香酸柑橘 大和橘(やまとたちばな)

登録日:2023年12月31日

大和橘(やまとたちばな)

大和橘(やまとたちばな)

これは奈良県産の「大和橘」という香酸柑橘です。橘は青果売り場ではほとんど見かけませんが、古くから日本に自生していて、「古事記」や「日本書紀」に登場するほか、500円硬貨にも描かれています(「500」の数字の左右に果実と葉が刻まれています)。

大和橘(やまとたちばな)

橘の果実は直径3~4cmほどと小さく、果皮はみかんのようなオレンジ色。酸味が強くて香りがよいため、そのまま食べるのではなく、柚子やすだちなどのように果汁を絞ってシロップや料理の香りづけに使用したり、砂糖を加えてジャムに加工したりします。

大和橘(やまとたちばな)

とはいえ橘の生産量はかなり少なく、準絶滅危惧種に指定されているほど。そこでこの橘を出荷している、なら橘プロジェクトでは、植樹や育成、収穫した果実を商品化するなど、橘を広めるための活動をしているとのことです。商品はポン酢や飴、シロップ、せっけんなどさまざまなものに加工されています。

大和橘(やまとたちばな)

今回購入した大和橘は直径3.5cmで、みかんをうんと小さくしたようなかわいらしい姿をしていました。ちなみに鏡餅には「橙(だいだい)」をのせるのが定番ですが、ずっと昔は橘だったのだとか。試しに小さな鏡餅にのせてみると、ちょうどよいサイズでした。

大和橘(やまとたちばな)

そして味のほうですが、香りはみかんに近い感じで、果汁はレモンとみかんを合わせたようなさわやかでフルーティーな甘酸っぱさ。絞った果汁を水と砂糖で割ってジュースにしてみたところ、みかん風味のレモネードといった感じです。ただ、果実が1つ10gほどの超ミニサイズなので、4個だけだと小さめのコップ1杯分にもならず……(写真は原液)。でも橘ドリンクを味わう機会はなかなかないので貴重な体験ができました。

なお、橘は「シークヮーサー」と同じ親のルーツを持つことが最近の研究によって判明しています。なるほど確かにシークヮーサーとも見た目も味も似ていました。

過去のブログを見る