ぽろたん クリ(栗)
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基礎データ DATA
ぽろたんの特徴

「ぽろたん」は2007年(平成19年)に品種登録された新しい栗です。農研機構果樹研究所が「550-40」と「丹沢」を交雑して育成しました。
ぽろたんの大きな特徴は、渋皮(内側の薄い皮)がむきやすいこと。ニホングリは甘くてホクホクとしていて味はよいものの、渋皮がむきにくいという欠点があります。そこで長年の研究の末、その弱点を克服し簡単に皮がむける品種として開発されたのが、このぽろたんです。
ぽろたんの味や見た目は普通の栗と変わりません。粉質で甘味があって一般的な栗と同じように秋の味覚として楽しめます。
ただ、ぽろたんの渋皮をむきやすくするには、あらかじめ外側のかたい鬼皮に包丁で切れ目を入れるか、栗を半分にカットしてから加熱をする必要があります。ひと手間かかりますが、この作業をすることでぽろたんの特徴が発揮されます。なお、切れ目を入れる場合は、果肉に少し達するくらいの深さになるようにしてください。
ちなみに、渋皮が簡単にむけるといえば「天津甘栗」のような中国栗を思い浮かべますが、ぽろたんの育成に中国栗は使用されていないので、ぽろたんはニホングリになります。
ぽろたんの選び方(見分け方)
虫食い穴や傷などがないかチェックしましょう。また皮が乾燥しておらず、ツヤがあって持ったときに重みのあるものがおすすめです。鮮度が落ちると水分が抜けて軽く感じることがあります。
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ぽろたんの保存方法
栗は長持ちしそうに見えますが、鮮度の低下が早い食材です。そのまま置いておくと徐々に水分が抜けて味が落ちていくので、乾燥しないようにポリ袋に入れて冷蔵保存しましょう。
冷蔵保存する際は低温のほうがよいので、できればチルド室での保存がおすすめです。栗は収穫後、0度近い低温で数日から1か月ほど貯蔵しておくと、収穫後よりも甘くなるといわれます。そのため、低温貯蔵したものが出荷されることもあります。
なお、ぽろたんの渋皮の剥皮性(渋皮のむきやすさ)は、収穫後の鮮度のよいものよりも、0度近くでしばらく貯蔵したほうが高くなり、むきやすくなるそうです。
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ぽろたんの皮のむき方(剥き方)・食べ方


冒頭でも述べていますが、ぽろたんはあらかじめ鬼皮(かたい皮)に切り目を入れるか、または半分にカットしてから加熱することで渋皮がむきやすくなります。加熱方法は食べ方にもよりますが、基本的にお湯で3分ほどゆでるか、レンジで2分ほど加熱すればOK。温かいうちに皮をむくと、鬼皮と一緒に渋皮も取れます。
ただし100%効果があるわけではなく、切れ目の入れ方や加熱方法などによってはむきにくいこともあります。切れ目を入れるだけの場合、果肉に達する深さになっていないと効果はないので注意が必要です。
また、作業中に栗が冷めると、渋皮はむきにくくなります。その場合は再度少しお湯で温めれば再びむきやすくなります。
2~3分ほど加熱したものは、まだ半生なので栗ご飯やシロップ漬けなどに使用するとよいでしょう。シロップ漬けにすると長期保存が可能で、タルトやケーキなどに手軽に利用できて便利です。また、半分に切ったものを15分ほど蒸せば、そのままホクホクとした本来のぽろたんを味わえます。
下処理は意外と手間がかかるので、栗全体の形を残す必要がないなら半分に切るほうが楽でしょう。作業を行う際はくれぐれもケガをしないように気をつけてください。
効率よく切れ目を入れたいという場合は、ぽろたん専用の切れ目を入れるためのハサミが発売されているのでチェックしてみてください。
ぽろたんの旬(出回り時期)
ぽろたんは9月頃から11月頃に出回ります。
ぽろたんの主な産地
出典:農林水産省統計
ぽろたんの作付面積のトップは熊本県です。作付面積は約60.3ヘクタールで、全体の約28%を占めています。2位は約45.6ヘクタールの茨城県。全体の約21%でこちらも20%以上を占めています。3位は約33.3ヘクタールの埼玉県です。
統計データを公表していない都道府県はこのランキングに入っていませんのでご注意ください
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