柿には「甘柿」と「渋柿」がありますが、これらの違いは渋み成分「タンニン」が口の中で溶けるかどうかできまります。溶けると渋くなり、溶けなければ甘くなります。幼果期はどちらも渋みが溶ける「可溶性」タンニンを含みますが、甘柿は成長過程でタンニンが「不溶性」に変化して口の中で溶けなくなり、渋みを感じなくなるのです。
渋柿が甘くなるのは、アルコールや炭酸ガスを使って処理することで、タンニンを可溶性から不溶性に変化させているからです。なお干し柿にすると、渋みは自然に抜けます。
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もともとは中国が原産で、国内では「古事記」や「日本書紀」に柿の名前が記されていることから奈良時代には登場していたとされます。現在のような柿が日本で栽培されるようになったのは明治時代からです。
干し柿は、平安時代にはすでに作られていたようです。その記録は平安時代の法典「 延喜式(えんぎしき:927年) 」に残されています。
ちなみに、干し柿の出荷量トップ3は、1位 福島県、2位 長野県、3位 山梨県です。
へたの形がきれいで、へたが果実に張りつき果実との間に隙間がないものが良い柿です。隙間があると虫が入り込んでいる可能性があります。また果皮がしっとりして色味が均一で赤みがあり、大きくて重みがあるものを選びましょう。
ビニール袋に入れて冷蔵庫の野菜室で保存すれば1週間ほど持ちますが、常温だと2日ほどでやわらかくなります。柿は追熟しないので、購入したら早めに食べましょう。やわらかくなりすぎた柿は冷凍するとシャーベットとして楽しめます。
主な栄養成分(可食部100g中)
ビタミンC(70mg)、βカロテン当量(420mcg)、カリウム(170mg)
注目成分
タンニン
主な効能
風邪予防、美肌効果、高血圧予防、動脈硬化、脳梗塞、心筋梗塞、がん予防、二日酔い改善
柿に含まれるビタミンCの量は、日本人がよく食べる果物の中でトップクラス。風邪予防や美肌効果に期待できます。また柿のオレンジ色には、抗酸化作用のあるβカロテンのほか、同じカロテノイドの一種「βクリプトキサンチン」が多く含まれていて発がん抑制作用があるといわれています。
渋み成分のタンニンにはアルコールを分解する作用があり、さらに利尿作用のあるカリウム、酸化還元作用のあるビタミンCの相乗効果で二日酔いにも効果があります。
なお、タンニンは血圧の上昇を抑える効果もありますが、一方で鉄分の吸収は妨げられてしまうため貧血気味の人は過剰摂取を控えましょう。
完全甘柿の代表品種で、生産量は市場の半数以上を占めます。原産は岐阜県で、1857年から栽培されている歴史の長い柿です。形はふっくらと丸みがあり、果皮はオレンジ色。果肉はやわらかくて果汁も多く、甘みが強いのが特徴です。日持ちは良く10月下旬頃から出回ります。
「種なし柿」としてよく出回っている品種で「庄内柿」や「おけさ柿」とも呼ばれます。不完全渋柿ですが、出荷時に渋抜きを行うことで甘くなります。果汁が多くてやわらかく、甘くてまろやかな口当たりが人気。形は四角張った扁平で重さは200〜250gくらい。10月中旬〜11月頃に出回ります。
「平核無」の枝変わりで1980年(昭和55年)に登録された渋柿で、外観は平核無と変わりません。渋抜き後はまったりとした甘さがあり、食味は良好。ほかの柿に比べて出荷が早く9月下旬頃から店頭に並びます。また、ハウス栽培のものは7月から出荷されます。
完全甘柿の「富有」の枝変わり種で、1935年(昭和10年)頃に京都の松本氏が発見・育成したことから「松本早生(まつもとわせ)」と名付けられました。熟期は富有より早く、10月中旬頃から出荷されます。サイズは250前後で味は富有と似ていて甘みが多く、果肉もやわらかめです。
