種なしぶどうはどうやって作るの?

植物ホルモンによって種なしになる

ぶどうには「種あり」と「種なし」がありますが、消費者に好まれるのは食べやすい種なしぶどうのほうです。この人気の高い種なしぶどう、じつはその多くは最初から種がないのではなく、栽培の過程で「ジベレリン」などの植物ホルモンを使用することで種なしにしているのです。よく店頭で見かける「デラウェア」や「種なし巨峰」「種なしピオーネ」などがこのタイプです。

種ができない仕組みとは?

通常、果実はめしべの柱頭に花粉がついて受粉することで子房の中に種子ができ、子房がふくらんで実になります。ところが、ぶどうは受粉しなくても、房をジベレリン液に浸すことで実を作ることができます。その結果、受粉していないので種なしぶどうができるというわけです。

実際にはどのような処理をするの?

ジベレリン処理は満開前と満開後の2度にわたって行います(品種によって時期が異なります)。1度目は種なしにするため、そして2度目は果粒を肥大化させるためです。2度目の処理をしないと果粒が成長しないため、手間がかかりますがこの作業は欠かせません。このように大変な作業のおかげでおいしい種なしぶどうが食卓に届いているんですね。ただ、ジベレリン処置は完璧ではなく、品種によっては種が少し残ってしまうものや、味がかすかに薄くなってしまうものもあるそうです。

ちなみに、もともと種のない品種には、「トンプソンシードレス 」や「フレームシードレス」「ヒムロットシードレス」などがあります。