西洋梨といえば「ラ・フランス」が有名ですが、最近は「ル・レクチェ」や「バートレット」などさまざまな品種が店頭に並ぶようになりました。外観はでこぼことしていて特徴的ですが、果肉はジューシーで甘くとろけるような食感をしていて、一度食べたらやみつきになるおいしさです。ただ、西洋ナシは追熟が必要なため、食べ頃を見極めるのが少し難しい面もあります。初めは失敗することもあるかもしれませんが、何度か試すとコツが分かってきますよ。
▼西洋ナシについて調べる
▼西洋ナシの種類を知る
▼西洋ナシの統計データを見る
▼西洋ナシの写真を見る
もともと温帯ヨーロッパや西アジアで原生していたといわれ、古代から栽培が行われていました。ドイツやイギリスで栽培が行われるようになったのは16世紀頃といわれています。
日本へは明治時代に伝わりましたが、栽培の難しさと見た目の悪さから定着はせず、昭和後半頃からようやく広まりました。
形の美しさはあまり味に関係ありませんが、果皮に傷があるものは腐りやすいので避けましょう。基本的に果皮が黄色みを帯びて、軸の回りを押したときにやわらかさを感じれば食べ頃。熟してくると軸も茶色くなって乾燥してきます。ル・レクチェなどの品種は熟すにつれて香りが強くなるので、この点も要チェックです。
西洋なしは、日本なしとは違い追熟させる必要があります。お店によっては完熟したものを販売している場合もあるので、念のためお店の人に確認したほうがよいでしょう。
追熟させる場合は、紙袋などに入れて15~20度前後の部屋で保存します。30度を超える場所で保存すると、追熟障害が起こるので注意してください。早く追熟させたい場合には、りんごと一緒にビニールに入れておきます。
果実の肩の部分をそっと押してやわらかさを感じれば食べ頃です。その頃には香りも出てきます。完熟したら冷蔵庫で2~3時間冷やしてから食べましょう。なお、完熟した西洋なしは傷みやすいので早めに食べきるようにしてください。
長期保存したい場合は、ビニール袋に入れて冷蔵庫に入れておきます。ただし追熟が止まってしまうので、食べる数日前には常温で追熟させるようにしてください。
イラストは西洋梨の糖度分布です。西洋梨は枝側よりもお尻(果頂部)のほうが甘い傾向にあります。食べるときはリンゴのようにカットし、枝側のほうから食べるとよいでしょう。
主な栄養成分(可食部100g中)
食物繊維(1.9g)、カリウム(140mg)
注目成分
フラバノールなど
主な効能
便秘改善、高血圧予防、動脈硬化予防、心筋梗塞予防、脳梗塞予防、利尿作用、咳止め、がん予防
日本梨と同じく、水分と食物繊維が比較的多いので便秘改善によいでしょう。カリウムも日本梨と同様に含まれているので高血圧予防に効果があります。
また、西洋なしにはフラバノールやアントシアニンなどのポリフェノールも含まれているため、がん予防にも効果が期待できます。
より詳細な栄養成分については、「栄養成分(グラフ)」もしくは「栄養成分(一覧表)」に掲載しています。
フランスが原産で1864年に発見された品種。甘味の中にほんのり酸味があり、果汁たっぷりの果肉はとろけるような口当たりです。平均サイズは200〜250g前後で、収穫は10月中旬頃から。なお熟しても果皮の色はあまり変わらず、香りもさほど強くありませんが、軸の周りの果肉に弾力が出てきます。またラ・フランスの枝変わりで果皮が茶色い「ゴールド・ラ・フランス」もあります。
「バートレット」と「フォーチュニー」を掛け合わせたフランス生まれの洋梨。熟すと果皮がきれいな黄色に染まり芳香が強まります。重さは250〜400gくらいで緻密な果肉は糖度が高く、ジューシーでなめらかな食感です。収穫時期は10月下旬頃ですが追熟に1ヶ月ほどかかるため、市場に出回るのは11月下旬頃からになります。
