甘酸っぱくてジューシーなすももは、初夏から夏にかけて多く出荷される果物です。すももは大きく分けて、中国原産の「日本すもも(プラム)」と、ヨーロッパコーカサス原産の「西洋すもも(プルーン)」の2つに分類され、それぞれ色や味が異なります。ちなみに、すももは英語で「プラム」、フランス語で「プルーン」といいます。
日本すももは主に生食用として栽培され、一方西洋すももは主に乾燥用やジャム、コンポートなど加工用に栽培されています。健康補助食品で有名な「ドライプルーン」は西洋すももを乾燥させたものです。
余談ですが、「李下に冠を正さず」ということわざの「李」とはすもものこと。すももの木の下で頭に手をやると果実を盗んでいるように見えるため、人に疑われるような行いはすべきではない、というたとえです。
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カスピ海沿岸のコーカサス地方で誕生した西洋すももはローマ帝国の書物にも登場しており、紀元前にはヨーロッパ各地で栽培されていたといわれます。その後、大航海時代にアメリカへ渡り、19世紀頃にはカリフォルニアで大量に西洋すもも(プルーン)が生産されるようになりました。
日本へは西洋すももではなく中国原産のすももが奈良時代に伝わったとされています。古事記や日本書紀、和歌にも登場しており、すももは日本人になじみ深い果物といえるでしょう。
すももが日本で栽培され始めたのは明治時代になってからのこと。それまでは「酸っぱい桃=酸桃(すもも)」として軽んじられていました。本格的に栽培が行われるようになったのは大正時代で、19世紀頃にアメリカに渡ったすももが品種改良されて戻ってきてからのことです。
果皮に色むらや傷がなく、張りと弾力があるものがよいといわれています。また形はきれいな円形で、持ったときに重さがあるほうがベター。果皮に白い粉(ブルーム)が付いているものは新鮮です。また、すももは食べ頃になると良い香りがするので見分ける際のポイントにしましょう。
写真は「太陽」という品種で、上はブルームが付いている状態。下はブルームをきれいに洗い落とした状態です。ブルームはおいしさを保つ働きがあるので、食べる直前に洗い落とすようにしましょう。もちろん、ブルームを口にしても全く問題はありません。
まだ熟していないすももは常温で保存し追熟させます。完熟したすももは新聞紙や紙袋に入れて冷蔵庫で保存しましょう。ただし、完熟したすももは日持ちしないので、なるべく早く(3〜5日以内)に食べるようにしてください。
主な栄養成分(可食部100g中)
すもも(プラム):葉酸(37mcg)、カリウム(150mg)
注目成分
アントシアニン、ソルビトール
主な効能
すももには葉酸が比較的多いので、貧血に悩む人や妊娠した女性におすすめです。ナトリウムを排泄するカリウムも含まれていて高血圧予防にも期待できます。
また、すももには毛細血管を強化したり、眼精疲労を回復するといわれているフラボノイド「アントシアニン」が多く含まれています。さらに糖アルコールの一種である「ソルビトール」が便の量を増やすといわれているので便秘解消にも効果が期待できます。
主な栄養成分(可食部100g中)
乾燥(ドライ)プルーン:エネルギー(235kcal)、カルシウム(39mg)、マグネシウム(40mg)、リン(45mg)、鉄(1mg)、亜鉛(0.5mg)、銅(0.3mg)、カリウム(480mg)、βカロテン当量(1100mcg)、ナイアシン(2.2g)、ビタミンB6(0.34mg)、食物繊維総量(7.2g)
主な効能
貧血予防、高血圧予防、動脈硬化予防、脳梗塞予防、心筋梗塞予防、疲労回復、便秘改善
乾燥プルーンは栄養価がとても高い健康補助食品です。マグネシウムやリンなどミネラル成分が多く含まれているだけでなく、高血圧要望に効果的なカリウムや、抗酸化作用のあるβカロテンも豊富です。さらにエネルギー代謝に必要なナイアシン、タンパク質の代謝に必要なビタミンB6なども多く含まれています。また、食物繊維も果物の中でトップクラスなので便秘改善にも役立つでしょう。
現在日本で最も栽培されているのがこの「大石早生」です。早いところでは5月下旬頃から収穫を始め、7月上旬頃に最盛期を迎えます。果肉は淡い黄色で、黄緑色の果皮は成熟にしたがって赤く染まり、完熟すると果皮全体が鮮紅色に染まります。形は円形で果重は50〜70gほど。果肉はやわらかで、食べるとジューシーでさわやかな甘酸っぱさが口の中に広がります。
