グアバ 蕃石榴 Guava
基礎データ DATA
グアバの概要
世界に160種以上の品種があるといわれているグアバ。丸形や卵形、洋梨形などがあり、大きさも3~10cmとさまざまです。果肉の色も赤やピンク、白、黄などがあり、味も甘酸っぱいものや酸味が強いもの、味の薄いもの、苦みのあるものなどいろいろとあります。
香りがよくゼリーやジュース、お菓子、お茶(葉)などに利用されることの多いグアバですが、熟した果肉はそのまま食べることができます。ただ、小さい種がたくさん入っているので食べにくいと感じる人も多いようです。そんなときは裏ごしして種を除き、ゼリーやジュース、シャーベットなどにするとよいでしょう。
グアバの歴史
グアバの原産地である熱帯アメリカでは紀元前から先住民族に食されていたようです。16~17世紀に東南アジアに伝わり、現在はおもに東南アジア、ハワイ、地中海沿岸で栽培されていて、日本で栽培され始めたのは大正時代初期といわれていますが、生産量は多くありません。
グアバの栄養と効能
期待される効能
風邪予防、美肌効果、がん予防、貧血予防、高血圧予防、動脈硬化予防、脳梗塞予防、心筋梗塞予防
グアバは風邪予防や美肌効果のあるビタミンCが多く、またカリウムも豊富に含まれるので高血圧や動脈硬化などの予防効果が期待できるでしょう。赤肉種は抗酸化作用があるとされる「βカロテン」を含むので、老化抑制やがん予防に効果が期待できます。
グアバの葉を使ったグアバ茶がありますが、グアバの葉には「タンニン」や「ケルセチン」などのポリフェノールが含まれていて、血糖値の上昇を防ぐ効果があるといわれています。
より詳細な栄養成分については、「栄養成分(グラフ)」もしくは「栄養成分(一覧表)」に掲載しています。
栄養成分表を見る
グアバの種類
グアバ(バンジロウ)
果皮が緑色から黄色で、果肉は赤肉と白肉があります。サクサクとした食感で香りがよく、ほのかな甘味と酸味でさわやかさを感じられます。皮をむいて適当なサイズにカットして食べるとよいでしょう。
ストロベリーグアバ
「テリハバンジロウ」ともいい、果皮、果肉とも赤くなります。グアバとは別の種類ですが、一般的にはグアバの仲間とされます。果実は卵形で大きさは2~5cm程度。甘酸っぱく、熟すといちごのような甘い香りがします。
イエローストロベリーグアバ
「キミノバンジロウ」ともいい、果皮、果肉とも黄色で熟すといちごのような甘い香りがします。「ストロベリーグアバ」の変種といわれていて、果肉はトロリとしていてほどよい甘味と酸味があります。果実は2~5cm程度の卵形です。
フェイジョア
フトモモ科フェイジョア属の果実で、サイズは3~10cmくらい。果皮は緑で果肉は中心部が半透明のゼリー状になっていて小さな種があります。収穫後しばらく追熟してやわらかくなったら食べ頃。パイナップルやイチゴ、りんごをあわせたような香りと風味を持ちます。
各地の年間収穫量 グアバ
円グラフと下表の割合(%)が違うときは?
上の円グラフの割合(%)と下の表の割合(%)の数値が違うことがありますが、その場合は下表のほうが正しい数値です。
下の表は出典である農林水産省のデータに記されている「全国の合計値」から割合を計算したものです。
上の円グラフも農林水産省のデータですが、こちらは全国ではなく主要生産地のみのデータなので、値が公表されていない都道府県は含まれていません。
また、ページ上部の「基礎データ」にある「おもな産地」の数値は、下表の割合(シェア)を四捨五入したものです。
出典:農林水産省統計
グアバはおもに沖縄県と高知県で栽培されています。沖縄県の収穫量は約16トンで、全体の80%以上を占めています。高知県の収穫量は約3トンで、全体の約15%程度です。
栽培面積・収穫高の推移
出典:農林水産省統計
2021年のグアバの栽培面積は約2ヘクタール。収穫量は約19トンで、出荷量は約19トンです。
主要生産国(上位5か国)
出典:FAOSTAT(2021年)
マンゴー&マンゴスチン&グアバ生産の上位5か国は、インド、中国、インドネシア、パキスタン、メキシコです。1位のインドの生産量は年間約2,496万8,000トンで全体の約44%を占めています。2位の中国は年間約379万トンで全体の約7%、3位のインドネシアは年間約356万1,867トンで全体の約6%です。
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