ブルーベリー Blueberry
基礎データ DATA
ブルーベリーの概要
小さな粒の中に甘酸っぱさが詰まった「ブルーベリー」。ケーキやジャムなどの材料としても人気のある果実です。
またブルーベリーは栽培がしやすいので、園芸用の小果樹としてもおすすめです。労力をそれほど必要としない手軽さと、北海道や本州全域で育つ幅広い適応力、そしてしっかり管理すれば農薬を使わずに栽培できる点が大きな魅力。小さくてかわいらしい果実はおいしくて栄養価が高く、しかも秋には紅葉も楽しめるので、まさに「手軽」「おいしい」「美しい」の3拍子が揃った果樹といえるでしょう。
なお、ブルーベリーには大きく分けておもに寒冷地向きの「ハイブッシュ系」、おもに暖地向きの「ラビットアイ系」、荒れ地に自生する「ローブッシュ系」の3つの系統があります。日本ではハイブッシュ系とラビットアイ系が主流で、ローブッシュ系はほとんど栽培されていません。
ブルーベリーの歴史
北米原産のブルーベリーはアメリカ先住民にとって重要な果物でしたが、大規模な栽培は行われていませんでした。本格的な栽培が始まったのは1920年頃といわれています。
日本に入ってきたのは1951年(昭和26年)。しかも、民間で栽培が始まったのは1976年(昭和51年)頃です。新しく登場したブルーベリーの健康機能性に注目が集まり、作付け面積はますます拡大。ガーデニングブームの追い風もあって今ではすっかり日本でも定着しています。
ブルーベリーの栄養と効能
おもな栄養成分(可食部100g中)
ビタミンE(1.7mg)、食物繊維総量(3.3g)
注目成分
アントシアニン
期待される効能
ブルーベリーに多く含まれているビタミンEは、血液の循環をよくしてサラサラにする働きがあるといわれているので、高血圧予防や動脈硬化予防に効果があるとされています。
豊富に含まれているアントシアニンは、眼精疲労の改善に効果が期待できるほか、活性酸素を取り除く抗酸化作用があり、がん予防にも有効といわれています。
ちなみにサプリメントの原料としてよく使われているのは「ビルベリー」という種類。ビルベリーはアントシアニンの含有量がとても多いのですが、厳密に分類するとブルーベリーではありません。
ブルーベリーには食物繊維も多く含まれ、便秘改善にも効果が期待できます。
より詳細な栄養成分については、「栄養成分(グラフ)」もしくは「栄養成分(一覧表)」に掲載しています。
栄養成分表を見る
ブルーベリーの種類
ハイブッシュ系
アメリカ北東部に自生していたハイブッシュ系は、1906年にアメリカの試験場に植えられ、その2年後から品種改良が行われています。果実は大きめで品質は良好。寒冷地向きの品種なので、関東から北の地方で栽培されています。おもな品種に「ブルークロップ」や「バークレイ」、「コリンズ」などがあります。
ラビットアイ系
アメリカ南部に自生していた野生種を改良したもので、アメリカでは1925年頃から本格的な研究が行われています。果実の品質は優れていますが、サイズはハイブッシュ系よりもやや小さめ。おもに関東から南の地方で栽培されています。「ウッダート」や「ティフブルー」、「ブライトウェル」などの品種があります。
ローブッシュ系
アメリカ北部やカナダ、北欧など寒冷地に自生する品種。果実は風味がありますが、生食よりもジャムやジュース、サプリメントの原料などの加工用として使われています。日本ではほとんど栽培されていませんが、おもな品種に「チグネクト」があります。
ローブッシュ系の関連リンク
各地の年間収穫量 ブルーベリー
円グラフと下表の割合(%)が違うときは?
上の円グラフの割合(%)と下の表の割合(%)の数値が違うことがありますが、その場合は下表のほうが正しい数値です。
下の表は出典である農林水産省のデータに記されている「全国の合計値」から割合を計算したものです。
上の円グラフも農林水産省のデータですが、こちらは全国ではなく主要生産地のみのデータなので、値が公表されていない都道府県は含まれていません。
また、ページ上部の「基礎データ」にある「おもな産地」の数値は、下表の割合(シェア)を四捨五入したものです。
出典:農林水産省統計
2021年のブルーベリーの収穫量のうち最も多いのは東京都で、約334トンの収穫量があります。2位は約256トンの収穫量がある長野県、3位は約231トンの収穫量がある群馬県です。
栽培面積・収穫高の推移
出典:農林水産省統計
2021年のブルーベリーの栽培面積は約1,006ヘクタール。収穫量は約2,244トンで、出荷量は約1,709トンです。
ブルーベリーの輸入先と輸入量
出典:財務省統計
ブルーベリーは5か国から輸入されています。輸入先トップはメキシコで輸入量は約1,021トン、全体の60%近くを占めています。2位はアメリカの約481トンで全体の20%以上を占めています。3位はチリの約248トン。4位は約20.3トンのカナダと続きます。
ブルーベリーの輸出先と輸出量
出典:財務省統計
日本産のブルーベリーはすべて台湾へ輸出されています(台湾以外に統計データがありません)。輸出量は約2.4トンで、輸出額は約944万円。1キログラム当たりの単価は約3,981円です。
年別輸出入量
出典:財務省統計
ブルーベリーは輸入と輸出が行われています。2022年の輸入量は約1,771トンで輸入額は約28億5,022万円。輸入量は前年と比べると467トン(約21%)減少しています。また、輸出量は約2.4トンで輸出額は約944万円。輸出量は前年と比べると1.7トン(約279%)増加しています。
主要生産国(上位5か国)
出典:FAOSTAT(2021年)
ブルーベリー生産の上位5か国は、アメリカ、ペルー、カナダ、チリ、メキシコです。1位のアメリカの生産量は年間約35万1,130トンで全体の約32%を占めています。2位のペルーは年間約22万7,971トンで全体の約20%、3位のカナダは年間約14万6,551トンで全体の約13%です。
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