蓬莱柿 イチジク
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基礎データ DATA
- 生い立ち:江戸時代に伝来
蓬莱柿の特徴
「蓬莱柿(ほうらいし)」は江戸時代に中国から長崎に伝わったとされるいちじくです。江戸時代には薬用植物として利用されていて、外国の柿のような果実ということから「蓬莱柿」や「南蛮柿(なんばんがき)」「唐柿(とうがき)」などと呼ばれていました。日本での歴史が長いことから、今では「在来種」や「日本いちじく」とも呼ばれます。
蓬莱柿の平均サイズは60~100gくらいとやや小さめ。果皮は黄緑がかった褐色~赤紫色です。甘味の中にほどよい酸味があり、プチプチとした食感とねっとりとしたいちじく特有の口当たりが楽しめます。
完熟すると甘味が増しますが、同時にお尻の部分が星型に割れるため輸送にはあまり向いていません。蓬莱柿はおもに関西以西で栽培されていて、味はよいけれど日持ちしないため、東日本への出荷量はわずかとなっています。
現在、いちじくのシェアの多くは、お尻が割れにくい「桝井ドーフィン」という品種ですが、蓬莱柿も西日本を中心に親しまれており、長年栽培が続けられています。
ちなみに、いちじくの商業栽培が始まったのは大正時代以降ですが、貯蔵性や輸送性の問題から当初はあまり普及せず、長い間、庭に植えて楽しむことが多かったようです。
蓬莱柿の選び方(見分け方)
果皮にハリがあり、なるべく全体が赤褐色に染まっているものがよいでしょう。皮の色は少し薄めでも甘味はありますが、濃いほうがより甘味が強いようです。
蓬莱柿は完熟するとお尻が十字に割れますが、大きく裂けているものは熟し過ぎなので、少し割れているくらいのものがおすすめです。
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蓬莱柿の保存方法
乾燥しないようにポリ袋に入れるかラップをして冷蔵庫で保存し、2~3日で食べきりましょう。特にお尻が大きく割れたものは早く食べるようにしてください。長期保存したい場合は、丸ごと冷凍しておくと2~3週間くらい持ちます。
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蓬莱柿の食べ方
生食する場合は、へたの部分からお尻に向かって皮をむいて食べるとよいでしょう。また、半分にカットしてスプーンで果肉をすくって食べるという方法もあります。果皮が気にならなければ皮ごと食べても大丈夫です。
冷凍したものは流水をかけると皮がむけるので、シャーベットにしたり、ジャムなどに使用できます。果実が少しかためのものは、甘露煮やワイン煮などに加工してもよいでしょう
多伎いちじく(蓬莱柿)
島根県の出雲市多伎町(たきちょう)では、蓬莱柿を特産品として生産しています。多伎町の蓬莱柿は、実は小ぶりですが甘味が強いのが特徴。「多伎いちじく」という名前で出荷され、生果はもちろんジャムや干しいちじく、ゼリーなどの加工品にも利用されています。
蓬莱柿の旬(出回り時期)
蓬莱柿がおいしい時期は8月頃から10月頃です。