グロスミッシェル バナナ

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基礎データ DATA

  • 20世紀前半までの主流品種群

グロスミッシェルの特徴

「グロスミッシェル」は、口当たりがもっちりとしていて甘味の強いバナナです。生産量はごくわずかですが、国内産のものが2016年頃から流通していて、フルーツ専門店や百貨店などで売られています。

バナナは形状や性質によって品種群が分けられていて、現在、世界的に主流となっているのは「キャベンディッシュ」という品種群です。スーパーに並んでいるバナナの多くはこのキャベンディッシュといってもよいでしょう。

一方、グロスミッシェルは、キャベンディッシュが登場するまで世界的に食べられていた品種群になります。

20世紀半ばにパナマ病で姿を消す

グロスミッシェルは食味がよいことから日本でも昭和時代中頃まで人気の高いバナナでした。しかしその後、長きにわたり姿を消してしまいます。

その理由は、1950年代にバナナを枯死させる「パナマ病」が世界で流行したためです。パナマ病に対する抵抗性がないグロスミッシェルは、その大半が枯れてしまい、産地は壊滅状態に。

こうしてグロスミッシェルは姿を消し、その後パナマ病に強いキャベンディッシュへと世代交代が行われたというわけです。

「凍結解凍覚醒法」により耐寒性を実現

一度は消えたグロスミッシェルですが、日本で国産バナナとして復活。国内での栽培を可能にしたのは、岡山県のD&Tファームという企業です。

同社は凍結解凍覚醒法という技術を開発し、苗に独自の凍結・解凍工程の処理を行うことで、日本でも栽培可能な耐寒性を持つグロスミッシェルを作り出すことに成功しました。

グロスミッシェルの選び方(見分け方)

一般的なバナナと同様に熟すと全体が黄色くなり、食べ頃になると皮にシュガースポットが出てきます。すぐに食べるなら黒い点々が出ているものを選びましょう。数日後に食べる場合や贈答品にする場合は、シュガースポットが出ていないものを選ぶとよいでしょう。

グロスミッシェルの保存方法

軸に緑色が残っていたり、果皮にシュガースポットが出ていないものは、常温で保存して追熟させます。シュガースポットが出てきたら日持ちしないので早めに食べ切ってください。

国産のグロスミッシェルは価格が高いため、一度に食べ切れないほどの量を入手することはそれほどないと思いますが、消費に困った場合は、1本ずつラップで包んで冷蔵庫の野菜室で保存すると日持ちします。

グロスミッシェルの食べ方

普通のバナナと同じように皮をむいてクリーミーな果肉を味わいましょう。パンケーキやパフェなどに使用するのもおすすめです。

また、皮ごと食べられるとうたわれているのものは、試しに皮ごと食べてみてもよいかもしれません。ただ、皮は繊維が多いので食べ過ぎには注意してください。

「もんげーバナナ」や「ともいきバナナ」

凍結解凍覚醒法を使ったバナナは全国で作られていて、岡山県の「もんげーバナナ」や、三重県の「ともいきバナナ」、香川県では「さぬきドリームバナナ」など、各地域の独自ブランドバナナとして販売されています。

無農薬で皮ごと食べられる

国産グロスミッシェルは輸入バナナに比べると高価ですが、糖度が高くて香りがよく、味には定評があります。また無農薬で作られたものは「皮ごと食べられる」というのも特徴の1つ。わざわざ皮まで食べる必要はありませんが、これにより食の安全性をアピールすることに成功しています。

グロスミッシェルの旬(出回り時期)

国内で生産されているグロスミッシェルは周年出回っています。

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