バナナって本当は種が入ってるの?
野生のバナナは種入り
「バナナに種が入っている」と聞くと不思議な感じがしますが、もともと野生のバナナには種が入っていました。現在、私たちが食べているバナナは、野生のバナナが変異したものなのです。
バナナの種は小豆くらいの大きさで、チョコチップのようにたくさん入っています。食べにくそうですが、東南アジアの一部では今も食べられているとのことです。また国内でも観賞植物として種ありバナナの苗や種が売られているので、興味のある方は栽培にチャレンジしてみてはいかがでしょう。
突然変異で3倍体になり種なしに
さて、種ありバナナはどのようにして種なしへと変化したのでしょうか。この変異には「種なしスイカ」にも登場した「染色体」が関係しています。種の入ったバナナは染色体を2組持つ「2倍体」です。これが突然3組持つ「3倍体」になったのです。3倍体だと正常に減数分裂ができないため種ができないのです。
種がないのにどうやって増えるの?
では、種なしバナナは種がないのにどのようにして子孫を残しているのでしょうか。それは親株の脇から伸びてくる「吸芽」を利用します。
バナナは実をつけると枯れておしまいなのですが、そのときに根元に小さな株が出てきます(バナナは木ではなくて草)。そこでその吸芽を1つだけ残して親株を刈り取るか、または吸芽を切り離して別の場所に植えて育てると、そこに花が咲いて実がなるというわけです。