日本の梨には「赤梨」と「青梨」があります。赤梨は「豊水」や「幸水」など果皮が茶色いもので、青梨は「二十世紀梨」のような果皮が緑色の梨です。どちらもシャリシャリした食感がありますが、あれはペントザンやリグニンという成分からできた石細胞によるものです。また赤梨は成熟すると果皮にザラザラの斑点が目立ちますが、これは水分を果実に閉じこめておくためのコルクの役割をしています。
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梨は、日本で栽培される果物の中でも歴史が古く、弥生時代にはすでに食べられていたそうです。また日本書紀にも栽培の記述が残っており、江戸時代には品種も増加しています。現在のような甘みが強く果肉のやわらかい梨は明治以降に品種改良されたものです。
形がよく果皮に張りがあり、同じ大きさなら重みがあるもの。また、軸がしっかりとして果皮に色ムラがなく、お尻がふっくらとして広いものがよいでしょう。果皮のザラザラ感(茶色い斑点)は熟すにつれて減り、食べ頃になるとツルツルになってきます。二十世紀梨などの緑色の梨は少し黄色っぽくなれば甘みが出た証拠。幸水などの茶色い梨は適度な赤みのものを選びましょう。
水分が蒸発するとカサカサになるので、ビニール袋に入れて冷蔵庫の野菜室で保存します。新鮮で保存状態がよければ7〜10日ほどは日持ちしますが、日本の梨は基本的に追熟しないのでなるべく早く食べましょう。
イラストは梨の糖度分布です。梨は枝側よりもお尻(果頂部)のほうが甘い傾向にあります。また種に近い中心部分よりは、皮に近いほうが糖度が高くなります。
主な栄養成分(可食部100g中)
食物繊維(0.9g)、ソルビトール(0.8g)、カリウム(140mg)
注目成分
アスパラギン酸
主な効能
便秘改善、高血圧予防、動脈硬化予防、心筋梗塞予防、脳梗塞予防、利尿作用、咳止め
水分と食物繊維が比較的多く、便をやわらかくする糖アルコールの一種「ソルビトール」を含んでいるので便秘予防に効果があります。また、カリウムは高血圧予防に効果があり、梨に含まれるアミノ酸の一種の「アスパラギン酸」は利尿作用に有効です。
東洋医学では梨の絞り汁が咳止めに効果があるといわれています。
より詳細な栄養成分については、「栄養成分(グラフ)」もしくは「栄養成分(一覧表)」に掲載しています。
「菊水」と「早生幸蔵」を交配し、1959年(昭和34年)に登場した赤梨。現在では日本梨の約40%を占める代表的な品種です。果実は約 250〜300gの扁円形で、お尻の部分が大きくへこんでいるのが特徴。やわらかい果肉には果汁がたっぷり含まれ、ひと口食べると強い甘みが広がります。果皮は基本的に褐色ですが、やや黄緑がかったものもあります。出荷は8月上旬頃から。
350〜400gほどになる大きめの赤梨。幸水と並んで生産量が多く、2004年(平成16年)の統計では日本梨の約25%を占めています。1972年(昭和47年)に「菊水×八雲」×「八雲」として品種登録されましたが、その後のDNA鑑定により親子関係が誤りとされ、現在では「幸水」×「石井早生× 二十世紀」の可能性が高いといわれています。日持ちがよく、果肉はやわらかで多汁。甘みの中に適度な酸味があります。店頭に並ぶのは8月下旬頃からです。
新潟の「天の川」と高知の「今村秋」を交配し、それぞれの地名を取って1927年(昭和2年)に「新高」と命名されました。サイズは平均450〜500g 程度で、大きなものでは1kgにもなるビッグサイズの赤梨です。酸味が少なく、みずみずしく風味豊かな甘さを持ちます。特に高知など温暖な土地で栽培されたものは糖度が高いようです。店頭に並びはじめるのは9月上旬頃から。
鳥取のブランド梨としても有名な青梨の代表品種。1888年(明治21年)に千葉県で偶然発見されました。果皮はきれいな黄緑でサイズは約300g前後の中玉。多汁でシャリシャリとした果肉には甘みと酸味がバランスよく調和しています。なお「ゴールド二十世紀梨」は、病気に強い品種として二十世紀梨を改良したものです。また、「おさ二十世紀」から育成された「瑞秋」は、「二十一世紀梨」として商標登録され2005年秋から出荷されています。
