桃薫 イチゴ
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基礎データ DATA
- 親の組み合わせ:「K58N7-21」×「久留米IH1号」
- 品種登録年:2011年(平成23年)
桃薫の特徴
「桃薫(とうくん)」は、果皮が白っぽいピンク色で、「桃」に似た香りを持つ特徴的ないちごです。熟しても果皮は薄い桃色のままで赤くならず、かわいらしい外観をしています。
果実は円錐~球形で少し光沢があり、果肉は中心まで真っ白。甘味と酸味が調和していて、桃の香りのほかに、ココナッツや甘いカラメルのような成分も多く含み、風味豊かな味わいです。ただし果肉がやわらかいため、輸送性はあまりよくありません。
桃の香りがする野生種を交配して誕生
桃薫は、農研機構の野菜茶葉研究所と北海道農業研究センターが育成し、2011年(平成23年)に品種登録されました。親は「K58N7-21」×「久留米IH1号」で、両親ともに野生種のいちごを利用した雑種(10倍体種間雑種品種)になります。
母親(種子親)のK58N7-21は、果実の外観と収量がよいとされる「カレンベリー」と、野生種を交配した品種。そして父親(花粉親)の久留米IH1号は、かつていちごの主流だった「とよのか」と、桃のような香りを持つ野生種を交配した品種です。桃薫は栽培種の優れた点と、野生種の芳醇な香りを受け継いだ品種というわけです。
ちなみに久留米IH1号は、「ももみ」や「ピーチベリー」という商品名で苗が販売されています。桃薫よりも桃の香りが強いのですが、見た目や収量が少ないなどの理由で、商業栽培されることはほとんどなく、おもに家庭菜園用として利用されています。
桃薫の名前の由来は、「桃のような甘くて芳醇な香りが薫る様子をイメージ」して付けられました。また、中国原産の野生種を育成に利用してることから、漢字表記にしたそうです。
旬の時期はやや遅めの2月頃
桃薫は見た目が美しく収量が多くて形もよいので、生産者に魅力的ないちごといえます。ただ、旬の時期が2月頃からとほかのいちごに比べてやや遅く、シーズンの終盤になると果実が小さくなるなど弱点もあります。また、果実がやわらかくて輸送性が低く、一定の需要が見込める品種ではありますが、生産量はそれほど多くありません。
桃薫の選び方(見分け方)
桃薫は淡桃色をしたいちごなので、きれいなサーモンピンク色をしていて、へたの部分が青々としたものを選びます。また果皮にツヤがあり、香りの強いものがおすすめです。
果皮がやわらかい品種なので、押されて傷んだものがないかも確認しましょう。ただし店頭では果実に直接触れないようにしてください。
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桃薫の保存方法
冷蔵庫の野菜室に入れて保存します。果実が乾燥しないように、パックごとポリ袋に入れておくとよいでしょう。また、持ち帰った際に、果実同士がぶつかったりして果皮に傷みが出ていないか確認し、もし傷んでいるものがあれば取り除いておきます。
桃薫は果肉がソフトですが、ある程度日持ちはします。とはいえ、いちごは新鮮なうちに食べるのが基本。なるべく早く食べるようにしましょう。
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桃薫の食べ方
桃薫は香り高い品種なので、そのまま食べてフルーティな香りを楽しみましょう。
また、淡いピンク色の果皮はパフェやタルト、ケーキなどに使っても見栄えします。飾り付ける際は断面ではなく、果皮を見せるようにトッピングするとかわいらしく仕上がります。
桃薫の旬(出回り時期)
桃薫は12月下旬頃から出荷されることもありますが、基本的には晩生種なので収穫量が増えるのは2月頃から。ただし春頃になると小粒になる傾向があるため、大粒のものを食べたい場合は、1月から2月頃のものがよいでしょう。
果物の出回り時期は、産地や天候などによって変化します。このデータは大まかな目安としてお考えください。