大石早生に次いで日本で栽培されているのがこの「ソルダム」。果重は80〜100gと大きめで日持ちも良く、甘みと酸味がバランス良く調和された人気種です。果皮が緑色をしているため見かけはあまり良くありませんが、果肉はおいしそうな濃赤色をしています。シーズンは大石早生より約1ヶ月ほど遅い8月上旬頃からです。
すももの中でも高級品に位置づけられているのがこの「太陽」です。短楕円形の果実は100〜150gと大きく、実はやや堅くしまっていて日持ちするのが特徴。鮮紅色の果皮に乳白色の果肉を持ち、糖度は高く酸味はそれほど強くありません。濃厚な味わいで人気もあるので贈答用にもおすすめです。シーズンは8月中旬頃から。
アメリカの育種家が日本すももとアメリカすももを交雑して育成した品種で、世界中で栽培されています。卵形で果重は100g前後と大きく、果皮は鮮やかな赤に染まります。黄色の果肉はしまっていて香りもグッド。ほどよい甘さと酸味が楽しめます。シーズンは7月下旬頃からです。
果重40g程度と小ぶりな「花螺李」は、奄美大島や沖縄などで栽培されているすももです。黒紫色の果皮と果肉は一見おいしそうですが、酸味が強いので生食用ではありません。主に果実酒やシロップ漬けなどに利用されています。
「貴陽」は果重が200g前後もあり、桃のように大きいのが特徴です。果皮は紅色で果肉は淡黄色。糖度が高く適度な酸味もあり、果汁も多いので人気が高まっています。また日持ちも比較的良いので贈答品にもよいでしょう。最盛期は8月頃です。
秋田県で偶然発見された品種で1991年(平成3年)に品種登録されました。果皮は赤紫色で果肉は黄色く、サイズは200g前後と大きめ。甘酸の調和した濃厚な味わいです。晩生なので旬は9月中旬頃から。
果重100〜150gの大きめのすももで、ハート形のような扁円形をしているのが特徴です。果皮は紅紫色、果肉は淡黄色で、酸味と糖度がちょうど良くマッチしています。収穫は7月の中旬頃からですが、出荷量は少なめです。
「大石中生」と「ソルダム」を交配して山梨県で誕生し、1990年(平成2年)に品種登録されました。サイズは90g前後で果皮は赤紫色、果肉は薄い黄色です。酸味が少なく、ジューシーで香りがよく、甘みの強いすももです。収穫時期は7月上旬頃です。◆ひとり言
果重150〜200gのハート形をした大きい品種です。果皮が緑色をしているのが特徴で、果肉は黄白色をしています。流通量はそれほど多くないので、珍種として人気があります。
7月中旬頃から収穫される「ハニーローザ」。収穫時期が早い品種の中でも糖度が高いのが特徴です。果形は卵円形で果重は50g前後、果皮は淡紅色で果肉は淡黄色をしています。酸味が少なく食べやすいので現在注目されています。
親は「ソルダム」×「ケルシー」で2005年(平成17年)に品種登録されました。果皮は紅色で果肉は黄色、サイズは150g前後と比較的大きめです。果汁が豊富で甘みが強く、適度な酸味もあります。7月下旬頃から出回ります。◆ひとり言
「ソルダム」×「ブラックビュート」として山梨で生まれ、2005年(平成17年)に品種登録されました。果皮は赤紫色で果肉は淡い黄色、大きさは170g前後と大きく、果肉は緻密でやや硬めです。たっぷりの甘みと適度な酸味が楽しめます。旬は7月下旬頃から。
代表的な西洋すももには、「サンプルーン」、「シュガープルーン」、「スタンレイ」などが有名です。いずれも糖度が高く食べやすいのが特徴で、生食、乾果どちらでも食べられます。形や色は微妙に異なりますが、円形または楕円形で果皮はおおむね紫や濃い紫色。果肉は淡い黄色や黄緑色です。また「プレジデント」という大きめの品種もあります。カリフォルニア産のドライプルーンは「フレンチプルーン」といわれる「ダジャン種」がほとんどです。
2005年のすももの総作付け面積は約2,227ヘクタール(2004年は約2,348ヘクタール)。大石早生の主産地は和歌山県と山梨県。ソルダムと太陽の主産地は山梨県です。
2005年のプルーンの総作付け面積は約418ヘクタール(2004年は約503ヘクタール)で、1位のサンプルーンは長野県、2位のスタンレイは青森県で主に栽培されています。3位のシュガープルーンも長野県が主産地です。
2006年のすももの出荷量は約18,400トン。生産地は山梨県で全体の約30%を占めています。
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