ぶどう 葡萄 Grape

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  • マスカット・ベリーA

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  • キャンベル・アーリー

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  • 甲州

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  • ブドウ

    ブドウ

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  • ブドウ(ワイン用)

    ブドウ(ワイン用)

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  • ブドウ(花)

    ブドウ(花)

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    ブドウ(花)

  • ブドウ(落花後)

    ブドウ(落花後)

  • ブドウ(幼果)

    ブドウ(幼果)

基礎データ DATA

ブドウの旬(出回り時期)

※これはブドウの出回り量の割合をグラフ化したものです。農林水産省統計 青果物卸売市場調査 品目別:主要卸売市場計(2023年)を参考にしています

ブドウの概要

ブドウの花 ブドウの果実

ブドウの品種はとても多く、世界には10000種以上のブドウが存在するといわれます。このうち日本ではおもに50~60種類ほどが商業栽培されています。

また、ブドウは果皮の色によって「赤」、「黒」、「緑(白)」の3つに大別されます。赤は「甲斐路」や「安芸クイーン」など、黒は「巨峰」や「ピオーネ」などが有名です。また緑は「マスカット・オブ・アレキサンドリア」や「ロザリオ・ビアンコ」などがあります。

果皮の色は、未熟なうちはどれも緑色ですが、成長の過程で赤や黒の色素が作られていきます。そのために果皮の色が違ってくるのです。なお緑系(白系)のブドウは色素が作られないため、熟しても緑色のままです。

ブドウの歴史

ブドウの果実(未熟)

現在栽培されている品種の多くは、ブドウの祖先といわれる「ヨーロッパブドウ」と「アメリカブドウ」を交配したものがもとになっています。

ヨーロッパブドウの歴史は紀元前4000~3000年と古く、古代エジプトの壁画にも栽培の様子が描かれています。日本への渡来ルートは、中近東地方から古代ヨーロッパ、その後シルクロードを横断して中国へ、そして奈良時代に中国から日本に伝わったといわれています。

アメリカブドウは北米が原産で、これも古くから自生していました。日本で本格的に栽培が行われるようになったのは明治時代に入ってからですが、山梨県原産の「甲州ぶどう」は、鎌倉時代初期にはすでに栽培されていたようです。

ブドウの栄養と効能

おもな栄養成分(可食部100g中)

カリウム(130mg)、ブドウ糖(7g)、果糖(8g)

注目成分

アントシアン、レスベラトロール(赤ブドウ)

期待される効能

疲労回復、眼精疲労改善(赤ブドウ)、高血圧予防動脈硬化予防心筋梗塞予防脳梗塞予防がん予防

ブドウの皮には、眼精疲労や活性酸素の除去に効果があるとされる「アントシアン」が多く含まれます。アントシアンはポリフェノールの一種で、悪玉コレステロールの発生を防ぎ血液をキレイにする働きがあるといわれています。そのため、動脈硬化やがん予防にも期待ができます。デラウェアなどの赤ブドウには、発がん抑制作用を持つといわれる「レスベラトロール」というポリフェノールも含まれています。

また、果実に多く含まれるブドウ糖や果糖は疲労回復に効果があるので暑い夏のエネルギー補給に最適です。

より詳細な栄養成分については、「栄養成分(グラフ)」もしくは「栄養成分(一覧表)」に掲載しています。

ブドウの種類

巨峰

巨峰

「石原早生」と「センテニアル」を交配し、1942年(昭和17年)に誕生しました。「巨峰」という名は商標名(商品名)で、正式な品種名は「石原センテニアル」といいます。果皮は濃い紫黒色をしていて、果肉は淡い緑色。しまりがある果肉は甘味が強く、果汁も豊富です。昭和50年以降には「種なし巨峰」の生産も開始され、今では黒ブドウの定番品種となっています。成熟期は8月~9月頃。

デラウェア

デラウェア

粒は小さくて香りは控えめですが、果汁が豊富で糖度が高く、種もなく食べやすいことから多くの人に親しまれています。1850年頃アメリカで発見され、1855年頃にオハイオ州デラウェアで命名。日本には1872年(明治5年)頃に導入されました。旬は7~8月頃ですが、ハウス栽培のものは5月頃から出回ります。

