千雪 リンゴ
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千雪の特徴
「千雪(ちゆき)」は地方独立行政法人青森県産業技術センターりんご研究所が「金星」と「マヘ7」を交配して育成した品種で、正式名称は「あおり27」といいます。
千雪という名前は青森県の登録商標で、果皮の点々(果点)が、小雪が舞っているように見えることから名付けられました。2008年(平成20年)に品種登録されましたが、登録は同年に消滅しています。
ひと目で千雪とわかる独特な色と模様
千雪の外観は扁円形で、サイズは300~350g程度。果皮は熟すと濃紫紅色になり、小雪模様の果点がはっきりと浮かび上がります。この濃い色と果点模様は、ひと目で千雪だとわかるほど特徴的です。
果肉は黄白色でかたく、肉質は粗くて蜜はほとんど入りません。味は糖度が高くて酸味はおだやかなので甘味を感じやすく、香りがよくて果汁を多く含んでいます。また貯蔵性が高く長期保存にも適しています。
褐変がなく加工用としても活躍
りんごの多くはカットしたりすりおろしたりすると、時間とともに果肉が茶色く変色します。これを「褐変」といいますが、千雪はこの褐変化がほとんど起こらないのがポイントです。カットフルーツやデザートなど加工向けとして大きな可能性を秘めています。
ちなみに千雪が褐変しないのは、褐変の原因となるポリフェノール類の含量が少なく、消化酵素PPOの活性も低いからだそうです。
千雪の選び方(見分け方)
千雪は果皮の色の濃さが特徴なので、全体が濃紫紅色をしているものがよいでしょう。果皮に張りがあり軸がしっかりしていて、同じサイズなら持ったときに重いほうを選びます。
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千雪の保存方法
すぐに消費するなら冷暗所でもよいですが、数日間保存するなら冷蔵庫の野菜室に入れておきます。乾燥すると食味が落ちるので、新聞紙などで包んでからポリ袋に入れておきましょう。
千雪は日持ちのよい品種ではありますが、家庭ではそれほど長持ちしません。鮮度や保存状態にもよりますが、新鮮なものでも10日程度を目安に、できれば数日で食べ切るようにしましょう。
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千雪の食べ方
千雪はくし形にカットしてみずみずしい甘味を味わうほか、褐変しにくいのでパフェやジャムなどにもおすすめです。スムージーやりんごジュースにしてもおいしく味わえます。
なお千雪は酸味が少なめなので、ジャムにする場合はレモン汁を加えるなど酸味付けをしたほうがよいでしょう。
品種登録の取り消しと苗の違法販売
千雪(あおり27)は「春明(あおり21)」とともに2008年に品種登録されました。しかし、当時の職員が品種登録料の納付を忘れてしまったことで、同年に消滅。このミスを受けて青森県ではこの2つの品種が県外に流出しないよう、さまざまな手を打って対策しました。しかし、2019年には中国に千雪とみられる苗木が流出した可能性があることがわかり、さらなる対応が必要とされています。
千雪の旬(出回り時期)
千雪の収穫は10月中旬頃から始まります。貯蔵されたものは年明けまで出荷されますが、流通量は多くありません。
果物の出回り時期は、産地や天候などによって変化します。このデータは大まかな目安としてお考えください。
千雪の主な産地
出典:農林水産省統計
千雪は青森県で栽培が行われています。作付面積は約23.9ヘクタールです。
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