アケビ 通草/木通 Akebia
基礎データ DATA
アケビの概要
秋の味覚の1つ「あけび」。大きさは長さが10cmくらいで、熟すと果皮が割れて、中の果実をそのまま食べることができます。果実は乳白色のゼリー状で、甘味があり、黒い小さな種がたくさん入っています。果肉を食べるときはそのまま口に含み、口に残った種を出します。また、果皮は炒め物や揚げ物などにも使われます。
ちなみに漢字では「通草」または「木通」と書きますが、これはあけびのつるに空洞があり空気が通るからといわれています。
※右の花の写真はアケビの雌花(左)と雄花(右)
アケビの歴史
つる性の植物であるあけびは、古くから日本や中国などの東アジアの山に自生しており、その地域の人々に食べられていました。江戸時代にはあけびの種から油を採取していたようですが、商品として栽培されるようになったのは最近になってからのことです。現在、市場に出荷されているものの多くは山形県産です。
アケビの栄養と効能
おもな栄養成分(可食部100g中)
ビタミンC(65mg)、葉酸(30mcg)、カリウム(240mg:果皮)
期待される効能
風邪予防、美肌効果、がん予防、貧血予防、高血圧予防、動脈硬化予防、脳梗塞予防、心筋梗塞予防
果肉にはいちごと同じくらいのビタミンCを含み、風邪予防や美肌効果に期待できます。また、貧血予防によいとされる「葉酸」も含まれています。
また果皮には高血圧を予防するカリウムが多く含まれるので、炒め物などにして食べるとよいでしょう。
より詳細な栄養成分については、「栄養成分(グラフ)」もしくは「栄養成分(一覧表)」に掲載しています。
栄養成分表を見る
アケビの種類
アケビ
昔から日本に自生しているもので、果皮は紫色でサイズは5~12cmくらい。小葉の数は5枚で、葉は楕円形をしています。
ミツバアケビ(三葉あけび)
果実が大きめで色づきがよく、商業用としても品種改良されています。小葉3枚で、葉が少しギザギザしています。アケビの中では一番甘味が強く、サイズも大きいです。
ゴヨウアケビ(五葉あけび)
「アケビ」と「ミツバアケビ」の交雑種といわれていて小葉は5枚で、種類によっては葉の縁がギザギザしているものもあります。
白アケビ
果皮が着色しませんが、一般的なあけびと同様に熟すと果皮が割れ、中の果実を食べることができます。
白アケビの関連リンク
各地の年間収穫量 あけび
円グラフと下表の割合(%)が違うときは?
上の円グラフの割合(%)と下の表の割合(%)の数値が違うことがありますが、その場合は下表のほうが正しい数値です。
下の表は出典である農林水産省のデータに記されている「全国の合計値」から割合を計算したものです。
上の円グラフも農林水産省のデータですが、こちらは全国ではなく主要生産地のみのデータなので、値が公表されていない都道府県は含まれていません。
また、ページ上部の「基礎データ」にある「おもな産地」の数値は、下表の割合(シェア)を四捨五入したものです。
出典:農林水産省統計
あけびはおもに山形県と秋田県で栽培されています。山形県の収穫量は約42トンで、全体の80%以上を占めています。秋田県の収穫量は約7トンで、全体の約15%程度です。
栽培面積・収穫高の推移
出典:農林水産省統計
2021年のあけびの栽培面積は約5ヘクタール。収穫量は約50トンで、出荷量は約39トンです。