サクランボ(桜桃) 紅きらり
登録日:2025年7月12日
これは山形県産の「紅きらり」というさくらんぼです。あまり見かけない品種ですが、山梨県や北海道などでも栽培されていて、2021年度の作付面積では15位に入っています。ただ、さくらんぼの場合「佐藤錦」と「紅秀峰」がシェアの大半を占めているので、15位といっても割合としては1%もありませんが……。
紅きらりの大きな特徴は自家和合性であるということ。さくらんぼは基本的に自分の花粉では受精できないため、他品種の花粉を受粉させる必要がありますが、紅きらりは自家和合性を持つので、自分自身の花粉で結実させることが可能です。
育成したのは山形県農業総合研究センター農業生産技術試験場で、2008年(平成20年)に山形県によって品種登録されました。交配親は「レーニア」と「コンパクトステラ」で、母親のレーニアは佐藤錦に似た大粒のアメリカンチェリー。そして父親のコンパクトステラは、世界初の自家和合性としてカナダで誕生した「ステラ」のコンパクト版だそうです。
紅きらりの果実は心臓形をしていて、サイズは9g前後と大きめ。果皮は鮮やかな赤色に染まり、果肉のかたさは中程度で果汁が豊富です。また酸味が少なくて甘味があり、日持ち性は佐藤錦と同程度とされています。
さて、今回購入した紅きらりは特徴通りのハート形で、重さも1粒9g前後でした。また明るい赤色の果皮はつやつやとしていて張りも感じます。さっそく冷やして食べてみたところ、甘味と酸味のバランスが絶妙で瞬間的に濃厚な味が舌に広がりました。プリッとした果肉は果汁が豊富でとても美味。以前にも食べたことがありますが、今回の紅きらりのほうが数段おいしかったです。