カキ(柿) 錦繍(きんしゅう
登録日:2025年11月30日
これは「錦繍(きんしゅう)」という柿です。初めて見る品種なので調べてみたところ、品種登録されたのは1995年(平成7年)。誕生から30年も経っていますが、ほとんど流通しないレア品種のようです。特性を見てみると、なるほどそれもそのはずで、錦繍は果実ではなく「葉」の利用に適した品種なのだそう。
柿は秋になると葉が紅葉して黄色やオレンジ、赤色に染まり、これらは日本料理の彩りとしても利用されています。しかし品種や気候などによっては色味にバラつきがあるため、安定供給はなかなか難しいのだとか。その点、錦繍は鮮やかな赤色で着色のそろいがよく、落葉の時期も早いなど、彩り向けに適しているとのことです。
一方、果実はというと、残念ながら商業生産向きではありません。完全甘柿ではあるものの生理落下が多く、さらには果実の裂果も多いことから、葉を利用するための品種として登録されたようです。
そんな錦繍ですが、たまたま立ち寄った直売所に果実が持ち込まれていたので入手することができました。果実はやや腰高で丸みがあり、ヘタの周辺が巾着をキュッと絞ったような個性的な外観。重さは280~300gくらいで、さわると果肉にかたさを感じます。
食べてみるとカリっサクっとした歯ごたえで、糖度は16~18度ほどとほどよい甘さがあり、果汁の量はやや多めといった感じ。飾り葉のための品種なので味は期待していなかったのですが、普通に甘柿としておいしく食べることができました。ちなみに葉っぱのほうは売っておらず未確認です。
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