果物と健康 高血圧

高血圧

まず「血圧」とは何かを知っておきましょう。血圧とは、血液が血管の中を流れるときに血管の壁を押す圧力のことをいます。この圧力が強くなった状態を「高血圧」といいます。たとえばホースで水を流すとホースはピンと張ります。これが通常の圧力がかかった状態です。しかしホースを途中でつまむと水の流れが悪くなりホースは膨らんでしまいます。これが圧力が高くなった状態です。これと同じで血圧が高くなると血管が膨らんで壁が薄くなり、傷つきやすくなってしまうのです。

高血圧の状態が続くと、薄くなった血管を厚くしようして血管がかたくなってしまう「動脈硬化」につながり、さらに「脳梗塞」、「心筋梗塞」などの原因にもなります。また血管が破裂して「脳出血」や「くも膜下出血」を起こすことがあります。

ちなみに血圧には「上」と「下」の数値がありますが、これは心臓の収縮に関係します。血液は心臓からポンプのように送られますが、血液が送り出される瞬間は心臓が収縮し血管に強い圧力がかかります。このときの血圧を「上(最大血圧)」といい、逆に血液を送り出した心臓が肺などから血液を吸い込んで拡張したときの圧力を「下(最低血圧)」といいます。一般的に上が140mmHg以上、下が90mmHg以上だと高血圧とみなされます。

原因と予防方法

高血圧の主な原因としてあげられるのが塩分やアルコール、たばこの過剰摂取です。日本人の1日の塩分摂取量は平均12gといわれていますが、その半分ちょっとの6〜8gの摂取が理想的。またアルコールが体内に入ると一時的に血圧が低下しますが、その後に上昇し心拍数も高くなります。これは2005年に発表された西オーストラリア大学医学部および薬学部研究員の調査結果でも明らかになっています。毎日の晩酌が欠かせないという人は、日本酒なら1合、ビールならジョッキ1杯程度に抑えましょう。

またタバコに含まれるニコチンは血圧を上げるだけでなく、血栓をつくりやすいホルモンを分泌します。そのため血液がドロドロになりやすく動脈硬化や脳梗塞、心筋梗塞などのリスクも高まります。高血圧が心配な喫煙者の方はきっぱりとタバコをやめましょう。

このほか、肥満やストレス、睡眠不足なども高血圧の原因といわれています。規則正しい生活を心がけてください。

予防効果が期待できる果物

アボカドあんずいちごいちじくオレンジ温州みかん柑橘類キウイフルーツさくらんぼスイカすもも西洋梨パイナップルバナナパパイアびわぶどうマンゴーメロンりんご など。

血圧上昇の原因となるナトリウム(塩分)の作用を抑えるには、「カリウム」が効果的です。ほとんどの果物はカリウムを多く含んでいるため、利尿作用によって塩分を体から排出する効果が期待できます。また、リンゴやみかん、桃などに含まれる水溶性食物繊維もナトリウムの排出を促進するといわれます。

なお、肥満体質や中性脂肪「トリグリセリド」の値が高い人は、糖分を摂りすぎると肥満を進行させる恐れがあるので、果物の摂りすぎは控えてください。

※ご注意・・・果物はさまざまな病気の予防や健康作用に期待できる食物ですが、治療するための薬ではありません。すでに病気を患っていらっしゃる方は、何よりもまず医師にご相談ください。また栄養素によっては摂取量が多すぎると体に悪影響を及ぼすことがあります。適量を心がけるようにし、心配な場合は医師に相談してください。

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