イギリス原産の西洋なしで、世界的にも生産量の多い品種です。缶詰用としてもよく利用されています。果重は250g前後で、甘みの中にほどよい酸味があり、ねっとりとしたなめらかな舌触りが特徴です。果皮は緑色で、熟すと黄色になります。また果皮の赤い「レッドバートレット」もあります。9月中旬頃から。
ラ・フランスの自然交雑によって山形県で誕生した品種です。平均450g前後の大玉で、大きいものだと700gを超えるものもあります。果皮は黄緑色で、完熟すると黄色みがかるのが特徴。濃厚な甘みと適度な酸味があり、豊かな風味が口の中に広がります。出回るのは11月〜12月頃です。
アメリカニューヨーク州で誕生した洋梨で、親は「マルゲリbト・マリーラ」×「バートレット」。1964年(昭和39)に「オーロラ」と命名され、日本へは1980年代に導入されました。とろけるような食感の果肉は上品な甘味で果汁も豊富。熟すと果皮が黄色くなり香りも強くなります。9月上旬に収穫される早生種です。
ほかの西洋なしに比べると果皮の茶色い果点が多いのが特徴。熟すと果皮が黄色くなり、特有の香りがします。サイズは平均500gと大きく、甘みとほのかな酸味を持ち合わせています。果肉はきめが細かく多汁でなめらかな食感。原産はフランスで「コミス」の自然交雑から誕生したといわれています。出回るのは9月下旬頃から。
フランス原産の1つ500g前後になる大玉の洋梨で、熟すと果皮全体が黄色くなり芳香が増します。とろけるような果肉は果汁が豊富でやや繊維質があり、ほのかな酸味と上品な甘みを持っています。出回り時期は早いほうで、9月中旬頃から見られます。
ベルギーで発見され、明治時代に日本に導入されたといわれている品種。日の当たった果皮が赤くなることもある大玉の洋梨です。香りがよく甘味は強めで酸味は少なめ。果汁は多いですが、少し歯ごたえのある食感です。熟すと果皮がやや黄色みを帯びてきます。収穫時期は9月下旬〜10月上旬頃。別名「日面紅(ひめんこう)」や「姫子梨」などとも呼ばれています。
150g前後の小さめの西洋なしで、主に北海道で生産されています。黄緑色の果皮は熟すと黄色みを帯びてきて、洋酒のような甘い香りも漂います。甘みと酸味のバランスもよく、果汁も豊富です。8月〜9月頃から出荷されます。アメリカ原産。
「バートレット」×「ラ・フランス」を掛け合わせた山形県生まれの洋梨で、1999年(平成11年)に品種登録されました。甘味が強く、果肉の食感はなめらかで果汁も豊富。サイズは350g前後で、熟すと果皮が黄色みを帯びます。収穫時期は10月上旬頃。
フランス原産の洋梨で、8月に出回る品種です。甘味の中にさわやかな酸味があり、クセのない味わいです。なめらかな食感の中に少し和梨のようなシャリシャリ感もあります。緑色の果皮が黄色くなってきたら食べ頃。
「ドワイエンヌ(ドワイエネ)・デュ・コミス」といい、栽培が難しく生産数が少ないため、店頭ではあまり見かけることはありません。上品でクリーミーな口溶けと絶妙な甘酸のバランス、豊かな芳香を持ちあわせていることから人気があります。19世紀にはすでに登場しており、当時のヨーロッパでは「最高の品種」と評判だったそうです。重さは300g前後で、果皮は熟すと黄色味を帯びます。10月上旬頃から。
2008年の栽培面積トップは「ラ・フランス」で、全体の約64%にあたります。2位は「バートレット」、3位は「ル・レクチェ」と続きます。ラ・フランスの主産地は山形県、バートレットは北海道、山形県、青森県、ル・レクチェは新潟県です。
2009年の洋なしの年間出荷量は約29,600トン。産地を見ると、山形県や長野県、新潟県、青森県など涼しい地域で生産されていることがわかります。
「栽培面積の推移」ボタンをクリックすると、柿の栽培面積の推移を見ることができます。また「果物統計(栽培面積比較用グラフ)」では栽培面積の推移をほかの果物と比較できます。