ネクタリン Nectarine
基礎データ DATA
ネクタリンの概要
ネクタリンは桃の仲間です。桃はうぶ毛の有無によって大別され、果皮にうぶ毛があるものは「桃」、うぶ毛がないものは「ネクタリン」に分けられます。
ネクタリンは果皮が赤くツルツルとしていて、果肉は基本的に黄色。肉質はしまっていて、甘味が強く、酸味も普通の桃に比べると多めです。熟すとジューシーで甘酸っぱく濃厚な味わいになります。
また、桃は種が果肉にくっついて取れにくいですが、ネクタリンは種が取れやすいという特徴があります(※一部取れにくい品種もあります)。別名「油桃(ユトウ・アブラモモ)」や「ズバイモモ」「ツバキモモ」とも呼ばれているそうです。
ネクタリンの歴史
桃は中国が原産で紀元前から食べられていました。ネクタリンは桃の変種とされていて、中央アジアのトルキスタン地方で6~7世紀に誕生したといわれています。ネクタリンが日本に導入されたのは明治時代ですが、それよりもずっと古くに中国から小さくて酸っぱい「無毛桃」というものが伝わっていたそうです。
ちなみに、現在でも生産量が多い「ファンタジア」や「フレーバートップ」といった品種は、昭和40年代にアメリカから導入したものです。
ネクタリンの栄養と効能
おもな栄養成分(可食部100g中)
食物繊維総量(1.7g)、カリウム(210mg)、ナイアシン(0.7mg)
期待される効能
便秘改善、美容効果、高血圧予防、動脈硬化予防、脳梗塞予防、心筋梗塞予防、冷え性改善、二日酔い予防、がん予防、老化抑制
ネクタリンには整腸作用のある食物繊維が比較的多く含まれているので、便秘改善に効果が期待できます。お通じをよくすることで肌荒れなどの予防にもなるでしょう。
カリウムは血圧を下げる効果があるので、高血圧や動脈硬化などの予防にも期待できます。また冷え性や二日酔い予防によいとされるナイアシンも比較的多く含まれています。
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ネクタリンの種類
ファンタジア
アメリカで育成された品種で、親は「ゴールドキング」と「レッドキング」。1969年(昭和44年)に発表され、翌年に日本に導入しました。果汁が多く、甘味と酸味が適和していて濃厚な風味が楽しめます。サイズは250gくらい。肉質がしっかりしていて日持ちがよいほうです。
秀峰(しゅうほう)
主要品種の1つ「秀峰(しゅうほう)」は長野県で誕生しました。250g前後と大きめで、甘味と酸味のバランスがよく、果汁も多く食味がよい品種です。晩生種なので9月中旬頃まで出回ります。
フレーバートップ
アメリカで育成され1969年(昭和44年)に発表された品種です。日本へは1970年(昭和45年)に導入されました。果重は250~300gくらいで香りがよく、甘味、酸味とも多めで濃厚な味わい。肉質は緻密でややかためながら、果汁が多くなめらかな口当たりです。
各地の年間収穫量 ネクタリン
円グラフと下表の割合(%)が違うときは?
上の円グラフの割合(%)と下の表の割合(%)の数値が違うことがありますが、その場合は下表のほうが正しい数値です。
下の表は出典である農林水産省のデータに記されている「全国の合計値」から割合を計算したものです。
上の円グラフも農林水産省のデータですが、こちらは全国ではなく主要生産地のみのデータなので、値が公表されていない都道府県は含まれていません。
また、ページ上部の「基礎データ」にある「おもな産地」の数値は、下表の割合(シェア)を四捨五入したものです。
出典:農林水産省統計
2021年のネクタリンの収穫量のうち最も多いのは長野県で、約603トンの収穫量があります。2位は約237トンの収穫量がある福島県、3位は約216トンの収穫量がある山梨県です。
栽培面積・収穫高の推移
出典:農林水産省統計
2021年のネクタリンの栽培面積は約127ヘクタール。収穫量は約1,134トンで、出荷量は約1,046トンです。
品種ごとの作付面積
出典:農林水産省統計
2021年のネクタリンの作付面積は、1位は秀峰で約24.2ヘクタール。全体の約22%を占めています。2位はファンタジアで約18.7ヘクタール。3位はメイグランド、4位はハルコとなっています。
主要生産国(上位5か国)
出典:FAOSTAT(2021年)
桃&ネクタリン生産の上位5か国は、中国、イタリア、トルコ、ギリシャ、スペインです。1位の中国の生産量は年間約1,680万トンで全体の約64%を占めています。2位のイタリアは年間約115万1,490トンで全体の約4%、3位のトルコは年間約100万8,185トンで全体の約4%です。
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