ピオーネ

ピオーネ

「巨峰」と「カノンホール・マスカット」を交配して作られたブドウで1973年(昭和48年)に登録されました。大粒の紫黒色で、1粒15~20gほどの重さになります。甘味と酸味のバランスがよく、キュッとしまった歯触りのよい食感と上品な風味が楽しめます。時期は8~10月頃。主産地は岡山県、山梨県、長野県などです。ピオーネは種ありと種なしがありますが、種なしのものは「ニューピオーネ」とも呼ばれます。

キャンベル・アーリー

キャンベル・アーリー

アメリカ生まれの黒ブドウで、「ムーアアーリー」と「ベルビデレ×マスカット・ハンブルグ」の交配品種です。1892年に誕生し、日本には1897年(明治30年)頃に導入されました。1粒の重さは5~6gと小さめで糖度は15度前後。甘味の中に適度な酸味があり濃厚な風味が楽しめます。おもに北海道や青森県などで栽培されていて、シーズンは8~9月頃です。

ナイアガラ

ナイアガラ

ナイアガラは甘くて香りのよい緑系ブドウです。「コンコード」×「キャサディ」の掛け合わせで1872年にアメリカで誕生し、1893年(明治26年)頃に日本に伝わりました。1粒の重さは4g前後と小さめですが、果汁が豊富で風味がよく、生食はもちろん、ワインの原料としても利用されています。主産地は北海道や長野県などでシーズンは8月下旬頃からです。

マスカット・ベリーA

マスカット・ベリーA

「ベリー」×「マスカット・ハンブルグ」を交配して生まれたブドウで、1940年(昭和15年)に発表されました。果実は糖度が20度前後と高く濃厚な味わいで、日持ちがよいのが特徴です。山梨県、兵庫県、岡山県などで栽培されていて、出回り時期は8~10月頃。赤ワインの原料としても利用されています。なお、種なしのものは「ニューベリーA」という名前で流通しています。

スチューベン

スチューベン

アメリカ生まれで親は「ウェイン」×「シェリダン」。1952年(昭和27年)に日本に導入されました。果皮は黒く粒はやや小さめで、糖度は高いものだと20度以上にもなります。青森県を中心に栽培が行われていて、出回り時期は9~12月頃です。ちなみに8月上旬頃に出回る「アーリースチューベン」という黒ブドウもありますが、これは「バッファロー」という別の品種。バッファローの親は「ハーバート」×「ワトキンス」です。

甲州

甲州

山梨県が原産地で800年以上も前から栽培されている品種です。淡い赤紫色で粒はやや小さく、果肉はやわらかく多汁で甘味があります。香りは控えめで、種の周りは酸味がやや強く、ほどよい甘酸っぱさが魅力。貯蔵性にも優れていて、甲州ワインの原料としても利用されています。収穫期は10月頃。

シャインマスカット

シャインマスカット

「安芸津21号」×「白南」の交配から育成され2006年(平成18年)に品種登録された緑系のブドウです。大粒でマスカットの香りを持ち、糖度が20度前後と高くて酸味は少なめ。ほとんどが種なしで、皮が薄いため、皮ごと食べられるのが特徴です。食味が優れているだけでなく、果肉がしまっていて日持ちがよいことから栽培面積が増えています。

赤嶺(せきれい)

赤嶺(せきれい)

「甲斐路」の枝変わりとして山梨市で発見された紅色の大粒ブドウ。甲斐路に似た外観で果肉は歯切れがよく、甘味が強くてほどよい酸味があります。「早生甲斐路」とも呼ばれ、甲斐路よりも2週間ほど早い9月上旬頃から出回ります。

ロザリオ・ビアンコ

ロザリオ・ビアンコ

「ロザキ」と「マスカット・オブ・アレキサンドリア」を掛け合わせて育成され、1987年(昭和62年)に品種登録されました。やや楕円形の大粒ブドウで果皮は薄い黄緑色。皮が薄いので皮ごと食べられます。酸味は少なく多汁で、上品な甘味があります。出回り時期は9月頃。果皮の赤い「ロザリオ・ロッソ」という品種もあります。

