹感などを訴えます。

また糖尿病は多くの合併症を引き起こし、手足のしびれや筋肉の萎縮、症状がひどくなると失明や細胞の壊死による足の切断などにもつながります。尿が作られなくなり人工透析が必要になることも少なくありません。さらに血管が狭くなって動脈硬化を引き起こし、心筋梗塞や脳梗塞に進行する恐れもあります。

血糖値は、食前で100mg/dl程度、食後では120〜140mg/dlが正常な数値です。食前に126mg/dl以上、食後に200mg/dl以上あれば危険信号です。

原因と予防方法

糖尿病はインスリンが全く、あるいはほとんど作られない「1型糖尿病」と、インスリンを作ってはいるけれど量が足りず血糖値が上がる「2型糖尿病」の2種類があります。

1型は、糖尿病患者の割合で見るとの5%程度と少なく、遺伝的要因やウイルス感染などが原因と考えられています。

一方、残りの95%は2型で、主に中高年や肥満の人に多く見られます。まずは適度な運動を心がけ、バランスの良い食事を摂ることが大切。また喫煙や過剰な飲酒、塩分、糖分の摂りすぎにも注意しましょう。

予防効果が期待できる果物

温州みかんキウイフルーツバナナメロンりんご など。

糖尿病は糖分の摂りすぎに注意しなければいけませんが、まったく摂らないのはかえってよくありません。果物は適度な果糖などが含まれ、ビタミンやカリウム、食物繊維などの栄養もあり低カロリーです。メロンやキウイ、さくらんぼ、バナナなどはカリウムも多いので、高血圧予防にも効果が期待できます。

「日本糖尿病学会」の指針においても、1日に1単位(80kcal)の摂取を推奨しています。メロンは200g、キウイは150g、バナナは100g、温州みかんは200g、りんごは150gが目安です。

ただし、すでに糖尿病を患っていて食事制限のある方やカリウム制限がある方は、医師の指示に従って決められた量を守るようにしてください。

※ご注意・・・果物はさまざまな病気の予防や健康作用に期待できる食物ですが、治療するための薬ではありません。すでに病気を患っていらっしゃる方は、何よりもまず医師にご相談ください。また栄養素によっては摂取量が多すぎると体に悪影響を及ぼすことがあります。適量を心がけるようにし、心配な場合は医師に相談してください。

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