温州ミカン(みかん) 紀のゆらら(YN26)
登録日:2023年10月15日
少し前になりますが、「紀のゆらら」という温州みかんを食べました。名前に「紀」とあるように、和歌山県で育成されたもので、9月から出回る極早生みかんです。この紀のゆららという名前は県によって登録された商標名で、正式な品種名は「YN26」といいます。
YN26は、親の組み合わせが「ゆら早生」と「紅まどか」で、品種登録されたのが2012年(平成24年)。母親のゆら早生は食味に定評のある極早生みかんで、父親である紅まどかは文旦の一種になります(紅まどかの写真はこちら)。
母親のゆら早生は収穫期が10月上旬と早いのですが、YN26はそれよりも早い9月中旬頃から収穫が可能。一般的に極早生種は糖度がそれほど高くなかったり、酸味がやや強かったりすることがありますが、YN26は果皮に緑色が残っていても減酸が早く、糖度も高いのが特徴となっています。そして果皮の着色もゆら早生に比べて早く、緑色の割合が少ないそうです。
さて今回入手した紀のゆららは、全体が黄色いものと緑色が多めのものが混ざっていました。重さは50~60gと小ぶりで、皮と実がくっつきがちでしたが皮は比較的むきやすく、じょうのう膜も薄くて口当たり良好です。
実際に食べてみると糖度は16度以上あり、強い甘味とほどよい酸味とが調和していて絶妙な甘酸っぱさ。果皮が緑色のものも見た目とうらはらに甘味がしっかりとあり、果汁も豊富でとてもおいしい極早生みかんでした。
なお、紀のゆららという名前は、和歌山県内において一定の基準をクリアすると使用できるとのこと。確かにYN26という名前だと素っ気ないですし、このネーミングのほうが覚えやすいですね。生産者によってはYN26を「ゆらのさきがけ」や「由良子(ゆらこ)」などの名前で出荷しているところもあります。
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