藤稔(ふじみのり)

藤稔(ふじみのり)

「井川682」に「ピオーネ」を掛け合わせた品種で1985年(昭和60年)に品種登録されました。果粒は平均20g前後と大きく、果肉はやわらかめで果汁が豊富。糖度は平均17度くらいと甘くて、適度な酸味もあります。また皮離れがよく食べやすいのも特徴のひとつ。8月頃から出回ります。

マスカット・オブ・アレキサンドリア

マスカット・オブ・アレキサンドリア

「ブドウの女王」と呼ばれ、贈答用としてもよく利用されるマスカット。北アフリカ原産で、明治時代初めに日本に導入されました。大粒で芳醇な香りと上品な甘さを持ち、糖度は高いものだと20度にもなります。果皮が薄いため皮ごと食べることも可能です。岡山県を中心に栽培が行われ、7~10月頃まで味わえます。

安芸クイーン

安芸クイーン

「安芸(あき)クイーン」は1993年(平成5年)に登録された品種で、その名の通り広島県で生まれたブドウです。「巨峰」を自家受粉して得られた種から育成されました。果皮は鮮やかな紅色で、果肉はほどよくしまっていて食味良好。糖度は18~20度と高くて香りがよく、濃厚な味わいです。シーズンは8~10月頃。

ネオ・マスカット

ネオ・マスカット

「マスカット・オブ・アレキサンドリア」×「甲州三尺」の交配種として1932年(昭和7年)に発表されたマスカット。親のアレキサンドリアよりもサイズがひと回り小さいですが、風味や食感はアレキサンドリアに似ています。糖度は17度以上と高く、酸味は控えめ。マスカット特有の気品ある香りを持ち、果肉はしまりがあり果汁が豊富なブドウです。シーズンは9月上旬頃から。

ナガノパープル

ナガノパープル

長野県で栽培されている黒系ブドウで、両親は「巨峰」と「リザマート」。2004年(平成16年)に品種登録されました。粒が大きく、皮が薄くて皮ごと食べられるのが特徴です。皮が気になる場合はむいてもよいですが、皮離れはあまりよくありません。甘味が強くて酸味は控えめで、香りがよく濃厚な味わいの品種です。9月上旬頃から出回ります。

瀬戸ジャイアンツ

瀬戸ジャイアンツ

別名「桃太郎ぶどう」ともいい、親は「グザルカラー」×「ネオ・マスカット」。1989年(平成元年)に品種登録されました。1粒が20g前後と大きく、皮ごと食べられるのが特徴です。糖度が高く果汁も豊富で、酸味は少なめ。ちなみに「桃太郎ぶどう」という名前は岡山県桃太郎ぶどう生産組合の登録商標のため、この組合員以外が生産したものは「瀬戸ジャイアンツ」として流通します。シーズンは9~10月初旬頃。

甲斐路

甲斐路

山梨県特産の赤ブドウで、「紅いマスカット」ともいわれます。「フレームトーケー」と「ネオ・マスカット」の交配から生まれ1977年(昭和52年)に品種登録されました。ほのかにマスカットのような香りがあり、深みのある甘さとみずみずしさが人気です。1粒の重さは10g前後で、粒が落ちにくく比較的日持ちします。旬は9~10月頃。

翠峰(すいほう)

翠峰(すいほう)

翠峰は「ピオーネ」×「センテニアル」を交配して福岡県で育成されたブドウです。1996年(平成8年)に品種登録されました。粒は楕円形で大きく果皮は黄緑色。上品でまろやかな甘味があり酸味は控えめです。皮が薄いので皮ごと食べることもできます。出回るのは8月下旬頃から。

悟紅玉

悟紅玉

「レッドクイーン」と「伊豆錦3号」を掛け合わせて育成された山梨県生まれの赤系ブドウ。1988年(昭和63年)に初めて結実しました。果皮は鮮やかな紅色で、大きいものは1粒が20gにもなります。糖度が高くほどよい酸味があり、濃厚で風味豊かな味わいです。シーズンは8月下旬~9月頃。

