ライチ(レイシ) 茘枝 Lychee
基礎データ DATA
ライチの概要
日本ではレイシよりもライチの名前でおなじみの熱帯の果物で、楊貴妃が愛したフルーツとしても有名です。楊貴妃のライチ好きはかなりのもので、中国南部から長安(いまの西安)までの長い距離を数日かけて馬で運ばせていたというほどです。
なお、このページではライチのほかに「ランブータン」と「竜眼(りゅうがん)」も紹介しています。
ライチの歴史
ライチは中国南部では紀元前から栽培されていたようで、日本には、1720年頃に伊豆大島へ、そして江戸時代の終わりに鹿児島県にもたらされたといわれています。
現在の主産地は中国や台湾、インドなどですが、タイやベトナム、メキシコ、ハワイ、沖縄県など世界の熱帯、亜熱帯にかけて栽培されています。
※右上の写真は竜眼です
ライチの栄養と効能
おもな栄養成分(可食部100g中)
ライチ:葉酸(100mcg)、ビタミンC(36mg)、カリウム(170mg)
期待される効能
風邪予防、美肌効果、がん予防、貧血予防、便秘改善、高血圧予防、動脈硬化予防、脳梗塞予防、心筋梗塞予防
ライチには葉酸が多く含まれているので貧血予防に効果が期待できます。また妊娠初期において葉酸が不足すると「神経管閉鎖障害」のリスクが高くなるといわれているので、妊娠を計画している人にも効果的です。
ビタミンCやカリウムも適度に含まれていて風邪や高血圧などの予防にも期待できるでしょう。
より詳細な栄養成分については、「栄養成分(グラフ)」もしくは「栄養成分(一覧表)」に掲載しています。
栄養成分表を見る
ライチの種類
ライチ
直径は3~4cmくらいで、熟すと果皮が緑色から赤色になります。乳白色で弾力がある果肉は、甘味とほどよい酸味があり、香りも豊か。果肉の中には大きめの種が1つ入っていて、果皮は簡単に手でむくことが可能です。品種としては「妃子笑」や「黒葉」、熟しても果皮が緑色の「玉荷包」などがあります。
ランブータン
ランブータンはムクロジ科ランブータン属の果実です。果皮が鮮やかな赤色で果実のサイズは3~5cmくらい。果皮にはやわらかい毛がたくさん生えています。果肉は乳白色でプルッとしていて甘く果汁も豊富。日本ではあまり見かけることはありませんが、東南アジア諸国ではとてもポピュラーな果物です。
竜眼(りゅうがん)
竜眼はムクロジ科リュウガン属の果実で「ロンガン」とも呼ばれます。果実の直径は1.5~3cmと小さく果皮は黄土色。果肉はライチのような乳白色で中に大きめの種が1つ入っていて、果汁が多く、ほどよい甘味があります。東南アジア諸国や中国南部、沖縄県などで栽培されています。
各地の年間収穫量 ライチ
円グラフと下表の割合(%)が違うときは?
上の円グラフの割合(%)と下の表の割合(%)の数値が違うことがありますが、その場合は下表のほうが正しい数値です。
下の表は出典である農林水産省のデータに記されている「全国の合計値」から割合を計算したものです。
上の円グラフも農林水産省のデータですが、こちらは全国ではなく主要生産地のみのデータなので、値が公表されていない都道府県は含まれていません。
また、ページ上部の「基礎データ」にある「おもな産地」の数値は、下表の割合(シェア)を四捨五入したものです。
出典:農林水産省統計
ライチはおもに宮崎県、鹿児島県、佐賀県で栽培されています。宮崎県の収穫量は約17トンで、全体の70%以上を占めています。鹿児島県の収穫量は約4トンで、全体の約19%程度です。佐賀県の収穫量は約2トンです。
栽培面積・収穫高の推移
出典:農林水産省統計
2021年のライチの栽培面積は約9ヘクタール。収穫量は約23トンで、出荷量は約21トンです。
ライチの輸入先と輸入量
出典:財務省統計
ライチは6か国から輸入されています。輸入先トップは中国で輸入量は約198トン、全体の30%以上を占めています。2位は台湾の約135トンで全体の20%以上を占めています。3位はベトナムの約108トン。4位は約54.6トンのグアテマラと続きます。
年別輸出入量
出典:財務省統計
ライチは海外から輸入されています。2023年の輸入量は約547トンで輸入額は約6億2,453万円です。2023年の輸入量とその前年の輸入量はほとんど変わりません。