すいか 西瓜 Watermelon
基礎データ DATA
スイカの旬(出回り時期)
※これはスイカの出回り量の割合をグラフ化したものです。農林水産省統計 青果物卸売市場調査 品目別:主要卸売市場計(2023年)を参考にしています
スイカの概要
夏の風物詩の1つ「スイカ」。よく冷えたスイカの甘い果汁とシャリシャリッとした食感は、暑さで疲れた体を癒してくれます。丸い大玉スイカや小玉スイカだけでなく、ラグビーボールのような形のものや、果皮が黒い「でんすけ」、果皮が黄色い「太陽スイカ」などスイカの種類はさまざま。ディスプレイ用として三角形や四角形のユニークな形のスイカも作られています。
※農林水産省ではすいかやメロン、イチゴを「果物」ではなく、「果実的野菜」として分類していますが、ここでは果物として紹介します
スイカの歴史
スイカは紀元前5000年にはすでに南アフリカで栽培されており、3000年前のエジプトでも栽培が行われていました。10世紀には中国に伝わり、日本には16世紀後半頃に渡来したといわれています。
スイカの栄養と効能
おもな栄養成分(可食部100g中)
カリウム(120mg)、βカロテン(赤肉スイカ:830mcg)
注目成分
シトルリン
期待される効能
むくみ解消、利尿作用、高血圧予防、動脈硬化予防、脳梗塞予防、心筋梗塞予防、がん予防
すいかはカリウムやアミノ酸の一種である「シトルリン」の作用により、むくみや利尿作用に効果があるといわれます。この成分は特に皮(白い部分)に多く含まれるので皮を炒め物などにすると効果的です。カリウムには血圧の上昇を抑える働きもあるので高血圧化予防にも効果が期待できます。
また赤肉すいかの色素にはカロテノイドのβカロテンとリコピンが含まれていて、がん予防や老化を抑制する抗酸化作用があるとされます。
より詳細な栄養成分については、「栄養成分(グラフ)」もしくは「栄養成分(一覧表)」に掲載しています。
栄養成分表を見る
スイカの種類
大玉すいか
ポピュラーなスイカで、甘くてシャリっとした歯触りのよい食感が楽しめます。おもな種類としては「縞王」や「富士光」、「早生日章」、「甘泉」、「祭ばやし」などがあります。 重さは平均3~5kgで大きいものでは7~9kgにもなります。
小玉すいか
サイズが1.5~3kgと小さく冷蔵庫に入れやすいスイカです。外見や味は大玉と変わりませんが、果皮が薄いので可食部分が多く甘味もあります。おもな種類に「紅小玉」や「ひとりじめ」、「姫甘泉」などがあります。
黄色すいか
果皮が緑で果肉が黄色のスイカ。クリームスイカともいわれます。かつては甘さが控えめでしたが、最近のものは糖度が高くシャリシャリとした歯触りが楽しめます。種類としては大玉で皮が黒い「おつきさま」のほか、小玉の「おおとり」や「ひまわり」などがあります。
マダーボール
ラグビーボールのような楕円形のスイカで皮が薄く甘味があります。大きさは2~4kgの小玉です。同じような形の種類に「姫まくら」、「紅まくら」などがあり、さらに皮が黒っぽい「黒美人(はちきん)」もあります。
でんすけすいか
深緑色の表皮を持つ一風変わったスイカで、みずみずしい真っ赤な果肉はシャリッとした食感で美味。高級スイカとして贈答品にもよく利用されます。出荷時期は7月上旬~8月中旬頃。似たような黒いスイカに「ダイナマイトスイカ」もあります。
角形すいか
その変わった風貌から一躍有名になった「四角スイカ」と「三角スイカ」。四角スイカはたまにお店で見かけることがありますが、三角スイカはほとんど見かけません。もしどうしても三角スイカを見たいという方は予約したほうがよいでしょう。ただし、いずれも観賞用で味は良くないとのこと。このほかに「人面スイカ」というものもあります。
角形すいかの関連リンク
太陽すいか
果皮が黄色くて果肉が赤色という珍しいスイカです。糖度は12度くらいあり、シャリシャリして甘味もたっぷり。大きさは1玉7キロ程度の大玉です。ほかに果皮の黄色いスイカとして、小玉で楕円形の「金のたまご」や、球形の「愛娘ひなた」というスイカもあります。
入善ジャンボ西瓜
富山県の入善町(にゅうぜんまち)が生産している楕円形の巨大スイカで、重さが15~20kgほどになります。「入善すいか」や「たわらすいか」とも呼ばれ、ジューシーで歯ごたえがあり上品な甘さです。かつては「黒部すいか」と呼ばれていましたが、昭和後期に名称を変更しました。7月下旬~8月上旬がシーズンで、わらじのような「さん俵」に包まれて出荷されます。
種なしすいか
第二次大戦後の日本で開発された種のないスイカ。食べやすいのが魅力ですが、生産に手間がかかることや、通常のスイカに比べて甘味が少ないなどの理由から普及しませんでした。しかし最近になって糖度が高くておいしい種なしスイカが開発され流通しています。
各地の年間収穫量 スイカ
円グラフと下表の割合(%)が違うときは?
上の円グラフの割合(%)と下の表の割合(%)の数値が違うことがありますが、その場合は下表のほうが正しい数値です。
下の表は出典である農林水産省のデータに記されている「全国の合計値」から割合を計算したものです。
上の円グラフも農林水産省のデータですが、こちらは全国ではなく主要生産地のみのデータなので、値が公表されていない都道府県は含まれていません。
また、ページ上部の「基礎データ」にある「おもな産地」の数値は、下表の割合(シェア)を四捨五入したものです。
出典:農林水産省統計
2022年のスイカの収穫量のうち最も多いのは熊本県で、約4万8,000トンの収穫量があります。2位は約3万6,800トンの収穫量がある千葉県、3位は約3万1,400トンの収穫量がある山形県です。
栽培面積・収穫高の推移
出典:農林水産省統計
2022年のスイカの栽培面積は約8,940ヘクタール。収穫量は約31万5,900トンで、出荷量は約27万3,900トンです。
スイカの輸入先と輸入量
出典:財務省統計
スイカは4か国から輸入されています。輸入先トップはメキシコで輸入量は約281トン、全体の50%以上を占めています。2位はアメリカの約167トンで全体の30%以上を占めています。3位はオーストラリアの約63.2トン。4位は約12トンの韓国と続きます。
スイカの輸出先と輸出量
出典:財務省統計
2023年には4か国に輸出され、トップは約116トンの香港です。2位は約2.1トンの台湾、3位は約735キロのオマーンと続きます。
年別輸出入量
出典:財務省統計
スイカは輸入と輸出が行われています。2023年の輸入量は約523トンで輸入額は約1億2,999万円。輸入量は前年と比べると154トン(約23%)減少しています。また、輸出量は約120トンで輸出額は約5,238万円。輸出量は前年と比べると23.2トン(約24%)増加しています。
主要生産国(上位5か国)
出典:FAOSTAT(2021年)
スイカ生産の上位5か国は、中国、トルコ、インド、アルジェリア、ブラジルです。1位の中国の生産量は年間約6,038万6,121トンで全体の約60%を占めています。2位のトルコは年間約339万4,783トンで全体の約3%、3位のインドは年間約330万8,000トンで全体の約3%です。
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