いよかん カンキツ類
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基礎データ DATA
いよかんの特徴
いよかんは山口県で誕生した柑橘です。明治時代に山口県阿武郡東分村(現萩市)の中村正路氏の農園で発見されました。親は不明ですが、ミカン類とオレンジ類の性質を持つため、それらが交雑したものではないかといわれています。
いよかんは甘みが強くて酸味は控えめ。果肉はやわらかくとてもジューシーです。果実は比較的大きいですが、手で皮が簡単にむけるのも魅力です。
現在、栽培されているいよかんの多くは「宮内いよかん」です。これは山口県で発見された「普通いよかん」の枝変わりで、1955年(昭和30年)に愛媛県松山市の宮内義正氏の農園で発見されました。それまでの普通いよかんに比べて熟すのが早く、多く収穫することができて甘みが強く、種なしになることが多いなど、優れた特徴があることから栽培面積が増加しました。1966年(昭和41年)に名称登録され、昭和50年代になると全国的に広がりメジャーな品種になりました。
いよかんの選び方(見分け方)
皮がしなびておらず、みずみずしさを感じるものがおすすめです。持ったときに軽いものは避けましょう。
また皮が果肉から浮いてフカフカとした状態のものは、味が落ちるていることがあります。
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いよかんの保存方法
冷暗所で保存します。いよかんの日持ちは購入時の状態にもよりますが、1週間~10日くらいが目安。徐々に水分が減って食味が落ちていくので、なるべく早く食べることをおすすめします。より日持ちさせたい場合はポリ袋などに入れて冷蔵庫の野菜室で保存します。
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いよかんの食べ方
いよかんは皮がやわらかいので、手で簡単にむくことができます。ただ、袋(じょうのう膜)は厚めなので、1つずつむいて果肉だけ食べるとよいでしょう。
量がたくさんあるときは、ジャム(マーマレード)やシロップ漬けにするのもおすすめです。
山口県生まれの愛媛県育ち
いよかんの発祥の地は山口県ですが、栽培が盛んに行われたのは愛媛県です。当時、山口県の地名「穴門」から「穴門蜜柑(あなとみかん」と呼ばれていましたが、愛媛県松山市の庄屋の息子である三好保徳氏が愛媛県に導入し、普及に努めました。
愛媛県で栽培されるようになると、地名の「伊予(愛媛)」をとって「伊予みかん」と呼ばれるようになりました。しかし「温州みかん」との区別を明確にするため、昭和に入ってから「伊予柑(いよかん)」になり、この名前が定着したそうです。
受験シーズンにいよかんでいい予感
愛媛県では以前から「愛媛のいよかん、いい予感」のキャッチフレーズでいよかんをPRしていますが、近年は「(合格の)いい予感」として受験の合格祈願としても注目されているようです。受験シーズンはいよかんがおいしい時期なので、栄養補給も兼ねてあやかってみるのもいいかもしれませんね。
弥生紅(やよいべに)と大谷いよかん
3月になると「弥生紅(やよいべに)」といういよかんが登場します。これは3月まで熟性させたいよかんの愛称で、糖度が高くて果皮の赤みが強くなります。
また「大谷いよかん」は別名「ダイヤオレンジ」ともいい、宮内いよかんの枝変わりです。まろやかな甘みで、皮がツルツルしているのが特徴。生産量はごくわずかですが、愛媛県で栽培されています。
いよかんの旬(出回り時期)
いよかんは12月頃から出回りはじめ、4月頃まで出荷が続きます。出荷のピークは2月頃です。
参考:東京都中央卸売市場
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各地の年間収穫量 いよかん
出典:農林水産省統計
2021年のいよかんの収穫量のうち最も多いのは愛媛県で、約2万1,611トンの収穫量があります。2位は約632トンの収穫量がある佐賀県、3位は約469トンの収穫量がある和歌山県です。
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栽培面積・収穫高の推移
出典:農林水産省統計
2021年のいよかん(伊予柑)の栽培面積は約1,709ヘクタール。収穫量は約2万3,575トンで、出荷量は約2万1,815トンです。