チェリモヤ Cherimoya
基礎データ DATA
- 分類:バンレイシ科バンレイシ属
- 原産地:コロンビア、エクアドル地方のアンデス山脈
- 季節の分類:周年
- 多く出回る時期:周年
チェリモヤの概要
チェリモヤは、パイナップル、マンゴスチンとともに世界三大美果(※)といわれている果物です。大きさは品種によってばらつきがありますが、直径10~15cmぐらいで、重さは約500g前後。ハート形の果実にはウロコ状の模様が見られ、果皮が出っ張っているものやデコボコしているもの、滑らかなものまで種類によってさまざまな形があります。
白い果肉は濃厚でねっとりとした舌触りをしていて、味は甘くてやや酸味があります。バナナ風味やパパイヤ風味、パイナップル風味など、いろいろな果物にたとえて表現され、「森のアイスクリーム」とも呼ばれます。
日本に流通するのはおもにカリフォルニア産とチリ産で、カリフォルニア産は12月から6月頃までがシーズン。チリ産はその反対の6月~11月頃までが旬です。日本では和歌山県などで栽培が行われていて、10月~12月頃が収穫期です。
また、チェリモヤに似ている果実に「バンレイシ(釈迦頭)」と「アテモヤ」がありますが、バンレイシ(釈迦頭)はチェリモヤの近縁種。アテモヤはバンレイシとチェリモヤの交雑で誕生したフルーツです。このページではチェリモヤのほか、バンレイシ(釈迦頭)、アテモヤもあわせて紹介しています。
※ここでいう世界三大美果とはイギリスのマルコム卿(1830~1916年)が述べたものです。
チェリモヤの歴史
ペルーのアンデス山地を原産とするチェリモヤは、赤道付近の標高1000~2000mぐらいの比較的冷涼な高原で育ってきました。現地ではチェリモヤの形を模して作られた素焼きの器がいくつも発見されるなど、有史以前から食べられていたことが分かっています。また、スペイン人がやってきた16世紀頃には、アンデス地域を中心に栽培も行われていたようです。
スペイン人たちに発見されたチェリモヤは、その後世界中へと広がっていきました。現在ではアメリカ(カリフォルニア)、スペイン、チリ、オーストラリアなど世界各地で栽培されています。
チェリモヤの栄養と効能
おもな栄養成分(可食部100g中)
葉酸(90mcg)、カリウム(230mg)、ビタミンB6(0.23mg)、ビタミンC(34mg)
期待される効能
チェリモヤには血液を作る働きを持つ「葉酸」が豊富に含まれ、貧血予防などに効果的です。また、高血圧予防に効果のあるカリウムも比較的多く含まれています。
また、タンパク質の代謝に必要なビタミンB6や、風邪予防に効果があるビタミンCも比較的多めです。
より詳細な栄養成分については、「栄養成分(グラフ)」もしくは「栄養成分(一覧表)」に掲載しています。
栄養成分表を見る
チェリモヤの種類
チェリモヤ
緑色の果皮がうろこのような模様をしているのが特徴で、甘味が強く、熟すと香りも強くなります。果肉は白くてなめらかな食感。果皮の形状により「フィンガープリント」や「アンボネート」などいくつかのタイプがありますが、国内では「フィンガープリント」が多いようです。品種としてはマンゴーとパパイヤを合わせたような香りの「ホワイト」や、レモンのような風味を持つ「ベイズ」、ジューシーで優れた食味の「ハニーハート」、日本生まれで糖度の高い「粋豊(すいほう)」などがあります。
バンレイシ(釈迦頭)
チェリモヤの近縁種で、見た目がお釈迦様の頭のように見えることから「釈迦頭(シャカトウ)」ともいわれます。西インド諸島が原産地とされ、白い果肉はクリーム状で甘みが強く、酸味は少なめ。食べ方や保存方法はチェリモヤと同様で追熟が必要です。糖度が高いことから「シュガーアップル」とも呼ばれます。
アテモヤ
「バンレイシ(釈迦頭)」と「チェリモヤ」の交雑により100年ほど前にアメリカで誕生しました。アテモヤという名前は、バンレイシのブラジルでの呼び名「アテス(アテ)」と、チェリモヤの「モヤ」を合わせて付けられたそうです。食べ方や保存方法はチェリモヤと同じで、室温で追熟させ、やわらかさを感じれば食べ頃。果肉はとても甘くてほのかに酸味もあり、「カスタードアップル」や「森のアイスクリーム」とも呼ばれます。
栽培面積・収穫高の推移
出典:農林水産省統計
この統計データは年代が古いのでご注意ください。