きんかん 香酸柑橘
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基礎データ DATA
きんかんの特徴





小さくて皮ごと食べられるきんかん(金柑)は、中国原産の柑橘類(※)の1つです。きんかんには食用と鑑賞用があり、食用は皮が甘くてマーマレードのようなほろ苦さと風味があり、果肉には酸味があります。
食用きんかんの多くは江戸時代に中国船から静岡県に伝わったといわれている「寧波(ネイハ・ニンポウ)きんかん」という品種です。寧波きんかんは円形~楕円形で重さは12~16gほど。皮が薄いので皮ごと食べられ、甘露煮やジャムとしても利用されています。主に宮崎県や鹿児島県など暖かい地域で栽培され、完熟したものは甘くて風味も良好です。
このほかに、サイズの大きな「長寿きんかん(福州きんかん)」や、長楕円形の「長実きんかん(長きんかん)」「丸きんかん」などがあり、これらは加工および鑑賞用として利用されます。また果実が1cmほどの小さな「マメきんかん(豆金柑・金豆)」は主に鑑賞用です。
※きんかんは一般的な柑橘と同じミカン科ミカン属ではなく、ミカン科キンカン属に分類されています。当サイトでは香酸柑橘類として分類していますが、あくまでも便宜上そうしているだけで、ほかの柑橘類とは分類が異なります。
きんかんの選び方(見分け方)

果皮に傷がなく、張りがあってツヤツヤとしているもの。また全体が濃い橙色に色づいていて、切り口が枯れていないものがよいでしょう。持ったときに軽く感じるものは水分が抜けてみずみずしさが失われている可能性があります。
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きんかんの保存方法
乾燥すると食味が落ちるので、ポリ袋などに入れて冷暗所または冷蔵庫の野菜室で保存します。日持ちは1週間くらい(冷蔵保存だと2週間くらい)が目安です。また、甘露煮にすると長期間保存できます。
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きんかんの食べ方
きんかんは皮が薄く、皮に甘みがあるため皮ごと生食できます。丸かじりしてもよいですが、ヘタ部分をナイフで切り落とし、果実を半分にカットして種を出しておくと食べるときに楽です。
加工する場合は、砂糖を加えて煮る甘露煮やジャムが定番。苦味があるので、2~3回ほどゆでこぼしてから煮詰めましょう。きんかんの甘露煮をゼリーやタルトに使うのもおすすめ。また香りをいかして「金柑酒」にするのもよいでしょう。
「たまたま」や種なしの「ぷちまる」

宮崎県では「たまたま」というブランド名で完熟きんかんを出荷しています。これは「寧波きんかん」を完熟させてから収穫したもので糖度が高いのが特徴です。
また、きんかんは基本的に種が入っていますが、種なしの品種もあります。2002年(平成14年)に品種登録された「ぷちまる」は、種がほとんど入っていないので食べやすく、苦味も少ないのが魅力。加工する際にも便利です。
きんかんの旬(出回り時期)
きんかんは12月から3月頃まで出回ります。完熟したものを食べたい場合は、1月中旬頃まで待ったほうがよいでしょう。
参考:東京都中央卸売市場
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各地の年間収穫量 キンカン
出典:農林水産省統計
2021年のキンカンの収穫量のうち最も多いのは宮崎県で、約2,560トンの収穫量があります。2位は約815トンの収穫量がある鹿児島県、3位は約72トンの収穫量がある熊本県です。
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栽培面積・収穫高の推移
出典:農林水産省統計
2021年のきんかん(金柑)の栽培面積は約178ヘクタール。収穫量は約3,579トンで、出荷量は約3,367トンです。