円形でサイズが500g前後になる大玉の赤梨です。「二十世紀梨」の自然交雑から誕生し、1941年(昭和16年)に登録されました。果肉はやわらかくて果汁も多く、甘さの中に適度な酸味があります。収穫時期は10月中旬頃ですが貯蔵性がよいため、寒冷地では年越しまで市場に出回ります。
「越後」と「新水」を交配して誕生した赤梨で、1990年(平成2年)に品種登録されました。果肉は比較的やわららかく、とても甘いのが特徴です。大きさは豊水と同じぐらいですが、中には500gを超えるものもあります。日持ちもよいので贈答品としても人気です。出荷は9月下旬から。◆ひとり言
1895年(明治28年)頃に神奈川の梨園で発見され、その屋号からこの名前がつけられました。かつては赤梨の代表として食卓を飾りましたが、現在ではそれほど多く生産されていません。大きさは約250〜300gで果肉はややかため、酸味は少なくほどよい甘さです。シーズンは9月中旬頃。◆ひとり言
2001年(平成13年)に登録された新しい品種で、「新高×豊水」×「幸水」という主要品種3つの優れたところを併せ持っています。果実は約500g前後とやや大きめで、果肉は緻密で糖度が高く、果汁も豊富。この優れた味わいから現在人気上昇中です。店頭に並ぶのは9月下旬頃から。◆ひとり言
平均1kgにもなる大きな梨で、11月下旬頃から店頭に並ぶ晩生種です。「二十世紀梨」×「今村秋」が親とされていますが、正確な来歴は不明です。果肉は柔らかめで、甘みと酸味が調和し瑞々しい食感が味わえます。◆ひとり言
7月下旬〜8月中旬に成熟し、梨のシーズン到来を感じさせてくれる品種です。親は「菊水」×「君塚早生」で1965年(昭和40年)に登録されました。サイズは250g前後とやや小ぶりで、酸味はやや強めですが、甘みもありコクのある味わいです。
甘くて大きな「新高」と人気種「豊水」を掛け合わせて栃木県で生まれた赤梨です。1996年(平成8年)に品種登録されました。平均果重が約800gにもなる大玉で、酸味は少なく糖度が高めで果汁も豊富です。10月下旬頃から出回る晩生種で、年が明けても店頭で見られます。◆ひとり言
約400〜500gになる大玉の赤梨で、果実がややデコボコとしているのが特徴です。果肉はジューシーでやわらかく、さわやかな甘みとほのかな酸味があります。出回るのは10月下旬から3月頃まで。なお、誕生の由来は不明ですが、明治時代中頃には新潟で栽培されていたようです。◆ひとり言
大玉で香りがよく、さわやかな甘みの青梨です。親は「新興」×「幸水」で、1953年(昭和28年)に神奈川県平塚市で「平塚16号」として育成されましたが、日持ちの悪さや樹勢の弱さなどにより、品種登録はされませんでした。しかし食味のよさから、今でも生産数は少ないですが栽培が続けられています。◆ひとり言
日本梨の作付面積トップは「幸水」。2位は「豊水」、3位は「二十世紀」になります。幸水と豊水は千葉県、茨城県、福島県が主産地。二十世紀は鳥取県が主産地です。
日本梨は海外に輸出されています。貿易相手国上位は香港、台湾、アメリカ。そのほかにカナダ、シンガポール、タイ、中国(本国)、ロシア、アラブ首長国連邦などにも輸出されています。総輸出量は約1,500トン。輸出額は約6億7000万円です。
グラフにマウスカーソルを合わせると値が表示されます。棒グラフと折れ線グラフを比較しやすくするため、輸入量を「千トン」単位に設定しているのでご注意ください。12.2千トンは1万2200トンです。
2007年の年間出荷量はトータルで約272,300トン。主な産地は千葉県、茨城県、鳥取県などです。
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※これらの写真は撮影場所が違うため品種が異なる場合があります