釣り鐘の形をした大きめの不完全渋柿で、大きいものだと500g以上になります。主に山梨や福島で栽培されていて、渋抜きをして生食するほか、あんぽ柿や枯露(ころ)柿にも利用されます。「富士柿」や「蜂屋(はちや)柿」とも呼ばれています。◆ひとり言
外観が「富有」に似ていますが、甘みは富有に比べて控えめで果肉もかためです。不完全甘柿なので、渋が抜けていないものは、渋抜きをしてから出荷されます。果肉にゴマ(黒い斑点)が入ると甘くなった証拠。果重は200〜300gくらいで9月中旬から市場に並びます。滋賀県大津市の西村氏の柿園で偶然発見され、1960年(昭和35年)に登録されました。◆ひとり言
背が低く四角張った円形をした完全甘柿。静岡原産で1844年頃(江戸時代)から栽培されています。「富有」に次いで人気のある柿で、大きさは250〜300g程度。種はほどんどなく、果実はややかためで甘く歯触りの良い食感です。収穫時期は10月下旬頃から。次郎よりも早く成熟する「早生次郎」もあります。
西条柿は広島が原産で、13世紀頃にはすでに栽培されていたといわれている歴史の長い渋柿です。渋抜きしたものは上品な甘みがあり、時間が経つごとにやわらかくなります。ただし、日持ちはあまりよくないので早めに食べきりましょう。形状は縦長で100〜150g程度。干し柿にしてもおいしく仕上がります。10月上旬頃から。
釣り鐘のように縦長で先が細くなっている渋柿。愛媛原産で、1910年(明治43年)にはすでに栽培されていて、現在では愛媛や徳島、岡山などで生産されています。果重は200〜250gと平均的なサイズ。ほどよい甘さでパリッとした食感です。10月中旬頃に収穫されますが、渋抜きに1ヶ月ほどかかるため、市場に出回るのは11月頃からになります。◆ひとり言
「富有」×「IIiG−16」として誕生し1994年(平成6年)に登録された完全甘柿です。平均350〜400g前後で、10月中旬頃から収穫されます。果汁が多く、それでいてサクサクとした独特の歯ごたえがあり、甘みも強いことから人気を集めています。果皮に黒い条紋(横筋)が入っているものが糖度が高いといわれます。◆ひとり言
愛知原産の柿で、果形が筆の先の部分に似ていることからこの名前で呼ばれるようになりました。不完全甘柿のため甘みが出ると果肉にゴマ(黒い斑点)が入ります。大きさは80〜130gくらいと小ぶりで種があり、やさしい甘みがあります。時期は9月中旬頃から。◆ひとり言
11月下旬頃から収穫される晩生の甘柿で、主に鳥取で生産されています。ふっくらと丸みのある形で、見た目は富有に似ています。果肉が緻密で果汁も多く、甘みが強いのが特徴。中には糖度が20度を超えるものもあります。明治時代にはすでに栽培が行われていたようです。
1位の富有は福岡県、岐阜県、奈良県が主産地。2位の平核無は山形県、和歌山県、新潟県が主産地です。
※2006年以降は農林水産省の調査の簡略化に伴い、「富有」「平核無」「刀根早生」「次郎」の4品種の結果樹面積しか公表されていません。またデータの参照元を変更したため、富有や次郎の栽培面積に大きなずれが生じています。
輸出先はタイ、香港、台湾などアジアが中心で、その他としてロシア、オマーンなどにも輸出されています。貿易額はタイが約1億1400万円、香港が約3,700万円、台湾が約1,800万円です。
グラフにマウスカーソルを合わせると値が表示されます。棒グラフと折れ線グラフを比較しやすくするため、輸入量を「百トン」単位に設定しているのでご注意ください。44百トンは4,400トンです。
柿の年間出荷量はトータルで約186,700トン(2006年)。主な産地は和歌山県や奈良県、岐阜県などです。
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