甘夏 カンキツ類
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基礎データ DATA
甘夏の特徴

「甘夏」は「夏みかん」の枝変わりとして誕生した柑橘で、品種名は「川野夏橙(かわのなつだいだい)」といいます。1935年(昭和10年)頃に大分県津久見市の川野豊氏の農園で発見され、1950年(昭和25年)に品種登録されました。
夏みかんに比べて酸味が少なく食べやすいのが特徴。香りがよくて甘みの中に酸味があり、さわやかな甘酸っぱさが楽しめます。皮はかためで厚く、じょうのう膜(薄皮)も厚め。重さは300~400gくらいです。庭木としても人気で、春になると甘夏の実がたわわになった木をよく見かけます。
甘夏の選び方(見分け方)

ヘタが枯れておらず、持ったときに重みがあり、果皮に張りがあるものが良品です。甘夏は皮に薄いシミや傷が付いているものもありますが、味にはほとんど影響ありません。
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甘夏の保存方法
日の当たらない冷暗所で保存します。甘夏は日持ちがよいほうですが、1週間~2週間を目安にして、なるべく早く食べるようにしてください。酸っぱいと感じる場合は、数日おいておくと、酸味が少し抜けて食べやすくなるでしょう。
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甘夏の食べ方


甘夏は皮が厚くて手では少しむきにくいです。ナイフで浅く切り込みを入れてからむくとよいでしょう。じょうのう膜(薄皮)も厚くて苦味があるので、袋をむいて中の果肉だけを食べます。種は多めです。
甘夏は適度な酸味があるので、ジャム(マーマレード)にするとさわやかな味わいになります。またゼリーやシロップ漬け、ケーキのトッピングなどに使用してもよいでしょう。

新甘夏や紅甘夏


甘夏の仲間に「新甘夏」という品種がありますが、これは「甘夏(川野夏橙)」の枝変わりです。甘夏よりも甘みが強いのが特徴で、愛媛県は「サンフルーツ」、静岡県では「ニューセブン」、和歌山県は「田の浦オレンジ」の名前で流通しています。ほかに果皮が濃いオレンジ色の「紅甘夏」や、「甘夏」×「文旦」の交配から誕生した「スルガエレガント」などもあります。
甘夏の旬(出回り時期)
甘夏は1月頃から出回り始め、6月頃までがシーズンです。
参考:東京都中央卸売市場
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各地の年間収穫量 甘なつみかん
出典:農林水産省統計
2021年の甘なつみかんの収穫量のうち最も多いのは鹿児島県で、約1万1,010トンの収穫量があります。2位は約6,260トンの収穫量がある熊本県、3位は約5,359トンの収穫量がある愛媛県です。
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栽培面積・収穫高の推移
出典:農林水産省統計
2021年の甘夏(甘夏みかん)の栽培面積は約1,394ヘクタール。収穫量は約2万9,399トンで、出荷量は約2万5,035トンです。