ルビーロマン

ルビーロマン

石川県が育成した大粒の赤系ブドウ。「藤稔」の自然交雑実生から育成され、2007年(平成19年)に品種登録されました。果皮は鮮やかな紅色で、巨峰の2倍にもなる大きな粒が特徴。多汁で特有の香気を持ち、酸味が少なく甘味の強いブドウです。大きさや色づきなど一定の条件をクリアしたものだけが「ルビーロマン」として出荷されます。出回るのは8月下旬頃から。

紫苑(しえん)

紫苑(しえん)

山梨県の植原葡萄研究所が育成した大粒ブドウです。親の掛け合わせは「紅三尺」×「赤嶺」で、果皮は紫紅色。果汁が豊富で糖度が高く、酸味は少なめです。収穫時期は10月頃~11月下旬頃と遅く、地域によっては12月まで出回り、冬でもおいしく食べられます。

マニキュアフィンガー

マニキュアフィンガー

「ユニコーン」と「バラディ2号」を交配した品種です。果粒が楕円形で、付け根が黄色く先端が赤く染まることからこの名前になりました。甘味と適度な酸味があり、皮ごと食べるとさわやかな風味が味わえます。出回り時期は9月上旬頃から。これによく似た名前のものに「ゴールドフィンガー」や「レディースフィンガー(ピッテロビアンコ)という品種もあります。

各地の年間収穫量 ぶどう

円グラフと下表の割合(%)が違うときは?

上の円グラフの割合(%)と下の表の割合(%)の数値が違うことがありますが、その場合は下表のほうが正しい数値です。

下の表は出典である農林水産省のデータに記されている「全国の合計値」から割合を計算したものです。

上の円グラフも農林水産省のデータですが、こちらは全国ではなく主要生産地のみのデータなので、値が公表されていない都道府県は含まれていません。

また、ページ上部の「基礎データ」にある「おもな産地」の数値は、下表の割合(シェア)を四捨五入したものです。

出典:農林水産省統計

2022年のぶどうの収穫量のうち最も多いのは山梨県で、約4万800トンの収穫量があります。2位は約2万8,900トンの収穫量がある長野県、3位は約1万4,600トンの収穫量がある岡山県です。

栽培面積・収穫高の推移

出典:農林水産省統計

2022年のぶどうの栽培面積は約1万6,400ヘクタール。収穫量は約16万2,600トンで、出荷量は約15万2,400トンです。

品種ごとの作付面積

出典:農林水産省統計

2021年のぶどうの作付面積は、1位は巨峰で約2,528ヘクタール。全体の約22%を占めています。2位はシャインマスカットで約2,346ヘクタール。シャインマスカットも20%以上の作付面積があります。3位はピオーネ、4位はデラウエアとなっています。

ブドウの輸入先と輸入量

出典:財務省統計

ぶどうは6か国から輸入されています。輸入先トップはチリで輸入量は約1万3,529トン、全体の40%以上を占めています。2位はオーストラリアの約6,334トンで全体の20%以上を占めています。3位はアメリカの約5,460トン。4位は約2,169トンのメキシコと続きます。

ブドウの輸出先と輸出量

出典:財務省統計

2023年には14か国に輸出され、トップは約1,158トンの台湾です。2位は約827トンの香港、3位は約76.8トンのシンガポールと続きます。

年別輸出入量

出典:財務省統計

ぶどうは輸入と輸出が行われています。2023年の輸入量は約2万8,883トンで輸入額は約135億8,911万円。輸入量は前年と比べると4,663トン(約14%)減少しています。また、輸出量は約2,107トンで輸出額は約51億6,949万円。輸出量は前年と比べると79.9トン(約4%)増加しています。

主要生産国(上位5か国)

出典:FAOSTAT(2021年)

ブドウ生産の上位5か国は、中国、イタリア、フランス、スペイン、アメリカです。1位の中国の生産量は年間約1,260万トンで全体の約17%を占めています。2位のイタリアは年間約843万7,970トンで全体の約11%、3位のフランスは年間約619万9,950トンで全体の約8%です。

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